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長野原の釜めし 村上家|草津の玄関口で実食(むらかみや)

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温泉ブログを続けていると、湯そのものより「湯上がりにどこで飯を食うか」で悩むことのほうが多い。とくに草津は、湯船の数こそ無数にあるのに、いざ昼飯となると意外と選択肢が絞られる。湯畑や西の河原のまわりは、そばと温泉まんじゅうと観光地価格。腹を据えて1,000円前後の定食を、となると町を少し下りることになる。

国道292号を草津から下って、長野原の大津交差点まで来ると、「釜めし 村上家(むらかみや)」の黒い看板が目に入る。草津へ上がる前でも、湯から下りてきた後でも、ちょうど寄れる平地の食堂だ。日曜の昼、北軽井沢へ抜けるドライブの途中で入ってみた。

釜めし村上家の外観。黒い看板に「釜めし」「村上家」、営業中の札
釜めし村上家の外観。黒い看板に「釜めし」「村上家」、営業中の札

基本データ

店名釜めし 村上家(むらかみや)
所在地群馬県吾妻郡長野原町大字大津1587(大津交差点そば)
電話0279-82-2272
営業時間11:00〜15:00/17:00〜19:30(店内掲示)
定休日火曜・金曜(店内の掲示メニューで確認)
価格帯釜飯 1,000〜1,500円/定食 800〜1,300円/丼 1,000〜1,300円/そば・うどん 700円〜/ラーメン 750円(税込・2026年7月時点の店内掲示)。ご飯・麺の大盛りは+100円
支払いクレジットカード可(現金も可)
テーブル席の食堂スタイル
最寄りJR吾妻線 羽根尾駅から徒歩約10分/長野原草津口駅から車約5分
駐車場あり(店前の広い前庭)
訪問日曜の昼

アクセス|草津へ上がる国道292号の起点・大津交差点

村上家が建つのは、国道145号と406号がぶつかる大津交差点のすぐそば。ここは草津温泉へ上がっていく国道292号の起点にあたる。車で草津へ向かうなら最後に立ち寄れる平地の食堂であり、湯から下りてくれば最初にありつける一軒でもある。「草津の玄関口」という位置づけがしっくりくる立地だ。

鉄道だと最寄りはJR吾妻線の羽根尾(はねお)駅で徒歩10分ほどだが、羽根尾は無人で本数も少ない。観光で使う人の実質的な拠点は一つ隣の長野原草津口駅(車で約5分)になる。店の前は軽トラが余裕で停まる広い前庭なので、車で寄るのがいちばん素直だ。

ひとつ実務的な注意を。定休が火曜と金曜の週2日あるので、遠方から狙って行くなら念のため電話(0279-82-2272)で確認しておくと安心だ。営業は昼が11:00〜15:00、夜が17:00〜19:30。草津の湯と組み合わせるなら、昼の部に合わせて動くのがいちばんラクだった。

注文を受けてから炊く|村上家の山菜釜飯(天ぷら付)

この日いちばんの目当ては釜めしだった。釜めしというのは、一人用の小さな釜で米から炊き上げるご飯もの。注文を受けてから炊くので、出てくるまでには時間がかかる(メニューにも「※印は、お出しするまで少しお時間をいただきます」と但し書きがある)。その代わり、届くのは炊きたてだ。

頼んだのは山菜釜飯の天ぷら付(1,400円)。木の台に載った釜と、別皿の天ぷら、味噌汁、お新香、そして卵をとくための小鉢のつゆまで付いてくる。

山菜釜飯の天ぷらセット。木の台に載った釜、えびと野菜の天ぷら、味噌汁、お新香、つゆ
山菜釜飯の天ぷらセット。木の台に載った釜、えびと野菜の天ぷら、味噌汁、お新香、つゆ

木の蓋を持ち上げると、白いご飯の上にたけのこ、山菜、しいたけ、半熟の玉子、紅しょうがが彩りよく並んでいた。天ぷらはえびに、なす・さつまいもなどの野菜を合わせた盛り合わせで、揚げたてが別皿で来る。

蓋を開けた山菜釜飯。たけのこ・山菜・半熟玉子・紅しょうがが乗る炊きたての釜飯
蓋を開けた山菜釜飯。たけのこ・山菜・半熟玉子・紅しょうがが乗る炊きたての釜飯

食べはじめは、ご飯がややしっとり水っぽい。ところがこれが正解で、しゃもじで内釜の側面に押し付けながら水分を飛ばして食べ進めると、底や側面に自分でおこげができていく。後半になるほど香ばしさが立ってきて、これが素直においしかった。炊きたてを自分の手で仕上げながら食べる、釜めしならではの時間だ。派手さで売る一皿ではないけれど、この「おこげ作り」も含めて、20分ほど待った甲斐のある一杯だった。草津の玄関口で、この内容がこの値段。それだけでも十分にありがたい。

もう一皿|コロッケに見えて実は「玉ねぎのはさみ揚げ」

釜めしと一緒に頼んだのが、玉ねぎのはさみ揚げ(この日は単品で850円。定食1,000円ならご飯と味噌汁が付く)。写真だとまるっとしていてコロッケに見えるが、正体は輪切りの玉ねぎに肉だねを挟んで揚げた一品。これも「※」つきで、注文を受けてから揚げるぶん、熱々で出てくる。

玉ねぎのはさみ揚げ。丸い衣の中は輪切り玉ねぎと肉だね、千切りキャベツ添え
玉ねぎのはさみ揚げ。丸い衣の中は輪切り玉ねぎと肉だね、千切りキャベツ添え

割ると断面に玉ねぎの層がのぞく。中の肉だねは、酸味のあるミートソースのような味付け。おかげで揚げ物なのに後味が重くならず、さっぱり食べ進められた。千切りキャベツもたっぷり添えられて、単品でも野菜が摂れる。揚げ物ひとつでも、こういう変化球を選べるのがメニューの広いこの店の楽しいところだ。

店が看板に押す「稗(ひえ)釜飯」|メニューに解説ページまである

村上家の釜飯には、鮭・えび・山菜と並んでひえ(稗)釜飯がある。メニューには「※ヒエとは」という解説ページまで1枚組まれていて、店がこの一皿を看板メニューとして押し出しているのが伝わってくる。

メニューの「ヒエとは」解説ページと、釜飯各種の写真
メニューの「ヒエとは」解説ページと、釜飯各種の写真

稗は、あわ・きびと並ぶ日本の代表的な雑穀。イネ科の一年生穀物で、一般に粒は2mmほどと小さく、精白すると灰白色をしているとされる。寒さとやせた土地に強く、稲や麦が不作のときの救荒作物として歴史的に重宝されてきた穀物だ(食物繊維やミネラルを含むといった栄養面の話も紹介されるが、体への効果を断定できる話ではないので、ここでは「そう言われる」程度にとどめておく)。

面白いのは、この稗が長野原の風土とゆるくつながっている点だ。長野原町の北軽井沢は浅間山北麓、標高1,000mを超える冷涼な高原で、火山灰由来のやせた土壌が広がる。戦後の開拓もまず雑穀から始まったと伝えられる土地で、稲作に向かない冷たい火山灰地でこそ理にかなう穀物、という意味で、稗はこのあたりに妙に似合う。

とはいえ今回頼んだのは山菜釜飯。稗釜飯そのものの味は、次回の宿題にしておく。

定食・丼・カレー・そば・うどんまで|昭和の大衆食堂の安心感

村上家のもう一つの顔は、とにかくメニューが広いこと。焼肉・とんかつ・ハンバーグ・各種フライといった定食から、カツ丼などの丼もの、カレー、チャーハン、そば・うどん、ラーメンまで、昭和の大衆食堂の品揃えがそのまま残っている。しかも定食の多くが1,000円前後だ。

村上家のお品書き。定食・釜飯・麺類がびっしり並ぶ
村上家のお品書き。定食・釜飯・麺類がびっしり並ぶ

観光地価格に少し疲れた財布には、この「普通のごはんが普通の値段で食べられる」安心感がありがたい。何人かで来て、釜めし・定食・そばをそれぞれ頼む、みたいな食べ方ができるのも食堂ならではだ。メニューは写真のとおり数が多いので、迷ったら名物の釜めしか、この日食べた山菜釜飯あたりから入るのがおすすめ。

草津・八ッ場ドライブの湯と飯、まとめて

村上家は「草津の玄関口の食堂」。せっかくなら、行き帰りの温泉とセットで動線を組むと一日が充実する。

▼ 長野原町を、ふるさと納税で応援する|感謝券は町内のグルメ・旅館で使える

長野原町のふるさと納税には「ふるさと感謝券」(1万円の寄付で3枚・有効期限1年)があり、北軽井沢・八ッ場ダム周辺のグルメ・旅館・アクティビティの取扱店で使えます。草津・北軽井沢のドライブとセットで、地元を応援できます。

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よくある質問

Q. 村上家(長野原)の名物・おすすめは? A. 店が看板に押しているのはひえ(稗)釜飯で、メニューに稗の解説ページが組まれるほど。ほかに鮭・えび・山菜の釜飯もあります。今回は山菜釜飯(天ぷら付・1,400円)と玉ねぎのはさみ揚げを食べました。釜飯は注文を受けてから炊くので、炊きたてが釜のまま出てきます。

Q. 草津観光のランチに使える? A. 使えます。草津の中心部から国道292号を下ってきた長野原・大津交差点のそばで、草津へ上がる前でも下りてきた後でも寄れる立地。観光地価格に疲れた財布に、1,000円前後の定食・釜めしがありがたい一軒です。

Q. 長野原草津口駅から近い? A. 車で約5分です。JR吾妻線の羽根尾駅からは徒歩約10分。草津へ上がる国道292号の起点・大津交差点のそばで、車で寄るのがいちばん素直な立地です。

Q. 定休日と営業時間は? A. 定休は火曜・金曜(店内掲示で確認)。営業は11:00〜15:00/17:00〜19:30です。遠方から行くなら念のため電話確認を。

Q. 予算はどのくらい? A. 定食・釜飯とも1,000円前後。釜飯の天ぷら付で1,400〜1,500円、そば・うどんは700円台からです(2026年7月時点の店内掲示)。

まとめ

草津から山を下りた大津の交差点で、炊きたての釜めしを自分の手でおこげに仕上げながら食べる。派手な観光メシではないが、山菜釜飯も玉ねぎのはさみ揚げも、値段と内容が素直に釣り合う「普通のいい食堂」だった。湯上がりの腹ごしらえに覚えておいて損はない。次はいよいよ稗釜飯を頼みに、また草津の帰りにでも寄ろうと思う。

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