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砦乃湯(砦の湯/安中)|39.1℃ぬる湯と完全源泉かけ流し

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内湯の木製湯口・じゃばじゃば落ちる湯
内湯の木製湯口・じゃばじゃば落ちる湯

群馬県安中市松井田町の山あいに静かに建つ日帰り温泉、上増田温泉 砦乃湯(とりでのゆ・通称「砦の湯」)。一本の源泉で 夏期 39.5℃前後(訪問日実測 39.1℃)のぬる湯(内湯)加温した露天(夏期39〜40℃/訪問日41℃) という対照的な2槽をまかなう、完全源泉かけ流しの一軒です。加水なし・循環なし・消毒なし、内湯は加温すらしていません。

5月10日の日曜、午前11時の一番風呂枠で訪問。木製の樋からじゃばじゃば落ちる湯口、大きな窓の外に広がる新緑、岩組の露天と山あいの静けさ。島根の美又(pH 9.7)のヌルヌル、温泉津のしっかり塩化物、大分・新清館の硫黄を経由してきた身には、砦乃湯は「軟らかさ」軸の中央値。派手さで勝負する温泉ではないけれど、毎日入りたいと思わせる本物の湯でした。

基本データ

項目内容
正式名上増田温泉 砦乃湯(かみますだおんせん とりでのゆ)
所在地群馬県安中市松井田町上増田2164
アクセス上信越自動車道 松井田妙義IC から車で約10分(進入路は南側の県道33号→増田川沿いの道が正解。Googleマップは北側の山道を案内するが道幅狭く離合困難なので要注意)
駐車場無料・約30台
Googleマップ上増田温泉 砦乃湯を開く ↗経路ナビは要注意:北側山道を案内されるが南側ルート推奨。詳細は本文末尾
マップコード705 121 140(カーナビ用)
入浴料大人 3時間 800円/終日 1,000円(個室 3時間 3,000円・現地掲示)
営業時間11:00〜19:00(現地掲示)
定休日毎週水曜日(現地掲示)
電話027-388-1177
公式https://www.toride-yu.jp/
湯使い完全源泉かけ流し(加水なし/内湯は加温なし/露天はその日の気温に合わせ加温/循環・ろ過なし/消毒なし)
泉質分類ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物温泉(低張性・弱アルカリ性)
源泉温度40.8℃(2019年1月分析時の施設供給温度 38.0℃/浴槽は夏期 39.5℃前後・冬期 38.5℃前後で運用)
浴槽の温度内湯 夏期 39.5℃前後(訪問日実測 39.1℃)/露天 夏期 39〜40℃(訪問日実測 約 41℃)
湧出量現行分析書(2019年)では未確認(次回現地で再確認予定)
pH8.0(弱アルカリ性)
特徴成分炭酸水素イオン 959 mg/Na 470 mg/Cl 214 mg/メタけい酸 54.6 mg
蒸発残留物・成分総計1.22 g/kg / 1.76 g/kg
浴槽内湯(男女各1)+露天(男女各1)+水風呂
サウナあり(土日祝 13:00〜17:00 のみ稼働・現地掲示)/水風呂は通常稼働
訪問日2026年5月10日(日)11:00ごろ 立ち寄り湯

浴室レポート|源泉そのままの内湯と、加温で発泡する露天

内湯全景・大窓越しの新緑・木枠浴槽・石床
内湯全景・大窓越しの新緑・木枠浴槽・石床

脱衣所の暖簾をくぐると、大きな窓の外に広がる木々と、湯口からじゃばじゃばと流れ落ちる湯の音が同時に飛び込んできます。内湯は4〜5人サイズの長方形の木枠浴槽で、床は黒い乱張石。源泉そのままを湛えるぬる湯仕様なので湯気はあまり立たず、入った瞬間「ぬるい」けれど、3分も浸かっているとじわじわ温まってくる温度設計でした。

「内湯加温なし」と浴槽39℃台のロジック

公式の温泉成分等掲示表では、源泉温度 40.8℃/2019年1月時点で配管を通って施設に届いた時点の温度が 38.0℃と記載。一方、浴室掲示の「当館の温泉温度について」では 正午の浴槽温度は夏期 39.5℃前後、冬期 38.5℃前後で、加水も加温もしていないと明記されています。

冬期の38.5℃が分析書記載の38.0℃にほぼ一致するので、「38.0℃は冬期に測定された値」と読むのが整合的。夏期は配管経路での放熱が小さくなり、加温なしでも 39〜40℃で浴槽に届く、という運用です。実際この日の体感も39℃前後でした。

洗い場と浴槽の間のパーテーション

地味に好印象だったのが、洗い場と浴槽の間に低めのパーテーションが立っていること。シャワーや桶の湯がぬる湯の浴槽に飛び跳ねて入るのを物理的に防ぐ仕切りで、源泉そのままの湯を清潔に保つための工夫。湯使い(加水なし・循環なし・消毒なし)の徹底と、設備設計の徹底が同じ方向を向いている一軒です。

湯口の流量

内湯湯口・じゃばじゃば流れる木製樋から湯が落ちる瞬間
内湯湯口・じゃばじゃば流れる木製樋から湯が落ちる瞬間

特筆すべきは湯口の流量。木製の樋から「ちょろちょろ」の正反対の音量で温泉が落ちてきます。完全な源泉かけ流し(加水なし・循環なし・消毒なし)で内湯+露天+水風呂をまかなえているのは、源泉湧出量に余裕がある証拠でしょう(現行分析書での湧出量は次回現地で再確認したい数字のひとつ)。なお排湯は浴槽の縁ではなく浴槽内の配管から抜く設計で、見た目はオーバーフローしていないので一見「掛け流しじゃない?」と思いがちですが、現地掲示の通り完全かけ流しです。

お湯の質感

pH 8.0 の弱アルカリ性、ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物温泉。体感としては「とろみはあるが、ヌルヌルはしない」。これは メタけい酸 54.6 mg/kg と炭酸水素イオン 959 mg/kg が組み合わさることで生まれる、軽めのとろみ であって、pH の高さ由来のヌルヌルとは別カテゴリ。塩化物 214 mg もほんのり塩気として乗り、湯上りはサラッとしているのに保温感が長く続く、複合塩類泉らしい仕上がりです。


露天風呂|湯の花と外気浴で「整う」

露天風呂全景・木造屋根・岩組・新緑バック
露天風呂全景・木造屋根・岩組・新緑バック

内湯から外へ出ると、木造の屋根と岩組で囲まれた露天風呂。設定温度は夏期39〜40℃、冬期41〜42℃で、訪問日は約41℃と少し熱めに調整されていました(外気温に応じて毎日加温量を調整、訪問日は朝の冷え込みを受けてやや高め)。

物的証拠は湯の花

「露天風呂の泡・茶色のものについて」貼り紙
「露天風呂の泡・茶色のものについて」貼り紙

浴室入口の掲示には、露天で観察できる現象として「茶色いもの=湯の花(源泉と同時に汲み上げられる温泉成分由来)」と「小さな泡=遊離二酸化炭素(17.6 mg/kg)が加温により発泡したもの」の2点が説明されています。

このうち実際に目視で確認できたのは湯の花。湯船の縁にうっすら茶色く堆積していて、源泉そのままを汲み上げている証拠としてしっかり見えます。一方、気泡が肌にまとわりつく感覚は今回はあまり感じませんでした(CO₂ 17.6 mg/kg は炭酸泉認定基準 1,000 mg/kg よりずっと薄い数値帯なので、体感としては控えめなのが妥当な範囲)。掲示の説明と分析書の数値は整合していますが、「炭酸泉として体感を期待する」より「湯の花の沈着で湯使いの誠実さを確認する」のが現実的な楽しみ方です。

サウナ未稼働でも「整う」

露天から見上げた木立と青空
露天から見上げた木立と青空

露天の上を見上げると、杉と新緑の木立が空を塞いでいます。小鳥の囀り、風の音、葉擦れの音だけ。山あいの静けさがダイレクトに耳に届く立地で、岩のへりに腰掛けて外気浴をしているうちに、ぬる湯の感覚が体の奥にまで沁み込んできて、明日の仕事のことを考えていたらいつのまにかうたた寝していました。

サウナは現地掲示で「土日祝 13:00〜17:00 のみ稼働(機械の都合)」と明記されており、訪問日は日曜の午前11時着、つまり稼働前の時間帯だったため未体験。それでも水風呂は通常稼働しているので、内湯ぬる湯(39℃)→露天加温(41℃)→水風呂→外気浴の温冷交代浴で「整う」サイクルは成立しました。

水風呂・小ぶりな石貼りの単独水風呂
水風呂・小ぶりな石貼りの単独水風呂

水風呂は1人、頑張って2人入れる小ぶりな石貼り単独浴槽。深さは控えめで、座って肩まで浸かれるくらいの規模感。露天の隣にあるので、加温41℃→水風呂→外気浴のサイクルで使うのにちょうどいい配置です。

⚠️ 山あいの自然環境ゆえ、夏のアブ・蜂対策は念のため(過去に刺された方がいたという話も耳に入ります)。


数字で読み解く|HCO₃ 959mg が圧倒的主役、塩化物は脇役

公式の温泉成分等掲示表(平成31年(2019年)1月11日付・群馬県第2号分析・群馬県薬剤師会)から、注目したい数字:

項目数値
泉質ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物温泉
源泉温度40.8℃(施設供給時 38.0℃/2019年1月分析時)
pH8.0(弱アルカリ性)
成分総計1.76 g/kg(療養泉基準 1.0 g/kg 超)
ナトリウムイオン Na⁺470 mg
陽イオン計490 mg
塩化物イオン Cl⁻214 mg
炭酸水素イオン HCO₃⁻959 mg ★主役
炭酸イオン CO₃²⁻3.6 mg
陰イオン計1,177 mg
メタけい酸 H₂SiO₃54.6 mg
メタほう酸 HBO₂22.7 mg
非解離成分計77.3 mg
遊離二酸化炭素 CO₂17.6 mg(炭酸泉基準 1,000 mg には遠く及ばない数値帯)
遊離硫化水素 H₂S0.0 mg(検出なし)

読みどころ:

  • 陰イオンは炭酸水素 959 mg が圧倒的主役、塩化物 214 mg は脇役。重曹泉(炭酸水素塩泉)のクレンジング感をベースに、メタけい酸 54.6 mg のとろみと塩化物の保温感が後ろから添える、複合塩類泉らしい多層構造。
  • pH 8.0 は環境省「鉱泉分析法指針(平成26年改訂)」の区分で 7.5〜8.5未満の「弱アルカリ性」帯ど真ん中。世間でいう「強アルカリのヌルヌル」(pH 9以上)には届かないが、pH の問題というより 成分組成と泉質型の違い の問題。
  • 遊離 CO₂ 17.6 mg はガス成分として計上されているが、炭酸泉認定基準(1,000 mg)にははるかに及ばない数値。掲示では「加温により小泡として可視化」と説明されているが、体感は控えめ。
  • 遊離硫化水素は検出なしなので、いわゆる硫黄臭(厳密には硫化水素 H₂S 由来の匂い/硫黄そのものは無臭)は出ない。鼻で感じるのはミネラルっぽいほのかな塩味系の香り。

💡 泉質別適応症(炭酸水素塩泉):きりきず、末梢循環障害、冷え性、皮膚乾燥症など。一般的適応症の神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩なども含めて、現地掲示の「適応症及び禁忌症」欄で確認できます。

現地掲示の「温泉分析表 適応症及び禁忌症」
現地掲示の「温泉分析表 適応症及び禁忌症」

自分軸の比較|「軟らかさ」軸の中央値

過去訪ねた湯と並べると、砦乃湯のキャラクターが立ちます。

pH主な特徴体感
美又温泉(島根)9.7アルカリ単純温泉・成分総計薄め強いヌルヌル
温泉津・薬師湯(島根)6.3含食塩硫黄泉・しっかり塩化物重い濃厚塩湯
新清館(大分・九重)6.6炭酸水素塩・硫酸塩泉・硫黄の香り鉄+硫黄の力強さ
砦乃湯(群馬・安中)8.0Na-HCO₃-Cl 複合塩類泉・成分総計1.76g軽いとろみ+長く続く保温感

→ 強い個性で押すタイプの湯ではなく、多層構造の軟らかさで「毎日入りたい」と思わせるバランス。派手さがない代わりに、入ったときの違和感もない、長く付き合える質の湯です。


脱衣所・備品メモ

脱衣所・ロッカー・TOILET 表示・洗面台
脱衣所・ロッカー・TOILET 表示・洗面台

脱衣所はゆとりのある板張りで、ベンチ・扇風機・洗面台が完備。地味に嬉しいのが更衣室の中にトイレが直接ある作り。湯上りに服を着てから外のトイレを探す手間がないのは、立ち寄り湯としてポイントが高い設計です。

備品の細かい情報:

  • ロッカー:100円リターン式(100円玉を投入して施錠、開錠時に100円が戻ってくる=実質無料)。100円玉を1枚用意しておくと安心
  • ドライヤー:脱衣所の備え付けのみ使用可(電気容量の関係で持参不可、貼り紙で明示)
  • シャンプー類:洗い場に備え付けあり

⚠️ 床の滑りに注意。温泉成分(炭酸水素塩・湯の花)が床に堆積して、洗い場や浴室への動線で滑りやすくなっています。掲示でも「温泉の成分により床が滑ります。充分注意して行動して下さい。」と明記。湯上りに焦って動かないこと。


食堂と休憩室|湯上りに広い板の間でうどん・定食

広い板張りの休憩室・食堂・梁の見える吹き抜け
広い板張りの休憩室・食堂・梁の見える吹き抜け

浴室から戻ると、施設の中央には梁の見える吹き抜けの広い板の間休憩室が広がっていて、奥に食堂のカウンター。一枚板を削り出したテーブルや座敷もあって、湯上りにビールを飲みながらゆっくりするにも、家族でランチを取るにも対応できる作り。

食堂メニュー
食堂メニュー

麺類・丼・定食・酒類まで一通り揃っていて、湯上りにがっつり食べたいときも、ビール一杯で軽く流したいときも、この一軒で完結します。より本格的なランチを求めるなら、車で15〜20分の安中・Luonto(ルオント)で薪窯ピザと旬野菜の前菜プレートもおすすめ(同じ温泉ドライブ動線で楽しめる)。


アクセスと温泉ドライブ動線

上信越自動車道 松井田妙義IC から車で約10分。妙義神社・妙義山の南麓にあり、温泉単体で行くより、妙義山の奇岩観光や中山道松井田宿巡り、そして安中市内のランチ(Luonto)とセットで組むと半日コースが完成します。安中市内からは国道18号で松井田方面へ。

⚠️ 進入路の重要注意Googleマップで「上増田温泉 砦乃湯」を検索すると、施設の北側を通る山道ルートが案内されますが、これは要注意。北側の道は狭く、対向車が来たときの離合が難しい区間があります。国道18号 → 県道33号 → 増田川沿い(施設の南側)から入るルートで進入するのが正解。施設が近づいてもナビの案内に従わず、県道33号を増田川沿いに北上 → 施設の南側から到着する経路を選んでください。

💡 カーナビユーザーへ:マップコード 705 121 140 で目的地設定すれば、トヨタ系カーナビなどでは Google マップの罠を避けて到着できます。

帰路に百石温泉 月見の湯方面まで足を伸ばして、20Lポリタンで温泉水を持ち帰る…という温泉ドライブの締めもアリ。砦乃湯のとろみとは別の軸(pH 9.27 のアルカリ性軟水)を自宅で楽しめます。


まとめ|こんな人におすすめ

  • ぬる湯にゆっくり浸かって時間を溶かしたい人
  • 湯使いの誠実さ(加水なし・循環なし・消毒なし)を体感したい人
  • 派手な観光地より山あいの静けさ・小鳥の囀りを求めたい人
  • サウナ稼働の有無にかかわらず水風呂と外気浴で整いたい人
  • 立ち寄り湯後に広い休憩室で食事もしたい人

逆に、強アルカリのヌルヌル感を期待して行くと「思ったほどヌルヌルしない」と感じるかも。pH 8.0 弱アルカリ+複合塩類泉という温泉のキャラクターを受け取った上で訪ねれば、満足度の高い一軒です。

島根のヌルヌル、大分の硫黄を一周した今だからこそ、この「軟らかさの中央値」が腹落ちする。派手さで勝負しない湯の本物さを、群馬・安中の山あいで体験できる立ち寄り湯でした。


よくある質問(FAQ)

群馬・安中の日帰り温泉「砦乃湯」(通称:砦の湯)について、検索で寄せられがちな質問をまとめます。正式表記、ナビの注意点、料金・営業時間、ぬる湯の温度設計、泉質の特徴まで。
※情報は 2026年5月時点。

Q. 安中の「砦の湯」って正式表記は?

A. 公式表記は「砦乃湯(とりでのゆ)」、正式名は「上増田温泉 砦乃湯(かみますだおんせん とりでのゆ)」です。検索で「砦の湯」「砦の湯 安中」と入れても同じ施設にたどり着けます。所在地は群馬県安中市松井田町上増田2164、電話 027-388-1177、公式サイトはtoride-yu.jp。詳細は本文「基本データ」へ。

Q. 砦乃湯までのアクセスは?ナビの注意点は?

A. 上信越自動車道 松井田妙義IC から車で約10分。ただしGoogleマップは施設北側の山道(道幅狭く対向車との離合が困難)を案内する傾向があるため要注意です。国道18号 → 県道33号 → 増田川沿いで施設の南側から入るルートを選んでください。トヨタ系カーナビなどはマップコード 705 121 140で南側ルートが案内されます。詳細は本文「アクセスと温泉ドライブ動線」へ。

Q. 砦乃湯(砦の湯)の入浴料・営業時間・定休日は?

A. 入浴料は大人 3時間 800円/終日 1,000円(個室3時間 3,000円)。営業時間は11:00〜19:00、定休日は毎週水曜日。サウナは土日祝の 13:00〜17:00 のみ稼働、水風呂は通常稼働しています。駐車場は無料・約30台。最新の営業情報は公式サイトtoride-yu.jpで確認できます。

Q. 内湯のぬる湯と露天の温度、源泉かけ流しの実態は?

A. 内湯は約 39℃のぬる湯(実測 39.1℃・加温なし)、露天は約 41℃(加温あり)。加水・循環・消毒すべてなしの完全源泉かけ流しです。

源泉温度は 40.8℃で、配管経由で浴槽に届きます(冬期は配管中で放熱して 38℃台になるため気温に応じて加温、夏期は放熱が小さく 39〜40℃のまま到達する運用)。内湯の浴槽温度は夏期 39.5℃前後・冬期 38.5℃前後で年間運用されています。露天は加温過程での脱気により遊離 CO₂ が小泡として浴槽内で観察できます。

内湯 39℃台のぬる湯は長湯志向の自分には理想的。3分浸かってじわじわ温まり、5分外気でクールダウンする、源泉かけ流しならではのリズムが組める一湯です。詳しくは本文「浴室レポート|源泉そのままの内湯と、加温で発泡する露天」へ。

Q. 砦乃湯のお湯はヌルヌルする?泉質の特徴は?

A. 「ヌルヌルはしないが、明確なとろみはある」質感です。pH 8.0 の弱アルカリ性で、いわゆる「強アルカリのヌルヌル」(pH 9前後のアルカリ性単純泉などで体感されやすい質感・俗称)には届きません。

ヌルヌル感は pH の高さと炭酸水素イオンの量、両方で決まります。砦乃湯は pH 8.0 で前者は弱め、ただし HCO₃⁻ 959 mg/kg と後者は強め——なので「ヌルヌル」より「とろみ」寄りに着地します。成分総計 1.76 g/kg(療養泉基準 1.0 g/kg 超)の複合塩類泉で、お湯の主役は陰イオン側。炭酸水素ナトリウム(旧称:重曹泉)由来のクレンジング感をベースに、メタけい酸 54.6 mg/kg のとろみと塩化物 214 mg/kg の保温膜が後ろから効く多層構造で、湯上りはサラッとしているのに保温感が長く続きます。

島根の美又温泉のような「強アルカリのヌルヌル」とも、大分の硫黄泉とも違う、「弱アルカリ+複合塩類泉」の中庸——というのが、自分が一周回って腹落ちしている砦乃湯の立ち位置です。詳しくは本文「数字で読み解く|HCO₃ 959mg が圧倒的主役、塩化物は脇役」へ。

関連:pH スペクトラムで比べる群馬の温泉

砦乃湯(pH 8.0 弱アルカリ・複合塩類泉)は群馬温泉の「中央値」的な位置。pH の高い側・低い側で、ヌルヌル感や肌触りがどう違うかを並べて比べると面白い:

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