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群馬の源泉かけ流し40湯 泉質比較データ|pH・メタけい酸・湯使い

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3秒でわかる総括

本表40湯のpHは 1.7〜9.5、泉温は 13.7℃〜94.6℃、溶存物質は 150〜約14,590 mg/kg
メタけい酸トップ:草津 無料共同浴場(240.6 mg/kg・伊香保枠は丸本館181)/ アルカリ最強:釈迦の霊泉(pH 9.5)/ 酸性最強:草津 大滝乃湯(万代鉱源泉 pH 1.7)/ 濃さ最高:八千代 芹の湯(約14,590 mg/kg・高張性冷鉱泉)/ 泉温最高:草津 大滝乃湯(万代鉱源泉 94.6℃・加水なしで入れる最高は万座 豊国館 74.5℃)/ 湯使い5項目すべて掲示「該当なし」の完全かけ流し:大峰館長生館応徳温泉 くつろぎの湯

「源泉かけ流し」とパネルに書いてあっても、お湯の中身は数字を読まないと分かりません。本記事は、筆者が群馬県内の温泉に実地で訪問し、現地で成分表を撮影・記録できた40湯を扱う一次データ集です。

最終更新:2026-07-1240湯まで拡張+ランキング全面更新。溶存物質トップ=八千代 芹の湯 約14,590(高張性冷鉱泉)、最強酸性=草津 万代鉱源泉 pH1.7、メタけい酸最高=草津 無料240.6・大滝乃湯236.6、泉温最高=万代鉱94.6℃。詳しい変更履歴は記事末尾の「更新履歴」へ)。新しい湯に入って成分表が取れるたびに更新します。

  1. 群馬の温泉、結局どこに行けばいい?(簡易比較ガイド)
    1. 迷ったらこう選ぶ(用途別の3秒ガイド)
    2. 数字の見方ざっくり3行
  2. 群馬40湯と関連記事(クラスタ記事一覧)
    1. 40湯の個別レポート
    2. 関連記事(自宅ブレンド入浴・温泉水汲み)
  3. 関連記事(温泉グッズシリーズ)
  4. 群馬 源泉かけ流し pH・メタけい酸・湯使い 完全比較表(実地40湯・11列フル版)
  5. 群馬の温泉の pH・メタけい酸・泉質を読み解く(数字の見方)
    1. pH の見方(酸性〜アルカリ性)
    2. メタけい酸(美肌の湯)の見方
    3. 溶存物質と療養泉の見方
    4. 泉質名の読み方(陽イオン-陰イオンの組合せ)
    5. 湯使い(加水・加温・循環・消毒)の見方
  6. 群馬の源泉かけ流しで注目すべき泉質ポイント9選(本表40湯のなかで)
    1. 🏆 pH 最高:釈迦の霊泉 9.5(強アルカリ性)
    2. ⭐ メタけい酸 最高:草津 無料共同浴場 240.6・鹿沢 紅葉館 240・大滝乃湯 236.6 mg/kg(さらに草津町公式の万代鉱源泉分析では 528.3 と群を抜く。大滝乃湯の内湯掲示は227.4/伊香保 丸本館は 181)
    3. 🔥 泉温 最高:草津 万代鉱源泉 94.6℃(次いで王湯 75.3℃/加水なしで入れる最高は万座 苦湯 74.5℃)
    4. 💎 溶存物質 トップ:八千代温泉 芹の湯 約14,590 mg/kg(下仁田・高張性の炭酸冷鉱泉/次点 半出来 登喜和荘 4,954)
    5. 💎 重曹食塩泉型の濃い湯:砦乃湯 1,760 mg/kg(安中)
    6. 🌊 単一成分は薄くても “効く” 湯:釈迦の霊泉(組合せで効く論点)
    7. 🛁 湯使い純度:大峰館・長生館・応徳温泉(5項目すべて掲示「該当なし」)
    8. 🏟 同じ源泉・違う湯使い:沢渡温泉 共同浴場(300円) vs 龍鳴館(700円)
    9. 🎙️ 自宅ブレンド派の供給源:沢渡 共同浴場(10L 200円)・釈迦の霊泉(4L持ち帰り無料)
  7. 群馬の温泉をpH(アルカリ性)が高い順で見る【実測ランキング】
  8. よくある質問(FAQ)
    1. Q. メタけい酸が多いとどんな効果があるの?
    2. Q. pH 9以上のアルカリ性温泉は肌に悪い?
    3. Q. pH 9以上の強アルカリ性温泉は飲んで平気?
    4. Q. 療養泉と単純温泉の違いは?
    5. Q. 単純冷鉱泉は本当に温泉?
    6. Q. 「源泉かけ流し」と書いてあれば全部同じ?
    7. Q. 温泉の「鮮度」って何?どこを見ればわかる?
    8. Q. 「足元湧出」「自噴」って何が違うの?
    9. Q. 湧出地からの距離は正確に分かるの?
  9. 次に訪問したい群馬の温泉(本表に含まれていない名湯)
  10. 更新履歴

群馬の温泉、結局どこに行けばいい?(簡易比較ガイド)

まずは温泉選びの参考になる5項目に絞った早見表をどうぞ。詳しい泉質データや化学的な読み解きは、後半の「マニア向けセクション」にあります。

温泉名エリアpHメタけい酸
(mg/kg)
日帰り料金
砦乃湯
とりでのゆ
安中・松井田8.054.6800円
丸本館 黄金の湯
まるもとかん
伊香保6.4181500円
伊香保露天風呂
いかほ ろてんぶろ
伊香保6.4181600円
石段の湯
いしだんのゆ
伊香保6.4181800円
南郷温泉しゃくなげの湯利根・沼田9.3756.5800円
御夢想の湯四万温泉8.750.8無料
上の湯四万温泉7.2104無料
河原の湯四万温泉6.5142無料
山ばと 滝見の湯四万温泉8.7649.52,200円
釈迦の霊泉
(冷鉱泉)
みなかみ9.554.71,500円
大峰館
おおみねかん
みなかみ・上牧7.7249.21,000円
長生館 野天風呂
ちょうせいかん
みなかみ・猿ヶ京7.654.3500円
沢渡温泉 共同浴場
さわたり
中之条・沢渡8.3264.3300円
沢渡温泉 龍鳴館
りゅうめいかん
中之条・沢渡8.3264.3700円
応徳温泉 くつろぎの湯
おうどく
中之条・六合8.174.2500円
川原湯温泉 王湯
かわらゆ おうゆ
長野原・八ッ場7.4188.3500円
万座温泉 豊国館
まんざ
万座・嬬恋2.2158.7800円
半出来温泉 登喜和荘
はんでき
嬬恋7.1148.9500円
川場温泉 悠湯里庵
かわば
川場村9.160.61,100円
湯宿温泉 湯本館
ゆもとかん
みなかみ・湯宿8.364.2600円
湯宿温泉 太陽館
たいようかん
みなかみ・湯宿8.060.6700円
天狗の湯きむら苑
てんぐのゆ きむらえん
みなかみ・水上7.643.71,000円
草津 大滝乃湯
おおたきのゆ
草津2.1/1.7236.61,200円
草津 無料共同浴場
むりょうきょうどうよくじょう
草津約2.1240.6 ⭐無料
温泉農家民宿はしば
はしば
みなかみ・猿ヶ京7.874.5550円
鈴森の湯
すずもりのゆ
みなかみ・仏岩8.229.9900円
清流荘
せいりゅうそう
下仁田6.055.11,000円
八千代温泉 芹の湯
せりのゆ
下仁田6.5143.7800円
まえばし駅前 ゆ〜ゆ
ゆ〜ゆ
前橋7.4658.4平日900円
湯都里
ゆとり
高崎・京ヶ島7.764.1平日980円
老神温泉 東秀館
とうしゅうかん
沼田・老神8.4461.01,000円
ぎょうざの満洲 東明館
とうめいかん
沼田・老神8.465.0700円
天野屋
あまのや(水上温泉 旧湯)
利根・みなかみ7.642.8500円
鹿沢温泉 紅葉館
こうようかん(雲井の湯)
嬬恋・鹿沢6.7240500円
月夜野温泉 三峰の湯
みつみねのゆ(みなかみ町営)
みなかみ・月夜野9.038.6600円(町外)
高崎中尾温泉 天神の湯
てんじんのゆ
高崎(前橋IC)7.6944.6950円〜
幡谷温泉 ささの湯
ささのゆ
利根・片品8.729.2750円
花湯スカイテルメリゾート
旧スカイテルメ渋川
渋川7.6072.2750〜850円
群馬温泉 やすらぎの湯
やすらぎのゆ
高崎7.8059.2800〜950円
大塚温泉 金井旅館
おおつかおんせん かないりょかん
中之条8.642.6400円

迷ったらこう選ぶ(用途別の3秒ガイド)

数字の見方ざっくり3行

  • pH:9以上=ツルツル感(皮脂を乳化)/6〜7=刺激なし/3未満=ピリピリ(草津・万座系)
  • メタけい酸:50 mg/kg超で慣用的に「美肌の湯」(天然の美容液成分)
  • 湯使い:「完全かけ流し」は加水・加温・循環ろ過・入浴剤添加・消毒の5項目すべて該当なしのこと(温泉成分等掲示基準)

もっと詳しい泉質データ(陽イオン・陰イオン組合せ、療養泉基準、特筆成分など)と、化学的な読み解きは 後半の「マニア向けセクション」にあります。

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━━━ ここから先はマニアックな話です ━━━

フル比較表・鉱泉分析法指針に準拠した解説・FAQ

温泉化学・泉質マニア向けの詳細データセクション

ここから先は、温泉化学・balneology に踏み込んだ詳細セクションです。陽イオン×陰イオンの組合せ、療養泉の2基準、湯使いの内訳、各湯の特筆成分まで一気に読み解きます。

▼ 読む前に:単位と用語の早見

  • 陽イオン略記:Na=ナトリウム / Ca=カルシウム / Mg=マグネシウム / Fe²⁺=鉄(II)
  • 陰イオン略記:HCO3⁻=炭酸水素 / SO4²⁻=硫酸 / Cl⁻=塩化物
  • 単位:mg/kg に統一(1,000 mg/kg = 1.0 g/kg)
  • 療養泉:温泉法上、療養効果を国が認める基準を満たした温泉
  • 単純温泉:溶存物質1,000 mg/kg未満 かつ 泉温25℃以上
  • 単純冷鉱泉:温泉法上の温泉成分を満たすが、療養泉基準に達せず、泉温25℃未満

群馬県内には数百の温泉があり、本表に含まれない名湯(川中・法師・宝川など)もまだあります。「群馬全体ランキング」ではなく、「実地40湯のなかで何が見えるか」という限定スコープでお読みください。

群馬 源泉かけ流し pH・メタけい酸・湯使い 完全比較表(実地40湯・11列フル版)

温泉名エリア泉温pH泉質(陽-陰イオン)メタけい酸
(mg/kg)
特筆成分
(mg/kg)
溶存物質
(mg/kg)
湯使い日帰り料金宿泊予約
砦乃湯
とりでのゆ
安中・松井田40.8℃
内湯ぬる湯39.1℃
8.0
弱アルカリ性
Na-HCO3・Cl
ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物温泉
(重曹食塩泉)
54.6HCO3⁻ 9591,760 療養泉内湯:完全かけ流し
露天:加温あり
加水・循環・消毒なし
800円伊香保エリア宿
丸本館 黄金の湯
まるもとかん
伊香保41.2℃6.4
中性
Ca・Na-SO4・HCO3・Cl
カルシウム・ナトリウム-硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物泉
181Fe²⁺ 7.23
伊香保 集中管理源泉
合計 4,627 L/分(街全体)
1,180 療養泉かけ流し
冬季加温
500円丸本館
伊香保露天風呂
いかほ ろてんぶろ
伊香保
源泉地
41.2℃
総合湯/露天43.5℃
6.4
中性
Ca・Na-SO4・HCO3・Cl
カルシウム・ナトリウム-硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物温泉
(黄金の湯・総合湯)
181Fe²⁺ 7.23
黄金の湯 総合湯(丸本館と同源泉)
SO4²⁻ 284/HCO3⁻ 275/Cl⁻ 146
成分総計1.36g/kg
約1,180 療養泉100%源泉かけ流し
循環・消毒なし
源泉地直結
600円伊香保エリア宿
石段の湯
いしだんのゆ
伊香保
石段街
41.2℃
総合湯/引き湯・体感40℃
6.4
中性
Ca・Na-SO4・HCO3・Cl
カルシウム・ナトリウム-硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物温泉
(黄金の湯・総合湯)
181Fe²⁺ 7.23
黄金の湯 総合湯(丸本館と同源泉)
約2km引き湯
洗い場・休憩室あり
約1,180 療養泉源泉かけ流し
引き湯・加温・注し湯あり
循環なし
800円
(渋川市民500円)
伊香保エリア宿
南郷温泉
しゃくなげの湯
なんごうおんせん
利根・沼田55.4℃
利用施設43℃
9.37
アルカリ性
(慣用:強アルカリ性)
アルカリ性
単純温泉
56.5F⁻ 12.9
フッ素含有
Cl⁻ 60.5
420
単純温泉
かけ流し
加温あり
800円水上・みなかみエリア宿
御夢想の湯
ごむそうのゆ
四万温泉48.8℃8.7
アルカリ性
Ca・Na-SO4
カルシウム・ナトリウム-硫酸塩温泉
50.8SO4²⁻ 652
混合泉
(湯の泉・山陽の湯・御夢想の湯)
1,070 療養泉かけ流し
共同浴場
無料四万温泉エリア宿
上の湯
かみのゆ
(塩の湯)
四万温泉60.9℃7.2
中性
Na・Ca-Cl・SO4
ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩温泉
104HBO2 35.1
メタほう酸を多く含む
(温泉判定基準5を超過)
1,516 療養泉かけ流し
共同浴場
無料四万温泉エリア宿
河原の湯
かわらのゆ
四万温泉63.6℃ 🔥6.5
中性
Na・Ca-Cl・SO4
ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩温泉
142HBO2 49.8
メタほう酸を多く含む
(温泉判定基準5を超過)
総ヒ素 1.57
2,040
療養泉・無料で最濃
かけ流し
共同浴場
無料四万温泉エリア宿
山ばと 滝見の湯
やまばと
四万温泉49.4℃8.76
アルカリ性
Ca・Na-SO4
カルシウム・ナトリウム-硫酸塩温泉
49.5SO4²⁻ 6511,070 療養泉かけ流し
加温あり
2,200円
(入浴+貸切)
山ばと
釈迦の霊泉
(奈女沢温泉)
しゃかのれいせん
みなかみ22.2℃
冷鉱泉
9.5
アルカリ性
(慣用:強アルカリ性)
単純冷鉱泉54.7飲泉可150かけ流し
加温あり
1,500円水上・みなかみエリア宿
大峰館
おおみねかん
(大峰の湯/上牧温泉)
みなかみ・上牧43.3℃7.72
弱アルカリ性
Na・Ca-SO4・Cl
ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物温泉
49.2SO4²⁻ 613
湯口にCaSO4析出
1,559 療養泉完全かけ流し
5項目すべて
「行っていません」
1,000円
(90分)
大峰館
長生館 野天風呂
ちょうせいかん
(共有泉湯島/猿ヶ京)
みなかみ・猿ヶ京55.5℃
浴用42℃
7.6
中性〜弱アルカリ性
Ca・Na-SO4
カルシウム・ナトリウム-硫酸塩温泉
54.3SO4²⁻ 652
レジオネラ検出なし
1,210 療養泉完全かけ流し
5項目すべて
「使用していません」
500円
(野天/内湯1000円/両方1500円)
水上・みなかみエリア宿
沢渡温泉
共同浴場
さわたり きょうどうよくじょう
中之条・沢渡55.1℃8.32
弱アルカリ性
(採水時 8.5)
Ca・Na-SO4・Cl
カルシウム・ナトリウム-硫酸塩・塩化物温泉
64.3SO4²⁻ 489/Cl⁻ 204
「一浴玉の肌」
持ち帰り 10L 200円
1,130 療養泉かけ流し
放流式
(161L/分動力揚湯)
300円中之条・沢渡
エリア宿
沢渡温泉
龍鳴館
りゅうめいかん
中之条・沢渡55.1℃8.32
弱アルカリ性
(採水時 8.5)
Ca・Na-SO4・Cl
カルシウム・ナトリウム-硫酸塩・塩化物温泉
(低張性アルカリ性高温泉)
64.3SO4²⁻ 489/Cl⁻ 204
総檜の独湯
昭和35年の手書き分析表
1,130 療養泉新湯供給型
+循環ろ過併用
フィルター次亜塩素酸消毒
隔週1回換水
700円中之条・沢渡
エリア宿
応徳温泉
くつろぎの湯
おうどく
中之条・六合
道の駅六合
52.6℃
浴用42℃前後
8.1
弱アルカリ性
含S-Na・Ca-SO4・Cl
含硫黄-ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物温泉
(低張性弱アルカリ性高温泉)
74.2総硫黄 2mg/kg超
HS⁻5.1+チオ硫酸3.0+遊離H₂S0.5=硫黄泉
SO4²⁻ 378.5/Cl⁻ 181.0
成分総計1.01g/kg
1,000 療養泉(硫黄泉)完全かけ流し
5項目すべて
「していません」
500円中之条・六合
エリア宿
川原湯温泉
王湯
かわらゆ おうゆ
(王湯会館)
長野原・八ッ場
吾妻郡
75.3℃
本表の源泉最高温
浴用43℃(加水)
7.41
中性
含S-Ca・Na-Cl・SO4
含硫黄-カルシウム・ナトリウム-塩化物・硫酸塩温泉
(低張性中性高温泉)
88.3含硫黄=硫黄泉
HS⁻1.9+チオ硫酸2.3+遊離H₂S1.7
Cl⁻ 652.2/SO4²⁻ 589.0
成分総計2.13g/kg
約2,118 療養泉(硫黄泉)源泉かけ流し
加水あり(源泉75.3℃)
加温・循環・消毒なし
500円長野原・八ッ場
エリア宿
万座温泉 豊国館
まんざ ほうこくかん
万座・嬬恋74.5℃2.2
酸性
酸性・含S-Na-SO4・Cl
酸性・含硫黄-ナトリウム-硫酸塩・塩化物温泉(硫化水素型)
158.7遊離H₂S 49.7
「苦湯」乳白色
1,200 療養泉完全かけ流し
放流式・加水/加温/消毒なし
800円万座・嬬恋
エリア宿
半出来温泉 登喜和荘
はんでき ときわそう
嬬恋42.3℃7.1
中性
Na・Ca-Cl
ナトリウム・カルシウム-塩化物温泉
148.9Cl⁻ 2,354(陰イオン82%)
成分総計5.0g/kg
4,954 療養泉源泉100%かけ流し
加水・加温・循環なし
500円嬬恋
エリア宿
川場温泉 悠湯里庵
かわば ゆとりあん
川場村39.3℃9.1
アルカリ性
単純温泉
アルカリ性単純温泉(低張性)
60.6ぬる湯(体感37℃)
無加水・無加温・無消毒
298ぬる湯=放流式
他槽は加温・消毒併用
1,100円川場村
エリア宿
湯宿温泉 湯本館
ゆもとかん
みなかみ・湯宿62.7℃
自然湧出
8.3弱アルカリ性Na・Ca-SO4
ナトリウム・カルシウム-硫酸塩温泉(芒硝性苦味泉)
64.2SO4²⁻ 750
湯口に菊花状の析出物
1,426 療養泉かけ流し
加水セルフ可・無循環無消毒(析出と溢れで確認)
600円水上・みなかみエリア宿
湯宿温泉 太陽館
たいようかん
みなかみ・湯宿59.1℃
浴用42.0℃(加水)
8.0
弱アルカリ性
Na・Ca-SO4
ナトリウム・カルシウム-硫酸塩温泉(窪湯源泉)
60.6SO4²⁻ 主成分
窪湯源泉・湯本館と同系
1,310 療養泉かけ流し(加水あり)
加温・循環・消毒なし(掲示)
700円水上・みなかみエリア宿
天狗の湯きむら苑
てんぐのゆ きむらえん
みなかみ・水上40.1℃
ぬる湯・自家源泉
7.6
弱アルカリ性
Ca・Na-SO4
カルシウム・ナトリウム-硫酸塩温泉(2009年分析)
43.7自家源泉 毎分200L超
混浴大露天・2009年分析
1,040 療養泉完全かけ流し
加水加温なし・塩素消毒なし(公表記録)
1,000円水上・みなかみエリア宿
草津 大滝乃湯
おおたきのゆ
草津48.5℃
煮川/万代鉱94.6℃
2.1
1.7
強酸性
酸性 含S-Al-SO4・Cl
酸性・含硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物温泉(硫化水素型)
236.6遊離H₂S 5.4
万代鉱はpH1.7
1,540 療養泉名物「合わせ湯」
かけ流し
加水なし自然冷却
1,200円
草津 無料共同浴場
むりょうきょうどうよくじょう
草津約52℃
白旗/地蔵/千代
約2.1
強酸性
酸性 含S-Al-SO4・Cl
酸性・含硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物温泉(硫化水素型)
240.6 ⭐遊離H₂S 6.4
白旗源泉
1,780 療養泉完全かけ流し
白旗・地蔵・千代の3湯
無料
温泉農家民宿はしば
はしば
みなかみ・猿ヶ京53.7℃7.8
弱アルカリ性
Na・Ca-SO4・Cl
ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物温泉
74.5純温泉A認定約1,330 療養泉完全かけ流し
純温泉A(民宿)
550円
鈴森の湯
すずもりのゆ
みなかみ・仏岩33.5℃
ぬる湯
8.2
弱アルカリ性
Ca-SO4
カルシウム-硫酸塩温泉
29.9深さ110cmの源泉浴約1,350 療養泉かけ流し
源泉そのまま
900円
清流荘(下仁田温泉)
せいりゅうそう
下仁田13.7℃
冷鉱泉
6.0
中性
含CO2 Ca・Na-HCO3
含二酸化炭素-カルシウム・ナトリウム-炭酸水素塩冷鉱泉
55.1炭酸冷鉱泉・析出びっしり約2,680 療養泉貸切
加温槽+13.7℃源泉槽
1,000円
八千代温泉 芹の湯
せりのゆ
下仁田13.8℃
冷鉱泉
6.51
中性
含CO2 Na-Cl・HCO3
含二酸化炭素-ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩冷鉱泉(高張性)
43.7高張性・濃厚ぬるぬる約14,590
高張性
療養泉・本表内最高
かけ流し
冷鉱泉を加温
800円
まえばし駅前 ゆ〜ゆ
ゆ〜ゆ
前橋55.4℃7.46
弱アルカリ性
Na-Cl
ナトリウム-塩化物泉
58.4黒色沈殿・駅前の本物約4,240 療養泉かけ流し
駅前天然温泉
平日900円
湯都里
ゆとり
高崎・京ヶ島57.5℃7.7
弱アルカリ性
Na-Cl・HCO3
ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉
64.1重曹食塩泉約3,361 療養泉日帰り施設
塩サウナ動線も
平日980円
老神温泉 東秀館
とうしゅうかん
沼田・老神50.7℃8.44
アルカリ性
単純温泉
アルカリ性単純温泉
61.0旧「硫化水素泉」・黄析出540 療養泉完全かけ流し
5項目すべてなし
1,000円
満洲 東明館
とうめいかん
沼田・老神55.6℃8.4
弱アルカリ性
単純硫黄温泉
単純硫黄温泉(含硫黄)
65.0HS⁻ 5.7(硫黄泉)560 療養泉完全かけ流し
5項目すべてなし
700円
天野屋
あまのや(水上温泉 旧湯)
利根・みなかみ42.5℃7.6
弱アルカリ性
単純温泉
低張性弱アルカリ性高温泉
42.8SO₄²⁻ 475・Ca²⁺ 177
石膏系
930
1g未満=単純温泉
完全かけ流し
加水・加温・循環・消毒なし
500円みなかみエリア宿
鹿沢温泉 紅葉館
こうようかん(雲井の湯)
嬬恋・鹿沢48.0℃
浴槽約45℃(雲井+竜宮ブレンド)
6.7
中性
Mg・Na-HCO3
マグネシウム・ナトリウム-炭酸水素塩温泉
(重曹系)
240HCO₃⁻ 846・遊離CO₂ 178
うたせ湯=竜宮の湯(鉄・炭酸)は別源泉
1,400 療養泉完全放流式
加水・加温・循環・消毒なし(温泉利用証)
500円嬬恋エリア宿
月夜野温泉 三峰の湯
みつみねのゆ(みなかみ町営)
みなかみ・月夜野49.5℃9.0
アルカリ性
単純温泉
アルカリ性単純温泉
(低張性・高温泉)
38.6CO₃²⁻ 13.5・F⁻ 1.6
pH9.0のヌルすべ系
360源泉かけ流し
加水・加温・循環なし/衛生管理で塩素系薬剤使用
600円(町外)
町民400円
みなかみエリア宿
高崎中尾温泉 天神の湯
てんじんのゆ
高崎(前橋IC)53.0℃
露天源泉浴槽は実測47℃
7.69
弱アルカリ性
Na-Cl・HCO₃
ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉
(塩湯+重曹系)
44.6HCO₃⁻ 831.8・Cl⁻ 781.2
水風呂は井戸水(温泉と別系統)
2,540 療養泉全浴槽かけ流し
露天源泉浴槽=加水・加温・循環・消毒なし/適温槽=井水加水+適宜塩素
950円
土日祝1,100円・朝風呂850円〜
-(日帰り専業)
幡谷温泉 ささの湯
ささのゆ
利根・片品42.1℃
浴槽は温湯 内湯39〜40℃・露天はさらにぬるめ
8.7
アルカリ性
Na-HCO₃
アルカリ性単純温泉(低張性・ナトリウム-炭酸水素塩泉系)
29.2HCO₃⁻ 175・CO₃²⁻ 14.1
重曹系
340
1g未満=単純温泉
完全かけ流し
純温泉A・5項目すべてなし
750円
子ども550円・地元手形400円
ささの湯
花湯スカイテルメリゾート
旧スカイテルメ渋川
渋川65.0℃
地下1,400m・動力揚湯294L/分
7.60
弱アルカリ性
Na・Ca-Cl
ナトリウム・カルシウム-塩化物温泉(等張性弱アルカリ性高温泉)
72.2Cl⁻ 5,200・Na⁺ 2,537・Ca²⁺ 752
強塩化物系
8,810
等張性(8〜10g/kg帯)
露天は生源泉かけ流し
内湯の湯使いは非公表(訪問時掲示なし)
750円
土日祝850円・朝風呂朝食コース1,400/1,600円
群馬温泉 やすらぎの湯
やすらぎのゆ
高崎57.0℃
動力揚湯199L/分
7.80
弱アルカリ性
Na-Cl・HCO₃
ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉(低張性弱アルカリ性高温泉)
59.2HCO₃⁻ 1,074・Cl⁻ 658.7・Na⁺ 776.6
重曹優勢のモール系
2,670
低張性(2〜3g/kg帯)
掛け流し・循環併用
加水/塩素あり・加温なし(利用状況掲示)
800円
土日祝950円・1日券・回数券17枚1万円
大塚温泉 金井旅館
おおつかおんせん かないりょかん
中之条32.8℃
源泉槽は非加熱そのまま・上がり湯のみ加温
8.6
アルカリ性
単純温泉
アルカリ性単純温泉(アルカリ性低張性低温泉)
42.6Cl⁻ 170・SO₄²⁻ 108
塩化物・硫酸塩系(薄め)
500
1g未満=単純温泉
源泉槽は完全かけ流し
加水・循環・消毒・入浴剤なし/加温は上がり湯のみ(掲示5項目)
400円
2時間以内・延長1時間100円

※「療養泉」は 溶存物質1,000mg/kg以上(①基準)または 遊離CO₂・総鉄イオン・総硫黄・総ヨウ素・銅・アルミニウム・水素イオン(酸性)・ラドン などの特定成分基準(②基準) で該当した湯を表示(メタほう酸は温泉判定基準にはありますが、療養泉成分には含まれません)。
※ 四万温泉は42源泉の総称泉質「Na・Ca-Cl・SO4」(四万温泉協会公表)。共同浴場ごとの個別源泉系統は協会公表に準じます。御夢想の湯は「湯の泉・山陽の湯・御夢想の湯」混合泉。
沢渡温泉 共同浴場と龍鳴館は同じ沢渡温泉組合管轄の現代分析書(2017年・群馬県薬剤師会 環境衛生試験センター)を引用。泉質データは同一だが、湯使い(放流式 vs 新湯供給型+循環ろ過併用)と料金(300円 vs 700円)で性格が大きく分かれる。
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群馬の温泉の pH・メタけい酸・泉質を読み解く(数字の見方)

pH の見方(酸性〜アルカリ性)

環境省「鉱泉分析法指針」の区分は以下のとおり。pHは肌触りの方向性を一目で示します。

概ね pH 9 以上(資料により 8.5 以上)を慣用的に「強アルカリ性」と呼ぶことがあります。本表では南郷温泉と釈迦の霊泉が該当。pH 9.5の釈迦の霊泉に入ると、石鹸を流し残したような独特のぬるぬる感が出ます。

メタけい酸(美肌の湯)の見方

「天然の美容液」と呼ばれる成分。観光・温泉業界で慣用的に「50 mg/kg以上で美肌の湯」とされます(※出典は長野県観光部「信州美肌の湯」基準を全国に転用したもの。温泉法上の鉱泉判定基準として 50 mg/kg があり、これが美肌目安として広まりました。療養泉の判定成分ではありません)。本表の最高は 草津 無料共同浴場(白旗源泉)の240.6 mg/kg、次いで鹿沢 紅葉館 240・草津 大滝乃湯 236.6(源泉単位では草津 万代鉱 528.3)。伊香保勢は丸本館・伊香保露天風呂・石段の湯が同じ黄金の湯で181で、慣用基準の3.6倍にあたります。以下 万座 豊国館 158.7半出来 登喜和荘 148.9・河原の湯 142・上の湯 104・王湯 88.3・応徳温泉 74.2・満洲 東明館 65・沢渡共同/龍鳴館 64.3・湯都里 64.1・湯宿 太陽館 60.6・川場 悠湯里庵 60.6・群馬温泉 やすらぎの湯 59.2・南郷しゃくなげ 56.5(旧表記の89.3は美又温泉との取り違いを修正)・釈迦の霊泉 54.7・砦乃湯 54.6・長生館 54.3・御夢想 50.8 と続きます。慣用基準50を超えるのは40湯中30湯。下回るのは9湯で、山ばと 49.5・大峰館 49.2・天神の湯 44.6・きむら苑 43.7・八千代 芹の湯 43.7・天野屋 42.8・三峰の湯 38.6・鈴森の湯 29.9・ささの湯 29.2 です。

溶存物質と療養泉の見方

「療養泉」(温泉法の医療効果認定)は 2つの基準のどちらかを満たせば該当します。

  • ① 溶存物質量 1,000 mg/kg 以上 — 本表では 八千代 芹の湯 (約14,590・本表内最高・高張性)・半出来 登喜和荘 (4,954)、王湯 (約2,118)、河原の湯 (2,040)、砦乃湯 (1,760)、大峰館 (1,559)、上の湯 (1,516)、長生館 (1,210)、万座 豊国館 (1,200)、丸本館・伊香保露天風呂・石段の湯 (各約1,180・黄金の湯 総合湯)、沢渡共同浴場/龍鳴館 (1,130)、御夢想の湯 (1,070)、山ばと (1,070)、応徳温泉 (1,000) の 16湯 が該当。
  • ② 特定成分が規定量以上(環境省『鉱泉分析法指針』の療養泉特殊成分8種)— 遊離CO₂ 1,000 mg/kg以上、総鉄イオン(Fe²⁺+Fe³⁺)20 mg/kg以上、総硫黄 2 mg/kg以上、総ヨウ素 10 mg/kg以上、銅イオン 1 mg/kg以上、アルミニウムイオン 100 mg/kg以上、水素イオン 1 mg/kg以上(pH 3未満)、ラドン 30×10⁻¹⁰ キュリー/kg(8.25マッヘ単位≒約111 Bq/kg)以上。本表では万座 豊国館・応徳温泉・川原湯温泉 王湯が②基準に該当します。万座は pH 2.2=水素イオン基準と遊離硫化水素 49.7 mg/kg=総硫黄基準のダブル該当で、酸性泉かつ硫黄泉。応徳温泉は硫化水素イオン HS⁻ 5.1+チオ硫酸イオン 3.0+遊離硫化水素 0.5、王湯は HS⁻ 1.9+チオ硫酸イオン 2.3+遊離硫化水素 1.7 を合わせた硫黄分がそれぞれ総硫黄基準(2 mg/kg以上)を満たす硫黄泉で、いずれも酸性ではなく(応徳 pH 8.1・王湯 pH 7.41)、本表内で「酸性でない硫黄泉」はこの2湯です。それ以外はサンプル範囲では②未達(丸本館 Fe²⁺ 7.23 mg/kg は鉄基準20に未達、河原の湯 総ヒ素 1.57 mg/kg も②基準対象外)。

そして温泉法上の用語:

  • 単純温泉:溶存物質1,000 mg/kg未満 かつ 泉温25℃以上(薄いが優しい、長湯向き)。本表では 南郷温泉しゃくなげの湯(420 mg/kg・55.4℃・pH 9.37のアルカリ性単純温泉)が該当。
  • 単純冷鉱泉:温泉法の温泉成分を満たすが、療養泉基準に達せず、泉温25℃未満。本表では 釈迦の霊泉(150 mg/kg・22.2℃)が該当

泉質名の読み方(陽イオン-陰イオンの組合せ)

「ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉」のような表記は、「陽イオン-陰イオン」の組合せです。前半(陽イオン)が湯のタイプ、後半(陰イオン)が体感・効能の方向性を決めます。

  • 陰イオン(体感・効能の方向性)
    • HCO3⁻(炭酸水素):Na⁺主体の炭酸水素塩泉(重曹泉)では皮脂を乳化してツルツル感を生む。一方、Ca²⁺主体のHCO3⁻泉では Ca²⁺+HCO3⁻ → CaCO₃(炭酸カルシウム)の析出が起こり、湯ノ花・石灰華沈着が前に出てツルツル感は弱め
    • SO4²⁻(硫酸):鎮静・皮膚修復、「傷の湯」と呼ばれる方向性。
    • Cl⁻(塩化物)皮膚表面に薄い塩の被膜ができ、湯上り後の水分蒸散と熱放散を抑える(俗に「熱の湯」)。
  • 陽イオン(湯のタイプ)
    • Na⁺:温まりやすい、Cl⁻と組むと典型的な「熱の湯」
    • Ca²⁺:鎮静、HCO3⁻と組むと石灰系の沈着
    • Mg²⁺:代謝促進

つまり「Na・Ca-SO4・Cl」と書かれていれば、「ナトリウム+カルシウムが土台で、硫酸による鎮静・皮膚修復と塩化物による保温が同居する湯」と読めます。単一成分の濃度より、この組合せが温泉の体感を決めます。

湯使い(加水・加温・循環・消毒)の見方

「源泉かけ流し」を名乗っていても、加水・加温・循環ろ過・入浴剤添加・消毒の有無で実際の鮮度は違います。「完全かけ流し」とは 温泉成分等掲示基準(環境省告示)の5項目すべて該当なし のこと。砦乃湯は「内湯:完全かけ流し/露天:加温あり」のように、浴槽ごとに湯使いが分かれるケースもあります(マニア視点では浴槽別の記載が好まれます)。

本表40湯を 湯使いの精度 で並べ直すと、おおよそ4階層に分かれます:

  • A. 5項目すべて掲示「該当なし」の完全かけ流し大峰館(「行っていません」掲示)、長生館(「使用していません」掲示)、応徳温泉 くつろぎの湯(「していません」掲示・源泉52.6℃を加温せず浴槽42℃前後に自然冷却)。加水・加温・循環・入浴剤・消毒の5項目すべての該当の有無欄が「なし」と肉筆で明記された希少カテゴリ。本表内ではこの3湯のみ。
  • B. 加温のみあり・他4項目は該当なし(5項目中4項目クリア):丸本館(冬季)南郷温泉山ばと釈迦の霊泉(冷鉱泉22.2℃のため不可避)。源泉温度の都合で加温だけが入る現実的な完全かけ流し。
  • C. 放流式・共同浴場沢渡温泉 共同浴場四万温泉 共同浴場3湯(5項目掲示は未確認だが、湧出量と浴槽容積の関係でオーバーフロー量が大きい運用)。川原湯温泉 王湯も同じ共同浴場だが、源泉75.3℃が高温のため5項目のうち加水のみあり(加温・循環ろ過・入浴剤・消毒は掲示で「なし」)=加水だけの源泉かけ流し。
  • D. 新湯供給+循環ろ過併用沢渡温泉 龍鳴館。湯花が多すぎる源泉の運用上、ろ過装置側を次亜塩素酸消毒・隔週1回換水で衛生確保しつつ、浴槽の湯は常時新湯がオーバーフローする方式。「源泉掛け流し100%」と「循環ろ過併用」が両立する沢渡型のかけ流し。

砦乃湯は内湯がA寄り(完全かけ流し)、露天がB(加温あり)と 浴槽別に階層が分かれる 例です。「源泉かけ流し」と書いてあっても、この4階層のどこに当たるかを湯使いの欄で確認するのがマニア視点の基本動作です。

群馬の源泉かけ流しで注目すべき泉質ポイント9選(本表40湯のなかで)

※40湯化でも、ランキングのpH最高(釈迦の霊泉 9.5)/メタけい酸最高(草津 無料240.6・鹿沢 紅葉館240・大滝乃湯236.6、伊香保枠は丸本館181)/溶存物質最高(八千代 芹の湯 約14,590・高張性冷鉱泉)/最強酸性(草津 万代鉱 pH1.7)は不動。9項目構成も維持です:湯使い純度(大峰館・長生館・応徳温泉=5項目掲示クリア)、同源泉・違う湯使い(沢渡共同 vs 龍鳴館=同分析書で運用が分岐)、自宅ブレンド派の供給源(沢渡共同・釈迦の霊泉=持ち帰り公式可)。順に見ていきます。

🏆 pH 最高:釈迦の霊泉 9.5(強アルカリ性)

本表内で最も強いアルカリ性(指針上のアルカリ性で、慣用的に強アルカリ性領域)。皮脂を乳化してツルツル感が強く出る。源泉22.2℃の冷鉱泉なので浴槽は加温で入りますが、飲泉口では非加熱の源泉そのものを汲めるのが特徴。pH 9.5の冷鉱泉ですが、館内では「御神水」として飲用温泉水4Lまで無料持ち帰り(10L販売)の運用が公式に行われています(環境省『鉱泉分析法指針』に基づく飲泉の目安は 1回150mL程度を標準、1日合計200〜1,000mL、食前30分〜1時間前または食間に。腎臓病・心不全・胃酸過少症・妊婦の方は医師に相談を。なお飲泉提供は温泉法に基づく所轄保健所の許可が必要で、施設での飲用運用はその許可に従って行われています)。お釈迦様のお告げで湧いたとされる宗教色の強い湯で、ガン封じ・難病平癒の伝説、4Lボトル販売の文脈と合わせて、群馬の秘湯としての存在感は大きい。本表内では強アルカリ性かつ飲泉可は釈迦の霊泉だけ

⭐ メタけい酸 最高:草津 無料共同浴場 240.6・鹿沢 紅葉館 240・大滝乃湯 236.6 mg/kg(さらに草津町公式の万代鉱源泉分析では 528.3 と群を抜く。大滝乃湯の内湯掲示は227.4/伊香保 丸本館は 181)

本表の伊香保枠では圧倒的トップ(本表全体では草津の白旗 240.6・鹿沢 紅葉館 240・煮川 236.6 が上、源泉単位では草津万代鉱 528.3 が最高)。慣用基準(50 mg/kg)の3.6倍に達する濃度です。伊香保温泉には2系統の源泉があり、「黄金の湯」(茶褐色・含鉄)「白銀の湯」(無色透明・メタけい酸主体)と呼ばれます。丸本館が引いているのは「黄金の湯」側で、その中でも金気色がはっきり出るタイプ。同じ黄金の湯(総合湯)を引く 伊香保露天風呂石段の湯 も同値の181 mg/kgで、伊香保枠ではこの3施設がメタけい酸トップ(181)を分け合っています(本表全体の最高は草津勢で、240.6〜源泉単位528.3)。源泉地の露天・旅館の内湯・石段街の共同浴場と、同じ湯を違う湯使いで味わい比べられるのが伊香保の面白さです。

鉄(II)イオン 7.23 mg/kg を含み、源泉内では無色〜淡緑色の Fe²⁺ として溶存している鉄が、湧出後に空気に触れて酸化され、水酸化鉄(III) として析出することで「黄金色」を呈するのがこの濁り湯の正体です(言い換えれば「鉄分が空気と触れて錆びるイメージ」)。

湧出量は伊香保集中管理源泉合計で 4,627 L/分(丸本館単独ではなく、伊香保温泉街の宿が引いている総合源泉の数値です)。立ち寄り湯500円・電話予約制という入り口の狭さも含めて、本表内の伊香保枠としては筆頭の濃さです。

🔥 泉温 最高:草津 万代鉱源泉 94.6℃(次いで王湯 75.3℃/加水なしで入れる最高は万座 苦湯 74.5℃)

源泉温度そのものの最高は 草津 大滝乃湯が引く 万代鉱源泉 94.6℃(草津で最も高温・強酸性の系統)。次いで 川原湯温泉 王湯75.3℃。ただし王湯は高温源泉を加水して浴槽43.0℃に整えているため、湯船で「熱湯」を浴びるわけではありません。加水なしの湯にそのまま熱く入れる枠では、万座 豊国館の源泉「苦湯」74.5℃・自然湧出が本表トップ。内湯は加水なしの湯治場スタイルで、各自が湯もみ・加水して入ります。無料で入れる枠では四万温泉「河原の湯」63.6℃が最高温で、こちらも体感は熱湯クラスです。

💎 溶存物質 トップ:八千代温泉 芹の湯 約14,590 mg/kg(下仁田・高張性の炭酸冷鉱泉/次点 半出来 登喜和荘 4,954)

本表内の溶存物質トップは 八千代温泉 芹の湯の 約14,590 mg/kg(高張性の含二酸化炭素-ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩冷鉱泉。13.8℃の冷鉱泉を加温利用)。次いで 半出来温泉 登喜和荘(嬬恋)の 4,954 mg/kg(成分総計 5.002 g/kg)。塩化物イオン Cl⁻ 2,354 mg/kg が陰イオンの約82%を占めるナトリウム・カルシウム-塩化物泉で、メタけい酸 148.9 mg/kg も含みます。pH 7.1 の中性・混浴露天で日帰り500円という、濃さとコスパが両立した一軒。2位は 川原湯温泉 王湯約2,118 mg/kg(成分総計 2.13 g/kg・八ッ場の含硫黄泉)で、500円の共同浴場としては屈指の濃さです。無料で入れる枠では、四万温泉 共同浴場「河原の湯」の 2,040 mg/kg(塩化物・硫酸塩泉、pH 6.5)が最濃で、「街中・無料・最濃」の隠れた本命湯です。

💎 重曹食塩泉型の濃い湯:砦乃湯 1,760 mg/kg(安中)

本表内でも上位の濃さ。河原の湯とは性格が真逆で、炭酸水素イオン 959 mg/kg が突出する 「Na-HCO3・Cl」=重曹食塩泉型Na⁺+HCO3⁻のツルツル感(重曹泉的)と、Cl⁻による保温(塩化物泉的)が同居するのが特徴で、pH 8.0 の弱アルカリ性ながら肌当たりが柔らかい。安中の隠れた濃厚湯。

🌊 単一成分は薄くても “効く” 湯:釈迦の霊泉(組合せで効く論点)

溶存物質 150 mg/kg は本表内最低(砦乃湯の約10分の1)。それでも pH 9.5 + メタけい酸 54.7 mg/kg の組合せで美肌系として成立しています。「濃ければ効く」ではなく「組合せで効く」ことを示す好例で、本記事を通じて最も伝えたい論点です。

🛁 湯使い純度:大峰館・長生館・応徳温泉(5項目すべて掲示「該当なし」)

本表40湯のなかで 湯使いの5項目(加水・加温・循環・入浴剤・消毒)すべての該当の有無欄に肉筆で「該当なし」相当が書かれている のはこの3湯だけ。大峰館は群馬県知事印付きの「成分に影響を与える項目の掲示事項」に「行っていません」、長生館は温泉成分等掲示表に「使用していません/入れていません」、応徳温泉 くつろぎの湯は更衣室の分析書掲示で5項目すべてに「していません」と明記されています(道の駅六合の敷地内・源泉52.6℃を加温せず引くだけで浴槽42℃前後のぬる湯になる放流式)。湧出量と源泉立地の関係(敷地内自噴/湧出量過剰)でこれが成り立つ稀少枠で、1,000円・500円・500円という日帰り価格でこの掲示が読めるのは、群馬の温泉文化のなかでも独特です。

🏟 同じ源泉・違う湯使い:沢渡温泉 共同浴場(300円) vs 龍鳴館(700円)

沢渡温泉組合管轄の同一現代分析書(2017年)を共有する2湯。泉温・pH・メタけい酸・溶存物質・主成分すべてが同値(55.1℃/8.32/64.3/1,130/SO4²⁻ 489)ですが、湯使いと料金で明確に分かれます。共同浴場は完全放流式・300円(本表内最安)、龍鳴館は新湯供給型+循環ろ過併用・700円。「同じ湯を最安で本物で入る」なら共同浴場、「総檜の独湯で長く浸かる」なら龍鳴館、と用途で住み分けられる珍しい組合せ。外湯と旅館が同じ温泉組合の運営下で並立する温泉地構造は、群馬では沢渡が筆頭格(草津・伊香保にも外湯はあるが、沢渡ほど分析書共有が明示的でない)。湯量と組合運営が両輪で揃って初めて成立する形です。

同じ「同源泉・違う湯使い」の構図は、伊香保「黄金の湯」(総合湯)にもあります。pH 6.4・メタけい酸 181 mg/kg の同じ総合湯を、伊香保露天風呂(源泉地で循環・消毒なしの100%かけ流し・600円)、丸本館(旅館の内湯・冬季加温・500円)、石段の湯(約2km引き湯で加温・注し湯あり/循環なし・800円=洗い場つき)の3施設が、それぞれ違う湯使いで供給しています。「源泉地で鮮度を浴びる」「旅館でゆっくり」「街なかで洗ってさっぱり」と、同じ黄金の湯を役割で巡り分けられるのが伊香保の楽しみ方です。

🎙️ 自宅ブレンド派の供給源:沢渡 共同浴場(10L 200円)・釈迦の霊泉(4L持ち帰り無料)

温泉ドライブの締めにポリタンクで湯を持ち帰り、自宅の風呂に薄めて投入する自宅ブレンド入浴派にとって、本表内で持ち帰りが公式に許可されているのは2湯。沢渡温泉 共同浴場は 10L 200円(20L超は不可)、釈迦の霊泉は 4L まで無料持ち帰り可(追加分はボトル販売)。しゃくなげの湯 温泉スタンド(20L汲み)と合わせると、群馬県内で3つの異なる泉質(硫酸塩・塩化物/アルカリ性単純冷鉱泉/アルカリ性単純温泉) を自宅でブレンドできる供給源が揃います。Cl⁻ 204 mg/kgの保温感(沢渡)と pH 9.5 のぬるすべ感(釈迦)を1日交互で楽しむ運用も可能。

群馬の温泉をpH(アルカリ性)が高い順で見る【実測ランキング】

本表40湯を実測pHの高い順に並べると、群馬で最もアルカリ性が強いのは釈迦の霊泉(pH9.5)。次いで南郷温泉しゃくなげの湯(pH9.37)、川場温泉 悠湯里庵(pH9.1)と続きます。逆に最も酸性が強いのは草津(大滝乃湯が引く万代鉱源泉 pH1.7、大滝乃湯 煮川・無料共同浴場 約pH2.1)。次いで万座温泉 豊国館(pH2.2)。pH7.5以上の弱〜強アルカリ性が、群馬の日帰り温泉では多数派でした。

順位温泉pHエリア
1釈迦の霊泉9.5みなかみ
2南郷温泉しゃくなげの湯9.37利根・沼田
3川場温泉 悠湯里庵9.1川場村
4月夜野温泉 三峰の湯9.0みなかみ・月夜野
5山ばと 滝見の湯8.76四万温泉
6御夢想の湯8.7四万温泉
7幡谷温泉 ささの湯8.7利根・片品
8大塚温泉 金井旅館8.6中之条
9老神温泉 東秀館8.44沼田・老神
10ぎょうざの満洲 東明館8.4沼田・老神
11沢渡温泉 共同浴場8.32中之条・沢渡
12沢渡温泉 龍鳴館8.32中之条・沢渡
13湯宿温泉 湯本館8.3みなかみ・湯宿
14鈴森の湯8.2みなかみ・仏岩
15応徳温泉 くつろぎの湯8.1中之条・六合
16砦乃湯8.0安中・松井田
17湯宿温泉 太陽館8.0みなかみ・湯宿
18温泉農家民宿はしば7.8みなかみ・猿ヶ京
19群馬温泉 やすらぎの湯7.8高崎
20大峰館7.72みなかみ・上牧
21湯都里7.7高崎・京ヶ島
22高崎中尾温泉 天神の湯7.69高崎
23長生館 野天風呂7.6みなかみ・猿ヶ京
24天狗の湯きむら苑7.6みなかみ・水上
25水上温泉 天野屋7.6利根・みなかみ
26花湯スカイテルメリゾート7.6渋川
27まえばし駅前 ゆ〜ゆ7.46前橋
28川原湯温泉 王湯7.41長野原・八ッ場
29上の湯7.2四万温泉
30半出来温泉 登喜和荘7.1嬬恋
31鹿沢温泉 紅葉館6.7嬬恋・鹿沢
32八千代温泉 芹の湯6.51下仁田
33河原の湯6.5四万温泉
34丸本館 黄金の湯6.4伊香保
35伊香保露天風呂6.4伊香保
36石段の湯6.4伊香保
37清流荘6.0下仁田
38万座温泉 豊国館2.2万座・嬬恋

pHが高い湯ほど肌あたりは“つるつる”と感じやすいですが、これはアルカリ性による湯ざわりで、美肌・美容の効果を保証するものではありません(泉質と感触の話として読んでください)。

よくある質問(FAQ)

Q. メタけい酸が多いとどんな効果があるの?

A. メタけい酸はケイ素を含むイオンで、慣用的に「美肌成分」「天然の美容液」と呼ばれます。50 mg/kg以上を「美肌の湯」と呼ぶ慣用基準があり、本表内では草津勢(無料共同浴場 240.6・大滝乃湯 236.6、源泉単位で万代鉱 528.3)がトップで、伊香保枠は丸本館 181 mg/kg。ただしこれは呼称・慣用基準であって、メタけい酸が肌の保湿や改善に効くことを示した信頼性の高いヒト試験は乏しく、療養泉の医学的効能としても認定されていません。「メタけい酸が多い=肌に効く」と断定はできないため、含有量は事実として読む程度にとどめるのが正確です。

出典:長野県観光部「信州美肌の湯」基準/環境省「温泉法」「鉱泉分析法指針」

Q. pH 9以上のアルカリ性温泉は肌に悪い?

A. pH 9以上の温泉は皮脂を乳化させるため、入浴後に肌が乾燥しやすくなることがあります。長湯を避け、上がり湯で軽く流す、保湿クリームで補うことで対応可能。本表の南郷温泉(9.37)と釈迦の霊泉(9.5)は強アルカリ寄りですが、本格的に肌に厳しいレベルは pH 10超や強酸性(草津 pH 2台)など極端な湯です。

出典:環境省「鉱泉分析法指針」のpH分類

Q. pH 9以上の強アルカリ性温泉は飲んで平気?

A. 温泉法に基づく所轄保健所の飲泉許可を取った施設の温泉であれば、適量を守れば一般的に問題ありません。本表内では 釈迦の霊泉(pH 9.5) が「御神水」として飲用温泉水の運用(入浴客4Lまで無料持ち帰り+10L販売)を行っています(南郷温泉しゃくなげの湯 pH 9.37 は飲泉口の設置はなく、温泉スタンドでの汲み上げのみ)。環境省『鉱泉分析法指針』の飲泉方法は 1回150mL程度を標準、1日合計200〜1,000mL、食前30分〜1時間前または食間に飲用。アルカリ性の温泉水は胃酸を中和する性質があるため、胃酸過少症の方/腎臓病・心不全でNa・K制限がある方/妊娠中の方は医師に相談を。pH の高さよりも「飲泉許可の有無」と「適量を守る」ことのほうがずっと重要です。

出典:環境省「鉱泉分析法指針」飲用方法/温泉法に基づく保健所の飲泉許可制度

Q. 療養泉と単純温泉の違いは?

A. 療養泉は溶存物質1,000 mg/kg以上、または特定成分(鉄・硫黄・遊離CO₂・ヨウ素・ラドン等)が一定量以上の温泉。単純温泉は溶存物質1,000 mg/kg未満かつ泉温25℃以上の温泉。療養泉のほうが「医療効果」の認定はありますが、単純温泉も薄く優しい湯として長湯派に好まれます。

出典:環境省「温泉法」「鉱泉分析法指針」

Q. 単純冷鉱泉は本当に温泉?

A. はい、温泉法上は泉温25℃未満でも温泉成分基準を満たせば「温泉」。ただし療養泉基準には達しないため「単純冷鉱泉」と分類されます。本表の釈迦の霊泉がこれにあたります。源泉そのままは冷たいので、浴槽では加温して入ります。

出典:環境省「温泉法」第2条、「鉱泉分析法指針」

Q. 「源泉かけ流し」と書いてあれば全部同じ?

A. 違います。同じ「かけ流し」でも、加水・加温・循環ろ過・入浴剤添加・消毒の有無で実際の鮮度はまったく異なります。「完全かけ流し」は 温泉成分等掲示基準(環境省告示)の5項目すべて該当なし のこと。本表の砦乃湯のように浴槽ごとに湯使いが違うケースもあります。湯使いの欄を必ず確認してください。

出典:消費者庁「景品表示法」に基づく温泉表示のガイドライン/日本温泉協会の温泉利用表示基準

Q. 温泉の「鮮度」って何?どこを見ればわかる?

A. 温泉は湧出から時間が経つほど成分が変化し、「鮮度」が落ちます。化学的には以下が起こります:

  • ① 鉄(II)→鉄(III)の酸化:金気色の鉄泉が褐色に変色(伊香保「黄金の湯」の発色機序そのもの)
  • ② 遊離CO₂の揮発:炭酸泉の発泡感が消える
  • ③ 温度低下による析出:CaCO₃(炭酸カルシウム)やメタけい酸が沈殿、湯ノ花化
  • ④ 硫化水素 H₂S の消失:硫黄泉の硫黄分が空気酸化・微生物分解で抜ける
  • ⑤ pHの中和方向への移動:強アルカリ・強酸性が時間とともに穏やかに

鮮度を見るキーワードは 「足元湧出」「自噴」「短距離引湯」「大容量湧出」 の4つ。源泉から浴槽までの距離が短く、ポンプを介さず、空気接触が少ないほど鮮度が高くなります。

出典:環境省「鉱泉分析法指針」、日本温泉協会、温泉ソムリエ協会の用語解説

Q. 「足元湧出」「自噴」って何が違うの?

A. 足元湧出は浴槽の底から直接湯が湧き出る、最高の鮮度形態です。群馬では 法師温泉 長寿館「法師乃湯」 が国内屈指の足元湧出として有名。群馬外では 温泉津温泉 元湯泉薬湯(島根) が1300年湧き続ける足元湧出の聖地です。

自噴はポンプを使わず、地下圧力で自然に湧き出ること。足元湧出は自噴の一形態です。対照的に 動力揚湯(ポンプ汲み上げ) では地下高圧から大気圧へ一気に解放され、遊離CO₂や硫化水素が湧出時に多く失われます。自噴の湯は揚湯時の成分損失が少なく、源泉本来の組成に近い湯に入れるのが大きな魅力です。

本表40湯のうち、各湯の正確な湧出形態(足元湧出か、自噴か、動力揚湯か)は次回訪問時に確認・追記予定です。なお、沢渡温泉組合の源泉(共同浴場・龍鳴館)は分析書に「動力揚湯 161 L/分」と明記されています。

出典:泉薬湯 温泉津温泉元湯 公式サイト、法師温泉 長寿館 公式サイト、日本温泉協会「自噴泉と動力揚湯」

Q. 湧出地からの距離は正確に分かるの?

A. 正直、ほとんどの温泉施設で引湯距離は公表されていません。公式サイト・温泉分析書・観光協会の資料を見ても省略されているのが普通です。現実的には、以下の代替指標で鮮度を判定するのがマニアの定石です:

  • 「足元湧出」「自噴」と公式が誇っているか
  • 湧出口や源泉プールが見学できる
  • 湯量と浴槽容積の比(1分あたり投入量で「ザバ盛り」かどうか)
  • 源泉温度と浴槽温度の差(差が小さいほど距離が短い/加温なし)
  • 鉄泉なら色の濃さ(湧出から時間経過で茶色化)
  • 温泉分析書の採取日(古すぎる施設は注意)

距離と温度・色の変化を目で見える形で確認できる稀有な施設が、群馬外ですが 島根の温泉津温泉 元湯泉薬湯源泉から浴槽までわずか1〜1.6mという究極の短距離引湯で、加水・加熱・冷却・循環すべてなしの本物の源泉掛け流し。日本温泉協会から2005年に「全項目満点」評価を受けた稀少な施設です。

浴槽は3つあり、湧出口に近い順に:

  • 熱い湯:46〜48℃ — 湧出口に最も近く、湯はほぼ無色透明
  • ぬるい湯:43〜44℃ — 距離が伸びて温度が下がり、色付きが始まる
  • 初心者向け:38〜40℃ — 一番遠く、温度が落ち、色も濃くなる

湧出から時間が経つほど、溶存する鉄(II)イオン Fe²⁺ が空気に触れて 水酸化鉄(III) Fe(OH)₃ に酸化し、無色→淡色→濃色へと変化していきます。元湯泉薬湯はこの「鉄の酸化と鮮度の時間軸」を3つの浴槽で見える化した教材的な施設。本記事の伊香保 丸本館「黄金の湯」の発色機序も、原理は同じです。

出典:温泉津温泉元湯 泉薬湯 公式サイト、環境省「鉱泉分析法指針」、温泉文化に関する各種一次資料

次に訪問したい群馬の温泉(本表に含まれていない名湯)

本表は実地40湯の一次データに限られています。群馬には他にもマニア必訪の名湯が多数あり、次回以降の訪問・データ追加を予定しています。

  • 川中温泉(メタけい酸 200mg超の伝承)
  • 法師温泉(長寿館「法師乃湯」は国内屈指の足元湧出、文化財建築)⭐ 鮮度の聖地
  • 宝川温泉(巨大露天、複数源泉ブレンド)
  • 梨木温泉(強アルカリ+飲泉系)
  • 尻焼温泉(川底湧出の野湯型)

群馬外の参考として、足元湧出・鮮度の聖地として知られる湯:

  • 温泉津温泉 元湯泉薬湯(島根・1300年の自噴源泉、足元湧出、温度48.8℃・pH 6.6・溶存物質7.8 g/kg)— 鮮度の聖地 ⭐
  • 温泉津温泉 薬師湯(震湯)(島根・1872年濱田地震で湧出した別源泉、施設地下2mからの自噴・浴槽直送)

本表は新しい湯に入って成分表が取れるたびに更新します。

更新履歴

  • 2026-07-26:39湯 → 40湯に拡張(中之条・大塚温泉 金井旅館を追加。pH8.6/メタけい酸42.6/溶存物質0.50g/kg・泉温32.8℃の掘削自噴ぬる湯。源泉槽は加水・加温・循環・消毒・入浴剤すべてなし=湯使い5項目掲示で裏取り、加温は上がり湯のみ)。
  • 2026-07-19:38湯 → 39湯に拡張(高崎・群馬温泉やすらぎの湯を追加。溶存2.67g/kg・HCO₃⁻1,074mgの重曹優勢モール系)。
  • 2026-07-18:37湯 → 38湯に拡張(渋川・花湯スカイテルメリゾート「きらめきの湯」を追加。溶存8.81g/kgの等張性塩化物泉)。
  • 2026-07-12:36湯 → 37湯に拡張(幡谷温泉 ささの湯を追加=片品村エリア初収録)。
  • 2026-07-11:34湯 → 36湯に拡張(月夜野温泉 三峰の湯・高崎中尾温泉 天神の湯を追加)。
  • 2026-07-06:33湯 → 34湯に拡張(鹿沢温泉 紅葉館を追加=2源泉を完全放流式で使い分ける一軒宿)。
  • 2026-06-30:22湯 → 33湯に拡張(草津 大滝乃湯・無料共同浴場ほか計11湯を追加。溶存物質トップ=八千代 芹の湯 約14,590、最強酸性=草津 万代鉱源泉 pH1.7 など全ランキング更新)。
  • 2026-06-14:15湯 → 22湯に拡張(応徳温泉 くつろぎの湯・川原湯温泉 王湯・伊香保露天風呂・石段の湯を追加)。
  • 2026-06-07:12湯 → 15湯に拡張(万座 豊国館・半出来 登喜和荘・川場 悠湯里庵を追加。メタけい酸の効能表現を科学的根拠に沿って見直し)。
  • 2026-05-25:8湯 → 12湯に拡張+既存湯のデータ補完(南郷温泉しゃくなげの湯のメタけい酸を 89.3 → 56.5 に修正〔他温泉の値との取り違え〕、四万温泉 共同浴場3湯の全項目を実地分析書写真から復元)。
  • 2026-05-13:初版公開(群馬県内8湯の実地比較・用途別3秒ガイド・鮮度関連FAQ8問)。

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