伊香保のシンボル、365段の石段街。その石段を上っていく途中に建つ共同浴場が、名前の通りの「石段の湯」だ。源泉地の露天(伊香保露天風呂)と同じ黄金の湯を、こちらは内湯+洗い場つきで浴びられる。
露天で「浸かる」、石段の湯で「洗ってさっぱり」。同じ黄金の湯を役割分担ではしごする日の、もう一方の主役である。土曜の朝に立ち寄ってきた。

基本データ
| 施設名 | 伊香保温泉浴場 石段の湯(いしだんのゆ) |
|---|---|
| 所在地 | 群馬県渋川市伊香保町伊香保36(石段街の途中) |
| 日帰り料金 | 一般 大人800円/小人・障害者・高齢者(65歳以上)400円。渋川市民 大人500円/250円。乳幼児無料。クレジットカード・PayPay可 |
| 営業時間 | 10:00–20:00(最終入館 19:30) |
| 定休日 | 毎月 第2・第4火曜 |
| 泉質 | 黄金の湯(カルシウム・ナトリウム-硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物温泉/総合湯)=伊香保露天風呂・丸本館と同じ源泉 |
| 湯使い | 引き湯(約2km)・加温・注し湯あり/循環なし(湯は縁からあふれる)。体感40℃ |
| 設備 | 内湯+カラン約6か所の洗い場。休憩室2フロア(1階=眺望/2階=飲食可・アルコール不可) |
| 駐車場 | 石段の湯駐車場 無料・約10台(坂沿いで停めづらい) |
| 電話 | 0279-72-4526 |
| 訪問 | 土曜10時ごろ |
アクセス|365段の石段街の途中
伊香保のシンボルである365段の石段街(「1年365日の繁栄を」と2010年に延伸された)。石段の湯は、その石段を上っていく途中に建つ共同浴場だ。
駐車場は石段の湯の無料駐車場が約10台あるが、石段街の坂沿いで停めづらい。混む日は周辺の市営駐車場に置いて、石段を上りながら向かうのが無難だ。
黄金の湯|同じ源泉でも、露天とは表情が違った

石段の湯も、源泉地から石段沿いに引かれてくる黄金の湯。引かれているのは複数の源泉を混ぜた「総合湯」で、成分は伊香保露天風呂・丸本館と同じだ。総合湯の分析値は、源泉温度 41.2℃、pH 6.4(中性)。溶存物質(湯1kgに溶けている成分の合計)は約1,180 mg/kg。鉄(II)イオン(湯に溶けた鉄分)が7.23 mg/kg、メタけい酸(湯に溶けたケイ素の成分)が181 mg/kg。くわしい数字は伊香保露天風呂の記事に。
黄金の湯はもともと黄土色で金属臭のある湯。ただ、この日(土曜の朝)に入ったときは、鉄の匂いはあまりせず、色もそこまで濁っていなかった。同じ日に入った源泉地の露天は茶褐色が濃く出ていたのに、ずいぶん表情が違う。黄金の湯は、空気に触れてどれだけ酸化した(成分が空気と反応して変わった)かで色も匂いも変わるので、この日はたまたま控えめだったのかもしれない。同じ源泉でも一期一会というのが、温泉のおもしろさだ。
体感の湯温は40℃ほど。手すりのある側の下から、温かい湯が足されていた。源泉地から約2km引く間に湯が冷めるため、加温と注し湯(温かい湯を足すこと)で温度を保っているという。それでも湯は浴槽の縁から絶えずあふれ、ろ過して使い回す循環の湯ではない。源泉地で掲示「100%源泉かけ流し」の湯を浴びる露天が“鮮度”なら、石段の湯は“入りやすい温度に整えた黄金の湯”だ。それでいて、湯口にはしっかり析出物がこびりついていた。析出物は、温泉の成分が固まって付いたもの。2kmも引いて加温・注し湯までしているのに、湯口には成分の固まりが育っている。湯が入れ替わり続けていることを、湯口の析出物が物語っている。
内湯+洗い場|露天にはない「洗える」共同浴場

源泉地の露天(伊香保露天風呂)は洗い場のない“浸かるだけ”の湯だが、石段の湯にはカランが6か所ほど並ぶ洗い場がある。カランは、お湯と水が出る洗い場の蛇口のこと。髪も体もしっかり洗ってさっぱりできる。
だからこの日は、源泉地の露天で黄金の湯にどっぷり浸かってから、石段の湯で髪も体も洗い上げる、という流れが理にかなっていた。同じ黄金の湯を、源泉地と街なかで役割を分けて巡れるのが、伊香保ならではの楽しみ方だ。
休憩室は2フロア|1階は眺望、2階は飲食可

石段の湯には休憩室が2フロアある。1階は眺望が最高で、窓から伊香保の街並みを見渡せる。2階は飲食可(※アルコールは不可)の畳の休憩室だ。

湯上がりに1階の眺めでひと息ついて、もう一度湯に入る。洗い場のない露天にはない、こうした“滞在型”の使い方ができるのも石段の湯の強みだ。
独湯率|開館前から行列の人気湯
10時の開館前に着くと、すでに常連が2人並んでいた。10時の開館時には8人ほどの行列。石段街のシンボル的な共同浴場だけあって、人気が高い。当ブログでいう「独湯率」(他の客と居合わせず独り占めできる確率)は、露天(先客7名)と同じく高くない。
独り占めを狙うなら、開館一番手か、平日の遅めの時間が現実的だ。
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こんな人におすすめ
- 黄金の湯を、洗い場つきでしっかり堪能したい人
- 源泉地の露天とセットで「浸かる→洗う」をしたい人
- 365段の石段街の散策の途中に、一風呂浴びたい人
同じ黄金の湯を源泉地の露天で浴びるなら伊香保露天風呂、旅館の内湯で味わうなら丸本館。群馬の源泉を泉質で横断したい人は源泉かけ流し 泉質比較もどうぞ。湯上がりに水沢まで足を延ばすなら、青竹打ちの自家製麺と自家製支那竹(メンマ)が名物の水沢のラーメンの隠れ家「わたりや」もおすすめだ。
派手な施設ではない。けれど、365段の石段の途中で、洗い場も休憩室も整った黄金の湯に800円で浸かれて、湯上がりにそのまま石段街の食べ歩きへ繰り出せる。源泉地の露天とあわせて巡れば、伊香保の黄金の湯を一日で味わい尽くせる。
黄金の湯の泉質名にも入っている「硫酸塩泉」を、沢渡・四万・湯宿など群馬全域で歴史から辿った 群馬の硫酸塩泉 日帰り比較|歴史で辿る沢渡・四万・伊香保 も合わせてどうぞ。
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