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伊香保温泉 丸本館 日帰り入浴レビュー|メタケイ酸181mg・黄金の湯

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浴槽の縁から、真っ黒な鍾乳石のような塊がドーム状に成長していた。木製の樋からは茶色の湯がドバドバ落ち、何十年もこの場所だけに源泉が固まり続けてきたことを、視覚で語っていた。

伊香保温泉 丸本館(まるもとかん)。石段街の角地に立つ全8部屋の小さな旅館の浴室で、その日いちばんの興奮を味わいました。

5月6日、田丸屋(水沢うどん) でランチを終えた余韻を抱えて、午後は丸本館に立ち寄り湯(日帰り入浴)で訪問。電話予約時に「立ち寄り湯は13時から受付」と案内されたので、その枠で13時ジャストの利用です。

伊香保温泉といえば石段街と黄金の湯。その両方を「徒歩0歩」「全部本物」で体験できる、石段街沿いの角地の小宿が丸本館。全8部屋、木造4階建てでエレベーターなし、客室にバス・トイレなし、トイレは各階共同男女共同。設備面は潔く昭和ど真ん中ですが、お湯と立地は本物。立ち寄り湯でも宿泊でも、群馬の温泉ブログとしては書き残しておきたい一軒です。

基本データ

建物外観・石段街の角地・「丸本館」看板
建物外観・石段街の角地・「丸本館」看板
項目
施設名伊香保温泉 丸本館(まるもとかん)
種別旅館(全8部屋・木造4階建て)
所在地〒377-0102 群馬県渋川市伊香保町伊香保48番地
電話0279-72-2031(受付時間 9:00〜20:00)
アクセス石段街の角地・徒歩0歩/関越道 渋川伊香保ICから車で約20分
駐車場専用駐車場5台(徒歩2分)/要事前確認
Googleマップ伊香保温泉 丸本館を開く ↗
公式サイトhttps://www.marumotokan.co.jp/
訪問日2026年5月6日(水)立ち寄り湯 13:00枠
立ち寄り湯料金大人 500円 / 子ども 250円
立ち寄り湯予約電話予約制(受付開始:13:00〜)

客室・館内設備(公式サイトより)

項目内容
客室3階・4階/和室8部屋/バス・トイレなし・男女共同トイレ各階1
浴室1階/男性用1・女性用1(4〜5名サイズ)
入浴可能時間24時間入浴可(清掃時間除く・宿泊者限定)
食事朝・夕とも部屋出し(4名以上は宴会場)
客室備品テレビ・冷蔵庫・冷暖房・浴衣・タオル類・ドライヤー(歯ブラシは持参推奨)

⚠️ 公式サイトには「当館は建物が古く、物音が響きやすく、客室にバス・トイレ等はございません。設備面がご心配な方にはお勧めできません」と明記されています。宿側から潔く宣言する姿勢に、納得できる人にとっては好感度の高い宿。

石段街の角地、徒歩0歩の観光ベース基地

建物全景・「丸本館」と書かれた縦看板
建物全景・「丸本館」と書かれた縦看板

伊香保温泉の代名詞である365段の石段街。その上の方の角地に丸本館は立っています。建物の壁面には縦書きで「丸本館」の看板が一本。石段街を散策する観光客の動線にそのまま組み込まれた、観光ど真ん中の立地。

石段街・周辺の旅館・観光客
石段街・周辺の旅館・観光客
建物の少し上から石段街と山並みを見下ろす
建物の少し上から石段街と山並みを見下ろす

宿の前で外を眺めると、石段がどこまでも下に伸びていき、その先に上越国境の山並みが見える。石段街を下って射的場、足湯、温泉まんじゅう屋、共同浴場「石段の湯」「黄金の湯館」などをすべて徒歩圏に収められる、観光のベース基地です。

石段街そのものが、戦国時代から続く「日本初の温泉都市計画」

石段街の歴史を刻んだ石碑・観光客が読んでいる
石段街の歴史を刻んだ石碑・観光客が読んでいる

宿のすぐそばに、石段街の歴史を刻んだ石碑が建っています。読んでみると、これが面白い。

  • 天正4年(1576年)に石段街形成
  • 長篠の戦い(織田・徳川連合軍 vs 武田勝頼)の翌年
  • 当時の共同湯成立を推進した人々が、湯花(ゆばな)から湯を導き、石段の中央に湧樋(わきどい)を伏せて、石段街道沿いに浴舎を配したのが起源
  • 「わが国第一号の温泉都市計画」と石碑にもしっかり明記

つまり450年前のグランドデザインが、ほぼそのまま現代の温泉観光地として機能しているわけで、息の長いインフラだなと感心します。今日のランチで訪れた田丸屋(創業天正10年=1582年)は、この石段街ができた6年後の創業。両方とも戦国末期の遺産が現役で動いている、歴史遺産がそのまま動態保存されている土地柄です。

青いカーペットと籐椅子の昭和レトロロビー

受付・パンフレット類・「天然温泉」の認定マーク・観光ポスター
受付・パンフレット類・「天然温泉」の認定マーク・観光ポスター

13時、引き戸を開けて中へ。広くないロビーに観光パンフレット、温泉認定マーク、地域イベントのポスターが詰まった、こじんまりとした受付。壁の上には「天然温泉」の赤い湯マーク認定証(公的認定)と各種表彰状。「ちいさな旅館」の案内ポスター。規模は小さいながら認証や実績はきちんとあって、本物であることが一目で伝わります。

ロビー・青いカーペットの階段・籐椅子セット・浮世絵風の額・観葉植物
ロビー・青いカーペットの階段・籐椅子セット・浮世絵風の額・観葉植物

奥に進むと、昭和レトロの典型「籐の椅子セット」と「青いカーペットの階段」。

  • 浮世絵風の額装
  • 鏡台
  • 観葉植物
  • 控えめなぬいぐるみ
  • 木の手すり

1980年代の旅館の雰囲気がそのまま残った、懐かしさで胸を突かれるタイプの空間。「設備が古い」を「設備がレトロ」と読み替えられる人なら、この時点で泊まる価値が確定します。

浴室レポート|1階・男女各1の「茶色のにごり湯」

浴室全景・茶色のにごり湯・ベージュタイル張り壁
浴室全景・茶色のにごり湯・ベージュタイル張り壁

そして目当ての浴室。

  • タイル張りのコンパクトな内湯、4〜5名サイズ
  • 湯はくっきりとした茶色(オリーブ寄りの茶)のにごり湯
  • 高い位置に明かり取りの窓
  • シャワー2基(カランは一般的なミキサー式)
  • 床にも湯が広がっていて、オーバーフローしている形跡

派手さはないけれど、湯の色だけで本物だと分かる浴室。透明な湯ばかり経験してきた人は、この茶色いタイル+茶色の湯のコントラストを見ただけで温泉欲が満たされるはず。

丸本館は内湯のみで露天はないため、露天で外気クールダウンする派の自分としては寂しいかと思いきや、湯口の析出物を眺めながら入る内湯は別種の楽しみがありました。

お湯の匂いは「鉄」

浴室に入って最初に感じたのが、ほのかに鉄を舐めたときのような金属系の匂い。温泉の匂いといえば「硫黄」を連想しますが、丸本館で支配的なのは鉄の匂いでした。

これは茶色のにごり湯の正体とも整合する話で、伊香保 黄金の湯に含まれる鉄分が空気に触れて酸化し、湯と析出物を茶色く染めているから。湯口の黒〜茶色の析出物は、鉄分の酸化沈着と、炭酸水素塩泉特有の炭酸カルシウム析出が、長期にわたって複合的に堆積した結果です。鉄分の色と匂いに、炭酸水素塩泉のミネラル堆積が重なる二層構造の温泉なんだと、湯船で改めて納得しました。

公式分析でも遊離硫化水素は 0.00 mg/kg(検出なし)と明記されており、そもそも硫黄系の匂いは出ない湯。鼻で感じた「鉄の匂い」が、分析値とぴったり整合する結果になっています。

湯口の析出物|鍾乳石状の「黄金の湯の物的証拠」

湯口アップ・黒く分厚いドーム状の析出物・木製の樋から茶色の湯が流れ出る
湯口アップ・黒く分厚いドーム状の析出物・木製の樋から茶色の湯が流れ出る
湯口さらに接近・析出物の質感・浴槽水位とのコントラスト
湯口さらに接近・析出物の質感・浴槽水位とのコントラスト

そしてこの旅で一番興奮したのが、この湯口です。真っ黒〜こげ茶色のドーム状の析出物が、浴槽の縁から鍾乳洞のように成長している。よく見ると、炭のような黒い塊と、土色〜茶色の堆積層が層をなしていて、表面は微細な凹凸でゴワゴワ。何年、いや何十年単位で源泉が流れ続けて、温泉成分が同じ場所に固まり続けた結果としか思えない造形物です。

その析出物の塊から、木製の樋(とい)を介して茶色の温泉が勢いよく流れ出ている。「源泉が止まっていない/循環していない/毎日替わっている」物的証拠が視覚で裏取り済み、というシーンです。

しかも湯量がパワフル。「ちょろちょろ」でも「じゃばじゃば」でもなく、本当に「ドバドバ」と表現するのが一番近いレベルで湯口から温泉が落ちてくる。伊香保温泉の集中管理源泉「総合湯(混合泉)」の合計湧出量 4,627 L/分 という潤沢さがあるからこそ、各旅館の湯口にもこれだけの源泉を分配できているわけです。

💡 これだけのサイズ感の析出物が湯口にこびりついている浴槽は、群馬県内でもそう多くは残っていません。草津・万座・伊香保といった老舗温泉地でかけ流しを長年続けている宿だけに残る造形で、伊香保の中でも丸本館のこの湯口は写真に収める価値があります。

湯使い6項目、完全かけ流しの満点表記

温泉法施行規則第6条 掲示・湯使い6項目すべて記載・施設名「丸本館」の公式分析証
温泉法施行規則第6条 掲示・湯使い6項目すべて記載・施設名「丸本館」の公式分析証

浴室入口に温泉法施行規則第6条に基づく「温泉の成分等の掲示」が掲げられていて、湯使いの6項目が全部明記されています。

項目丸本館の表記評価
浴槽名男湯(女湯も同様)
加水の状況加水していません✅ 100%源泉
加温の状況外気温が低いときに加温⚠️ 季節限定加温
循環・濾過装置使用していません✅ 完全かけ流し
入浴剤使用していません何も足さない
温泉消毒毎日完全に新鮮温泉と換え十分清掃しているため、消毒していません✅ 塩素ゼロ

→ 6項目すべて「足さない・濁さない・誤魔化さない」と表明。この水準で掲示している温泉宿は、群馬県内でもそう多くありません。冬季は加温ありですが、これは伊香保の標高(約700m前後)と寒冷気候を考えれば妥当な運用で、むしろ加温の有無を正直に書いている時点で誠実だと言えます。

冬季は加温しています。時間により温度が上下いたしますがご了承ください。の貼紙
冬季は加温しています。時間により温度が上下いたしますがご了承ください。の貼紙

浴室内にも「冬季は加温をしております。時間により温度が上下いたしますがご了承ください。」の手書き貼り紙。書く必要のある誠実さ。

全国の親戚温泉|大分・九重「新清館」と地学的に近縁

温泉成分表の全景・群馬県温泉利用許可証・分析年月日 平成29年5月30日
温泉成分表の全景・群馬県温泉利用許可証・分析年月日 平成29年5月30日

実は、丸本館の湯船に浸かっていた瞬間、「あ、これ昔行った大分・九重の 新清館 の湯と似てるな」という既視感がありました。茶色のにごり、鉄っぽい匂い、潤沢な湯量、温まり方のクセ。同じカテゴリの湯に入った時に体が思い出す感覚というのが、温泉好きにはあります。

帰宅後に直感を成分表で答え合わせしてみたら、想像以上にぴったり一致してびっくり。大分県九重町の旅館「新清館(しんせいかん)」(源泉名:旅館 新清館 ヤマドリ)の公式分析書と、丸本館の分析書を並べると、コア指標がほぼ揃っていることが分かります。

項目丸本館(伊香保)新清館(九重)
泉質Ca・Na-硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物泉Na・Mg・Ca-炭酸水素塩・硫酸塩泉
性状弱酸性高温泉中性低張性高温泉(分析書原典)
pH6.46.6
泉温41.2℃48.8℃
メタケイ酸 H₂SiO₃181 mg211 mg
メタホウ酸 HBO₂8.30 mg12.9 mg
硫酸イオン SO₄284 mg420 mg
遊離CO₂172 mg750 mg
遊離H₂S0 mg0 mg

伊香保(群馬)と九重(大分)は直線距離で約1,000km離れていますが、「pH 6〜7の弱酸性〜中性域 / 硫酸塩・炭酸水素塩系の複合泉 / メタケイ酸150〜250mgの高シリカ域」という温泉学的なコア指標がほぼ揃っているのが見て取れます。

両者の違いとして際立つのは:

  • 丸本館:鉄分酸化による茶色のにごりと鉄系の金気香(遊離H₂Sは0なので硫黄系ではない)
  • 新清館:遊離CO₂が750 mgと豊富で、しゅわしゅわの炭酸ガス系。湯色は強黄色で無臭

「強酸でも強アルカリでもないpH 6〜7域で、メタケイ酸豊富で、湯にクセがある」という温泉ファミリーは、アルカリ性のヌルヌル系(しゃくなげの湯)や強酸性のピリピリ系の温泉とは別の、渋めの玄人好みカテゴリ。伊香保の湯は群馬では孤立した独自系統に見えるけれど、視野を全国に広げると 「シリカ温泉系の名湯ファミリー」の一員 だったわけです。

「湯船で感じた既視感 → 成分表で答え合わせ」という、温泉好き的に楽しい瞬間でした。体感が知識を裏付け、知識が体感を強化する。これを繰り返していくと、温泉が「ただ気持ちいいお湯」から「土地の地学を体で読む装置」に変わっていきます。

泉質の正体は「アルカリ性」じゃない、弱酸性の複合塩類泉

伊香保の「黄金の湯」を「アルカリ性のヌルヌル系」だと思っている人は意外と多いのですが、丸本館の浴室に貼られている公式分析書を読むと、実は全然違うことが分かります。

分析書(平成29年5月30日 群馬県薬剤師会衛生試験センター)

項目注目度
源泉名総合湯(混合泉)
泉質カルシウム・ナトリウム-硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物泉★★★ 複合泉
泉温41.2℃★ 入浴に最適
湧出量4,627 L/分(伊香保 集中管理源泉の合計)★★★ 大量自噴
知覚試験無色透明・僅かに茶色の浮遊物あり★★ 物的証拠
pH値6.4★★★ アルカリではなく弱酸性
溶存物質計(ガス性のものを除く)1.18 g/kg(= 1,180 mg/kg)★ 療養泉基準(1.0 g/kg)クリア

※ 泉質名末尾の「塩化物泉」は、塩化物イオン146 mg/kgが温泉法上の塩化物泉認定基準(陰イオン中のmval%で20%以上)を満たすことに基づく併記表記。

主要成分(一部抜粋・mg/kg)

成分
ナトリウムイオン101.00
カルシウムイオン139.00
鉄(Ⅱ)イオン Fe²⁺7.23
硫酸イオン284.00
塩化物イオン146.00
炭酸水素イオン275.00
メタケイ酸 H₂SiO₃181.00
メタホウ酸 HBO₂8.30
遊離CO₂172.00
遊離硫化水素 H₂S0.00(検出なし)

※ 鉄(Ⅱ) 7.23 mg は療養泉「含鉄泉」の認定基準(総鉄20 mg/kg以上)には届かないが、茶色のにごりと鉄の匂いを生むには十分な量。「療養泉認定の含鉄泉」ではないが、「鉄が体感できる温泉」ではある、という位置づけです。

温泉好きとしての解説

この成分構成は、群馬の温泉の中でもかなり特徴的:

  • pH 6.4 = 明確な弱酸性。アルカリ性ではないので、しゃくなげの湯 の pH 9.27 のような「ヌルヌル系」とは別軸の名湯。「美肌の湯=アルカリ」と思い込んでいると見誤ります。
  • メタケイ酸 181 mg/kg = しっかり高い数値。温泉法上の療養泉規定値が50 mg/kgで、一部温泉ファンの間で言われる「100mg超でシリカ温泉」の目安も明確にクリア。伊香保温泉のなかではトップクラスの部類。
  • 遊離硫化水素 0.00 mg = 検出なし。「黄金の湯」は硫黄系ではないので、鼻で感じる「鉄の匂い」は鉄分酸化由来であり、硫黄香ではないことが分析でも裏付けられています。
  • 遊離CO₂ 172 mg = 炭酸ガス含有。血行促進系。
  • 硫酸イオン 284 mg + 炭酸水素イオン(高値)= 温まり湯系。湯冷めしにくく、肩こりや筋肉痛に効きやすい。
  • 湧出量 4,627 L/分 = 大量の自噴量。これだけ湧いているからこそ、石段街沿いの旅館全部に新鮮な源泉を供給し続けられる。

つまり、丸本館の湯(伊香保 黄金の湯)は「アルカリのヌルヌル」ではなく、「メタケイ酸の存在感 × 硫酸塩・炭酸水素塩の温まり × 鉄分酸化の鉄香 × 茶色のにごり」という複合的なシリカ温泉系の名湯。ヌルヌル感は弱いけれど、体の芯の温まり方と金属系温泉らしい風格がしっかりある、という別軸の名湯です。

湯上がりの体感|「ぬる湯の罠」と乾燥対策

実際に入ってみての体感は、「ツルツルというよりは引き締まった感じ」。メタケイ酸181mgのシリカ温泉だから「しっとり持続」を想像していましたが、丸本館の湯はむしろ硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物の複合塩類泉系の温まり主体で、湯上がりに肌の油分がしっかり落ちているタイプでした。

これは成分構成的にも整合します:

  • 硫酸イオン 284 mg = 鎮静・血行促進系の温まり湯。湯冷めしにくく、神経痛・関節痛・冷え性などに効きやすい泉質
  • 湯量パワフル × 加温で湯温維持 = 長く浸かりやすく、結果として皮膚表面の脂分が落ちやすい

もうひとつ重要な体感が、ぬる湯の罠。公式値41.2℃は体感では「ぬるめで気持ちいい」と感じる温度ですが、これが曲者で、「まだいける」と思って長湯していると、いつの間にか湯当たりするタイプの湯でした。湯上がりも汗がなかなか引かない。硫酸塩泉・炭酸水素塩泉系の温まり力の強さが、ぬる湯の油断と組み合わさると、思った以上に体に効いてきます。

結果として「ヌルヌル感が抜けて、サッパリ整った肌」になる感じ。温泉らしい「使った後の達成感」がある一方で、もともと肌が乾燥気味の人は湯上がりに保湿剤(ボディクリーム or 化粧水)を持参すると安心です。

丸本館の湯への接し方として覚えておきたい3点

  • ぬる湯(41.2℃)でも長湯しすぎると湯当たりする
  • 湯上がりは汗がなかなか引かないので、休憩スペースで体を冷ましてから出る
  • 乾燥肌の人は保湿剤を持参

これは丸本館の湯が悪いのではなく、「シリカ温泉だから何でもしっとり保湿される」と思い込んでいた予想が、現実の入浴体験で軌道修正されたということ。温泉成分は単体ではなく複合作用で評価する、という温泉好きの基本に立ち返らせてくれる一風呂でした。

ドライバー向け実用情報|Googleマップ推奨ルートに注意

水沢の田丸屋から丸本館まで、距離は約4.4 km。Googleマップは「県道15号経由・8分」を最速ルートとして提示してきますが、実際にこのルートで向かったところ、石段街手前の区間で道幅が車1台ギリギリの細い坂道になっており、対向車や駐車車両があると詰む状況でした。

実体験としては、推奨ルートを途中で諦めて迂回し、所要時間は約12分。狭い旧道に慣れていない人は、最初からアルテナード/県道33号経由のルートを選んだほうが安全です。

駐車場情報

  • 丸本館の専用駐車場(5台ほど)
  • 場所:丸本館から徒歩約2分
  • 利用方法:到着前に電話で空き状況確認推奨(0279-72-2031)

満車時は石段街周辺の有料駐車場を利用することになるため、混雑期は事前確認がおすすめです。

まとめ|「お湯・立地・歴史」が揃った石段街の小宿

こんな人におすすめ:

  • 伊香保「黄金の湯」を、循環・加水・消毒なしで立ち寄り湯で体験したい人(13:00枠/要電話予約)
  • 湯口の析出物を見るためだけに訪問しても良い、温泉ガチ勢
  • メタケイ酸 181 mg のシリカ温泉で、複合塩類泉特有の「サッパリ整った肌」を体験したい人
  • 昭和レトロの旅館の空気が好きな人(青カーペット階段・籐椅子・浮世絵額)

注意点:

  • ⚠️ 宿泊検討の場合は、客室にバス・トイレなし、共同男女共用トイレ、エレベーターなしの木造4階建て、物音が響く構造を許せる人限定(歯ブラシ持参推奨)
  • ⚠️ 露天はなし。露天派は内湯のみと割り切って訪問

設備面の潔いdisclosureをクリアできる人にとって、丸本館はお湯・立地・歴史が揃った伊香保の有力候補。まずは立ち寄り湯で湯と立地を体感してから、宿泊を検討するのが良い動線です。

よくある質問(FAQ)

伊香保温泉 石段街の角地、木造4階建ての老舗旅館「丸本館(まるもとかん)」について、訪問前に検索される質問にまとめて答えます。立ち寄り湯の予約・料金、駐車場とアクセス、伊香保「黄金の湯」が実はアルカリ性じゃない件、宿泊との違いまで。
※情報は 2026年5月時点。

Q. 丸本館の立ち寄り湯は予約必須?当日・予約なしで入れる?

A. 入浴料は大人 500円/子ども 250円午前中は清掃のため、立ち寄り湯は13:00開始で、基本は電話予約制(電話の受付時間 9:00〜20:00/電話0279-72-2031)。13:00 以降、空きが出れば随時入浴できることもあり、訪問時に店外に「立ち寄り湯可能」の看板が出ていれば飛び込みでも可能(確実に入るなら事前に電話で空き状況を確認するのが安全)。

Q. 丸本館に駐車場はある?石段街までの行き方の注意点は?

A. 専用駐車場は5台ほど・徒歩約2分、要事前確認(0279-72-2031)。満車時は石段街周辺の有料駐車場利用に。Googleマップは「県道15号経由・8分」を最速として提示しますが要注意。石段街手前の区間で道幅が車1台ギリギリの細い坂道になっており、対向車や駐車車両があるとすれ違い困難で立ち往生のリスクあり。実体験では推奨ルートを途中で諦めて迂回し、所要時間は約12分。最初からアルテナード/県道33号経由を選ぶのが安全です。詳しくは本文「ドライバー向け実用情報|Googleマップ推奨ルートに注意」へ。

Q. 伊香保温泉 丸本館の立ち寄り湯、どんなお湯?レビューの結論は?

A. 茶色のにごり湯(オリーブ寄りの茶)で、湯口の鍾乳石状の析出物が「黄金の湯」の物的証拠として圧倒的な存在感です。黒〜こげ茶色のドーム状の析出物は、源泉が同じ場所に何十年と流れ続けた結果としか思えない造形物——「派手さはないけれど、湯の色だけで本物だと分かる」浴室です。鼻で感じるのは硫黄ではなく鉄の匂い(Fe(Ⅱ) が空気に触れて Fe(Ⅲ) に酸化することで茶褐色に)。湯量はパワフルで「ドバドバ」級。

なお、大分・九重「新清館」と地学的に同系統の茶褐色含鉄泉で、九州の名湯と並べて語れる稀有な存在です。ただし内湯のみで露天はないので、外気クールダウン派は宿泊して長湯リズムを組むのが向いています。本文「浴室レポート|1階・男女各1の『茶色のにごり湯』」「全国の親戚温泉|大分・九重『新清館』と地学的に近縁」も併せてどうぞ。

Q. 伊香保「黄金の湯」はアルカリ性のヌルヌル系?

A. いいえ、弱酸性です(pH 6.4)。伊香保は草津・万座と並ぶ群馬の名湯で「黄金の湯」の名前から「美肌系のアルカリ」と連想されがちですが、丸本館の浴室分析書では明確に弱酸性。アルカリ性のヌルヌル系ではなく、療養泉基準(50 mg/kg)を大幅に超過するメタケイ酸 181 mg/kg を含むカルシウム・ナトリウム-硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物泉(複合塩類泉)です。

肌触りは「アルカリのヌルヌル」ではなく、メタケイ酸由来のしっとり感+硫酸塩・炭酸水素塩による温まりの長さが主役。ヌメリを期待するとガッカリしますが、湯上がりの保温感は別格です。鉄(Ⅱ) は 7.23 mg/kg(療養泉「総鉄イオン 20 mg/kg以上」の含鉄泉認定基準には届かないが、茶色のにごりと鉄の匂いを生むには十分な量)。詳しくは本文「泉質の正体は『アルカリ性』じゃない、弱酸性の複合塩類泉」へ。

Q. 丸本館は宿泊もできる?立ち寄り湯との違いは?

A. はい、宿泊できます。宿泊なら 24時間入浴可(清掃時間除く・宿泊者限定)で、立ち寄り湯の13:00枠の制約を外して長湯リズムが組めます。客室は3階・4階の和室8部屋、木造4階建ての老舗。客室にはバス・トイレなし(男女共同トイレ各階1)で、食事は朝・夕とも部屋出し(4名以上は宴会場)です。

公式サイトには「当館は建物が古く、物音が響きやすく、客室にバス・トイレ等はございません。設備面がご心配な方にはお勧めできません」と明記されており、宿側から潔く宣言する姿勢に納得できる人にこそ向く宿です。

関連:pH スペクトラム・他の伊香保系との比較

丸本館の黄金の湯(pH 6.4 弱酸性・メタケイ酸181mg)は群馬の温泉では珍しい酸性寄りの一軒。pH の高い側に振れた湯と並べると、肌触り・体感の違いが立体的に分かります:

訪問データ

  • 訪問日:2026年5月6日(水)立ち寄り湯 13:00枠(電話予約制)
  • 施設:伊香保温泉 丸本館(群馬県渋川市伊香保町伊香保48番地)
  • 動線:自宅 → 渋川伊香保IC → 田丸屋(水沢うどん)(ランチ)→ 県道15号〜33号で伊香保石段街(約12分・4.4 km)→ 丸本館専用駐車場(5台・徒歩2分)→ 丸本館(立ち寄り湯)→ SPLASH’N’GO! 新前橋店で洗車

ジョーモ
群馬の源泉かけ流し日記

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