雨上がりの細い路地に、縦長の看板がぽつんと立っている。「聖徳・餃子・タンメン・一番」。下仁田(しもにた)駅から歩いて数分、商店街の一角にあるこの小さな町中華は、テレビ東京のドラマ『孤独のグルメ』の聖地として知られる一軒だ。この日は下仁田温泉 清流荘の日帰り湯とセットで、西毛(群馬県西部)の山あいまで足をのばしてきた。

基本データ|営業時間・定休日・駐車場・支払い方法
| 店名 | 餃子・タンメン 一番(通称「一番」) |
|---|---|
| 所在地 | 群馬県甘楽郡下仁田町下仁田362(上信電鉄 下仁田駅から徒歩3分・駅前すぐ) |
| 営業時間 | 昼 11:30〜14:00/夜 17:00〜19:30頃(売り切れ次第終了) |
| 定休日 | 毎月「3の付く日」=3日・13日・23日(+臨時休業あり) |
| メニュー・値段 | 現在はタンメン650円/餃子450円(6個)/ライス約200円の3品(タンメン+餃子で計1,100円)。餃子は注文後に皮から手包み。※価格は変動あり、訪問前に確認を |
| 支払い | 現金のみと考えておくのが無難(支払い方法は変わることがあります) |
| 駐車場 | 店専用なし。北へ約100m・徒歩2分の下仁田町営 無料観光駐車場を利用 |
| 電話 | 0274-82-2594(予約は受け付けていない) |
| 訪問 | 2026年6月20日(土)昼 |
孤独のグルメ Season7 第4話の聖地|下仁田駅前すぐ、向かいは「コロムビア」
上信電鉄の終点・下仁田駅から歩いて3分ほど。駅前の商店街筋にあり、迷うほどの距離ではない。駅前すぐなので、聖地巡礼の起点にしやすい立地だ(車で来る場合の駐車場は後述の「訪問のコツ」へ)。
外観の写真(上)をよく見ると、一番の向かいに「コロムビア」の看板がある。じつはこの2軒、どちらも『孤独のグルメ』Season7・第4話の舞台。サブタイトルは「群馬県甘楽郡下仁田町のタンメンと豚すき焼き」(2018年4月27日放送)で、井之頭五郎がタンメンと餃子を食べたのが一番、下仁田名物の豚すき焼きを食べたのが向かいのコロムビアという2軒立ての回だった。聖地巡礼でこの路地に立つと、一度に2軒ぶんの“あの場面”が目の前にそろう。
ちなみに同じ第4話には、五郎がベンチの老人(演じたのは『ガキの使い』でおなじみのピカデリー梅田)から「秘湯中の秘湯だよ」と温泉を勧められる小ネタもある。作中に湯の名前は出てこないが、下仁田で“秘湯”といえば——日本秘湯を守る会の一軒宿、下仁田温泉 清流荘だ。聖地巡礼のついでに、ひとっ風呂もどうぞ。

今は若い跡継ぎがほぼ一人で|だからメニューは3品だけ
暖簾をくぐると、カウンターだけの小さな店内。いまの一番は、若い店主がほぼワンオペ(一人で店を切り盛りすること)で回している。もともとは高齢のご夫婦の店で、それを地域おこし協力隊(都市部から地方に移住して地域づくりを担う、総務省の制度)として下仁田に移り住んだ若者が継いだ——という世代交代の物語がある。2025年にはテレビ東京『切り盛り超人食堂』でその“超重労働ワンオペ”ぶりが特集されたほどだ。
一人で皮から餃子を包み、タンメンの野菜を炒める。だから今のメニューは、タンメン・餃子・ライスの実質3品だけ。手を広げず看板の2品に絞るのは、一人でもその質を落とさないための選択でもあるのだろう。古い情報サイトには丼物や炒め物の名前も残っているが、いま頼めるのはこの3品と考えておくのが正解だ。
羽根つき手包み餃子(450円・6個)|出来立ての熱々

餃子は注文が入ってから、一つひとつ皮で包んで焼くスタイル。出てきたのは、皿の縁まで広がるパリパリの羽根つきだ。焼き面はこんがり香ばしく、皮はもちっと、中は出来立ての熱々。かじると餡のジューシーさがじわっと広がる。皮から手包みの一体感は、冷凍ものとはまるで違う。源泉かけ流しを巡る旅の途中、島根や大分の湯の町でも食堂の餃子をつまんできたが、注文ごとに皮から包むこの一皿は、わざわざ路地に立ち寄る価値がある。
なお冬場、下仁田ねぎの旬の頃には、この餃子に地元の下仁田ねぎが入って甘みと香りが増すという。季節を変えてまた来たくなる楽しみだ。
タンメン(650円)|極太もっちり麺と、野菜たっぷりの塩スープ

もう一つの看板が、五郎も食べたタンメン。もやし・キャベツ・人参・豚肉が山盛りにのって、湯気が立ちのぼる。ひと口すすると、あっさりした塩のスープに、煮込まれた野菜——とりわけキャベツ——の甘みが溶け込んでいる。そして主役級なのが極太でもっちりした麺で、野菜とスープに負けない存在感がある。派手さで押すのではなく、野菜と麺それぞれの素の良さで食べさせる一杯だ。温泉ドライブの締めに、湯上がりの体へあっさりの塩スープがすっと染みていった。
定番は、このタンメンと餃子のセット。内容のわりに、うれしい価格だ。
訪問のコツ|「3の付く日」と売り切れに注意
人気店ゆえ、訪問にはいくつかコツがいる。
- 定休日+臨時休に注意。定休は基本データの通り「3の付く日」だが、ワンオペゆえの臨時休業もある。遠方から行くなら事前に電話(0274-82-2594)で確認しておくと安心だ。
- 売り切れ次第終了。食材がなくなると早じまいするので、昼は早めの時間がおすすめ。
- 行列が出やすい。この日は10〜20分ほどの待ちで入れたが、土日の昼ピークはもっと並ぶこともある。カウンターだけの小さな店なので、時間に余裕をもって。
- 車は町営の無料駐車場へ。店専用の駐車場はないので、北へ徒歩2分の下仁田町営 無料観光駐車場に停める。
まとめ|聖地でいただく、飾らない一杯と手包み餃子
『孤独のグルメ』の聖地という看板に身構えて行くと、いい意味で拍子抜けする。あるのは、若い店主が一人で守る飾らない町中華と、羽根つきの手包み餃子+野菜たっぷりのタンメンという、まっすぐな2品だけ。だからこそ、わざわざ下仁田まで足をのばす価値がある。そして向かいのコロムビアも同じ第4話の舞台。2軒そろえて路地に立てば、聖地巡礼の満足感はひとしおだ。
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