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草津温泉 無料で入れる共同浴場3選|白旗・地蔵・千代【日帰り】

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草津温泉といえば、大滝乃湯や西の河原露天風呂といった有料の日帰り温泉施設が有名です。でも、草津のすごいところは別にあります。pH約2の強酸性硫黄泉に、1円も払わずに入れることです。

しかも観光客が入れる無料の共同浴場(きょうどうよくじょう=地元の人たちが管理する生活のためのお風呂)は、湯畑から全部歩いて回れる距離にあります。今回は日帰りで、その無料の湯と、湯畑まわりの温泉スポットだけを巡ってきました。

先に結論だけ。観光客が公式に入れる無料共同浴場は「白旗の湯」「地蔵の湯」「千代の湯」の3軒。これに、顔湯・足湯・手洗乃湯といった無料の体験スポットと湯畑の散策を足せば、入浴料ゼロで草津の湯を一日中味わえます。

湯畑の湯滝。樋を流れ落ちる湯に黄色い湯の花が析出(成分が固まって表面に出てくること)している
湯畑の湯滝。樋を流れ落ちる湯に黄色い湯の花が析出(成分が固まって表面に出てくること)している

まず知っておきたい|草津の湯質と入る前のひとこと

草津の湯は、日本でも有数の強酸性です。中心の湯畑源泉でpH(ペーハー=酸性・アルカリ性の度合い。7が中性で、数字が小さいほど酸性が強い)が約2.1、レモン果汁に近いくらいの酸性度。源泉によってはさらに強く、万代鉱(ばんだいこう)源泉だとpH1.5前後にもなります。強い酸性ゆえに殺菌力があり、肌にしみるほどです。泉質は硫黄を含み、正式名は源泉ごとに「酸性・含硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物温泉」などと表示されます。

効能や禁忌、強酸性ならではの注意は、刺激の強さとあわせて記事末尾にまとめました。草津の効能の科学的な整理は温泉の効能ハブ記事も参考にしてください。

共同浴場は地元の人の生活の場をお借りする感覚です。守りたい作法(貴重品を持ち込まない・清掃時間は入れない・浴室内は撮らない)も末尾にまとめたので、先に目を通しておくと安心です。

白旗の湯|湯畑のすぐ脇、草津最大の共同浴場

最初は、湯畑の目の前にある白旗の湯(しらはたのゆ)へ。共同浴場のなかでもいちばん大きく、草津のシンボル的な存在です。

白旗の湯の外観。湯畑脇に建つ和風の湯小屋
白旗の湯の外観。湯畑脇に建つ和風の湯小屋

ここの源泉は白旗源泉。草津に6つある主要源泉のうち、唯一はっきり白濁しやすい湯とされ、硫黄の香りも強めです(なぜ白旗だけ白いのかは、後ほど湯畑のところで化学的に説明します)。源泉の数字を挙げておくと、pH約2.1、源泉温度およそ52℃、湧出量は毎分約659リットル。そして何より、源頼朝が1193年に見つけたという伝説を持つ、草津でも最古級の源泉です。湯畑のそばには、その白旗源泉のやぐら(湯枠)が立っています。

御座之湯のそばに立つ白旗源泉のやぐら(湯枠)
御座之湯のそばに立つ白旗源泉のやぐら(湯枠)

浴室は「ぬるめ」「熱め」の2槽。草津の湯は総じて熱いので、いきなり入らず、かけ湯を十分にしてからぬるめのほうへ。そっと身を沈めると、酸を含んだ湯がぴりっと肌を刺します。肌をすべらせる島根・美又のやわらかさとも、析出物びっしりだった大分・筌の口の濃さとも違う。これは草津だけの鋭さでした。それでいて慣れると芯から温まり、上がったあとも長くぽかぽかが続きました。利用時間は8時から23時まで(清掃時間を除く)。これだけの湯に無料で入れてしまうのが、草津のすごさです。

白旗の湯を別の角度から。奥に大型旅館が建つ湯畑の一角
白旗の湯を別の角度から。奥に大型旅館が建つ湯畑の一角

地蔵の湯と裏草津地蔵|顔湯・足湯は24時間無料

湯畑から歩いて3分ほど、少し落ち着いた一角にあるのが地蔵の湯(じぞうのゆ)です。2006年に建て替えられた、きれいな共同浴場。

地蔵の湯の外観
地蔵の湯の外観

源泉は地蔵源泉で、こちらもpH約2前後の酸性硫黄泉。やや白っぽく見え、硫黄(たまご)のにおいが感じられました。湯温は42度ほどと、草津の共同浴場のなかでは比較的入りやすい熱さで、白旗で身構えたあとだと、ほっと力が抜けました。利用時間は8時から22時まで。湯のすぐ前には小さな「目洗い地蔵」が二体。江戸時代に、夢のお告げでこの湯で目を洗ったら眼病が治った、という言い伝えが名前の由来です(あくまで言い伝えなので、医学的な効果という話ではありません)。

そして地蔵の湯まわりは、2021年に「裏草津 地蔵」として整備され、無料の温泉体験スポットが集まっています。どれも24時間無料で楽しめて、湯に入らなくても草津を満喫できます。

顔湯(かおゆ)

木の箱に顔を近づけて、立ちのぼる温泉の蒸気を顔に当てる設備です。草津でもここでしか味わえないタイプで、冷えた顔がじんわり温まります。

木枠の「顔湯」。蒸気を顔に当てる珍しい無料スポット
木枠の「顔湯」。蒸気を顔に当てる珍しい無料スポット

足湯

湯めぐりの合間、湯冷め防止と休憩にちょうどいい場所です。

木枠の足湯。湯気が立ちのぼる
木枠の足湯。湯気が立ちのぼる

手洗乃湯(てあらいのゆ)

手を清めるための湯。屋根のかかった石づくりで、温泉が惜しげもなく流れています。

屋根付きの手洗乃湯。温泉が流れている
屋根付きの手洗乃湯。温泉が流れている

千代の湯|3軒で唯一“湯畑源泉”に入れる、時間湯の湯

3軒目は千代の湯(ちよのゆ)。湯畑からすぐの、こぢんまりした共同浴場です。

千代の湯の外観
千代の湯の外観

ここがマニア的に面白いのは、観光客が入れる3軒のなかで唯一、湯畑源泉を引いていること。白旗・地蔵がそれぞれ自分の源泉なのに対し、千代の湯だけは草津の顔である湯畑の湯に入浴料ゼロで浸かれます。湯はほぼ透明で、光の加減でうっすら白っぽく見えることはありますが、はっきり白いのは湯口まわりに付いた湯の花(温泉成分が結晶になって沈んだもの)だけ。白旗の刺すような熱さに比べるとぬるめで当たりもやわらかく、3軒のなかでは私がいちばん長く浸かっていられた湯でした。

千代の湯の浴槽。湯はほぼ透明で、白いのは湯口付近の湯の花(他のお客さんがいないのを確認し、人が写らない範囲で撮影)
千代の湯の浴槽。湯はほぼ透明で、白いのは湯口付近の湯の花(他のお客さんがいないのを確認し、人が写らない範囲で撮影)
湯口。まわりに湯の花が付いて白い
湯口。まわりに湯の花が付いて白い

もう一つ、千代の湯には草津伝統の入浴法「時間湯(じかんゆ)」のための浴室があります。湯長(ゆちょう)の指導のもと、湯もみでぬるめてからかけ湯をし、短時間きっちり入る昔ながらの療法です。温度の違う浴槽を順に巡る「合わせ湯」とは別物で、時間湯は千代の湯、合わせ湯は大滝乃湯、と覚えておくと混乱しません(時間湯の体験プログラムは曜日限定・別料金なので、無料の共同浴場としての入浴とは別枠です)。

利用時間は公式で6時から23時まで(情報源によっては5時開始とも。清掃時間は入れません)。

千代の湯の館内掲示
千代の湯の館内掲示

湯畑さんぽ|無料めぐりの拠点

無料めぐりの拠点であり、それ自体が最高の見どころが湯畑(ゆばたけ)です。

7本の湯樋を流れる源泉と、沈殿した黄色い湯の花
7本の湯樋を流れる源泉と、沈殿した黄色い湯の花

草津では、地中から湧く高温の源泉を、加水せずに木の樋(とい)を通して自然に冷ましています。湯畑にはその樋が7本。樋の底に沈んでいく硫黄成分が、あの黄色い「湯の花」で、採取の歴史は寛政2年(1790年)頃まで遡り、今も年に数回採られています。樋を流れた湯はやがて湯滝となって流れ落ちます。源泉が冷まされていく工程を、目で見られる場所です。

湯樋のアップ。木肌に温泉成分がびっしり付着している
湯樋のアップ。木肌に温泉成分がびっしり付着している

【ミニ解説】なぜ白旗は白く、湯畑は透明なのか 白く濁って見えるのは、湯に溶けた硫化水素(卵のにおいの成分)が空気で酸化されてできる「硫黄コロイド」(ごく細かい硫黄の粒)が光を散らすため。白さの正体は、アルミニウムではなく硫黄です(泉質名にある「アルミニウム」は、酸性の強い草津では溶けたままで無色。白い濁りとは別物です)。硫黄分の濃い白旗源泉はこの粒ができやすく白く濁り、湯畑源泉は穏やかで透明。しかも湯畑では、その硫黄が樋の底に沈んで「湯の花」として採られるので、湯自体は澄んだまま。浮いたままか、沈んで採れるかの違いです。

草津温泉“全体”の自然湧出量は日本一を掲げ、その量は毎分32,300リットル超(湯畑源泉だけでも毎分約4,000リットル)。湯畑のまわりを歩くだけで、湯けむりと硫黄の香りに包まれます。夜は日没から24時まで湯畑がライトアップされ、昼とはまったく違う表情になります。

湯畑のパノラマ。湯けむりの向こうに温泉街
湯畑のパノラマ。湯けむりの向こうに温泉街
湯樋から湯滝へ落ちる湯。岩肌に温泉成分が厚く積もり、湯けむりが立つ
湯樋から湯滝へ落ちる湯。岩肌に温泉成分が厚く積もり、湯けむりが立つ

【番外】煮川乃湯|“入れる湯”ではなく、もらい湯文化のスポット

入れる3軒を巡り終えたところで、正直に書いておきたい湯があります。煮川乃湯(にかわのゆ)です。

煮川乃湯の外観
煮川乃湯の外観

ガイドやブログで人気の共同浴場として名前が挙がりますが、草津温泉観光協会が観光客向けに開放を案内しているのは、あくまで白旗・地蔵・千代の3軒。煮川乃湯はそこに含まれていません。地元(滝下通り沿い)の人たちが管理する生活の湯で、時期によっては入口に開放の貼り紙が出ることもありますが、基本は地元優先。観光客が入れるのは好意による黙認という位置づけです。

なので、ここでは入れる湯として勧めるのではなく、草津に根づく「もらい湯」(湯を分けてもらう、湧かせてもらう感謝の文化)の象徴として紹介するに留めます。入浴ありきで出向くのは避け、気になる場合でも、まず泊まる宿や現地で「そもそも入って良いのか」から確認を。湯小屋には、その文化を伝える解説板も立っています。

煮川乃湯に掲げられた「もらい湯」の解説板
煮川乃湯に掲げられた「もらい湯」の解説板

ちなみに煮川源泉は草津有数の高温で鮮度が高く、この源泉を使うのは煮川乃湯と、町営の大滝乃湯だけ。大滝乃湯のほうは有料できちんと入れるので、煮川源泉を味わいたい人はそちらが確実です。

入浴料ゼロの日帰りモデルルート

すべて徒歩数分圏なので、無理なく一日で回れます(本文は白旗→地蔵→千代の順で紹介しましたが、歩くなら湯畑に近い白旗・千代を先に、少し離れた地蔵を最後にすると無駄がありません)。私が歩いた動線をベースに、効率の良いルートを置いておきます。

  1. 湯畑で全体を見渡してウォーミングアップ
  2. 白旗の湯(湯畑脇)でいちばん大きな共同浴場を体験
  3. 千代の湯で湯畑源泉に浸かる
  4. お昼は湯畑近くのそば(草津のそばは別記事で紹介します)
  5. 地蔵の湯+顔湯・足湯・手洗乃湯でのんびり
  6. 夕方、もう一度湯畑へ。ライトアップまで粘るのもおすすめ
石灯籠ごしの湯畑。散策の途中で
石灯籠ごしの湯畑。散策の途中で

共同浴場のマナーと、草津の湯の注意

共同浴場は地元の生活の湯です。気持ちよく使うために、最低限これだけは。

  • 貴重品は持ち込まない(鍵付きロッカーなし)
  • 清掃時間は入れないので、午前は時間に余裕を
  • 脱衣所・浴室内は撮影しない(人がいたら絶対に撮らない)

そして強酸性ならではの注意も。

  • 指輪やアクセサリーは変色することがある(外しておく)
  • 目に入るとかなりしみるので、顔は濡らさないほうが無難
  • 熱い湯が多いので長湯はしない/こまめに水分補給
  • 上がる前に真水(またはぬるま湯)で流すと肌の刺激がやわらぐ(環境省の入浴指針でも推奨)

泉質の効能についても控えめに。環境省の基準では、酸性泉・硫黄泉の浴用の適応症としてアトピー性皮膚炎・尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)などが挙げられています。ただしこれは療養泉一般の目安で、誰にでも効くと断定できるものではありません。皮膚や粘膜が過敏な人・高齢で肌が乾燥しがちな人は、控えたほうがよい(禁忌)とされます。

なお各湯の湯使い(加水・加温・循環の有無)は公式の表記が見当たらなかったので、本記事では各湯を「その源泉を引く湯」という確認できた事実までにとどめ、安易に「かけ流し」と断定していません(草津という町全体が源泉かけ流しで知られるのは事実です)。

群馬のほかの硫黄泉と「硫黄の濃さ(遊離硫化水素)」やpHを比べるなら、群馬の硫黄泉 日帰り比較(草津・万座〜穏やか含硫黄)にまとめています。

よくある質問(FAQ)

Q. 草津温泉ってタダ(無料)で入れるお風呂はある? あります。観光客が公式に入れる無料の外湯(共同浴場)は「白旗の湯」「地蔵の湯」「千代の湯」の3軒。いずれも草津の源泉を引いた湯で、入浴料はかかりません(清掃時間中は入れません)。

Q. 煮川乃湯にも入れますか? 煮川乃湯は地元の方が管理する湯で、観光協会が観光客向けに開放を案内している3軒には含まれません。入れるかどうかは時期や状況によるので、泊まる宿や現地で必ず確認してください。

Q. タオルや石けんは必要? タオルは持参が基本です。共同浴場では石けん・シャンプーが使えない場合が多いので、体を流す程度と考えておくと安心です。

Q. 顔湯・足湯・手洗乃湯はお金がかかりますか? すべて無料で、24時間利用できます(地蔵の湯前の「裏草津 地蔵」エリア)。

まとめ|無料でここまで“本物”に入れる町は珍しい

草津は、有料の名湯ももちろん素晴らしいのですが、入浴料ゼロでも強酸性硫黄泉を一日中楽しめる、稀有な温泉地です。白旗・地蔵・千代の3軒を湯畑さんぽでつなぎ、顔湯や足湯を挟めば、それだけで十分に満たされます。地元の生活の湯をお借りしている、という気持ちだけは忘れずに。

次回は、有料の草津三湯を一軒ずつ。まずは草津で唯一“合わせ湯”に入れる大滝乃湯から紹介します。湯あがりに寄りたいそば店の記事もあわせてどうぞ。

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有料の外湯もはしごするなら、大滝乃湯御座之湯西の河原露天風呂の3つが定番です。湯あがりには、湯畑すぐの三国家のそばもどうぞ。

草津の日帰り入浴ぜんぶを一覧で比べるなら、草津温泉 日帰り入浴ガイド(無料共同浴場3軒+有料外湯3つ)にまとめています。

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