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元祖 水沢うどん 田丸屋(伊香保)|創業1582年・食べ比べランチレポ

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創業 天正10年(1582年)、本能寺の変があった年から 創業444年、水沢うどんの大本家「元祖 水沢うどん 田丸屋」。讃岐うどん(香川)・稲庭うどん(秋田)と並んで「日本三大うどん」に挙げられることが多い水沢うどん(注:三番目は諸説あり、水沢のほか五島・氷見・きしめん等が候補)、その総元締めです。

5月6日、伊香保温泉 丸本館 の立ち寄り湯予約が13時。それなら水沢うどん街道で先にランチを済ませよう、と狙いをつけたのが田丸屋でした。

基本データ

道路向かいから店舗外観・緑屋根・布袋様像・警備員
道路向かいから店舗外観・緑屋根・布袋様像・警備員
項目
店舗名元祖 水沢うどん 田丸屋(たまるや)/屋号「麺彩房 田丸屋」
ジャンル水沢うどん(日本三大うどんの一角)
所在地群馬県渋川市伊香保町水沢206-1
電話0279-72-3019
アクセス水澤観世音 門前/関越道 渋川伊香保ICから車で約12分
駐車場あり(広い・無料・連休中は警備員誘導)
Googleマップ元祖 水沢うどん 田丸屋を開く ↗
公式サイトhttps://mizusawaudontamaruya.jp/
訪問日2026年5月6日(水)11時手前着

営業時間(公式サイトより)

項目内容
営業9:00〜15:00(売切終了)
定休水曜日
創業天正10年(1582年)

⚠️ 訪問のコツ:売切終了がリアルにある人気店。連休・週末は11時台前半着がベスト。12時を回ると整理番号で30〜50番待ちになる時間帯も。

駐車場到着|11時手前のゆとり時間

GW最終日5月6日、11時手前に到着。駐車場の入口で警備員さんが車を捌いていて、すでに繁盛モード。少し待つかと覚悟したものの、警備員の誘導でスムーズに駐車できました。

道路を挟んで建物が見える位置から眺めると、緑色の屋根が複雑に組み合わさった大型の和風建築で、入口横には大きな布袋様の石像がにこにこと迎えてくれます。観光地の風格があります。

建物の左手に「元祖 水沢うどん 田丸屋」の幟(のぼり)が翻っていて、屋号への自負が伝わってくる。水沢うどん街道には創業数百年級の老舗が複数ありますが、田丸屋は天正10年(1582年)創業を掲げて「元祖」「大本家」を名乗っている一軒です。

入口の真っ赤な「田丸」が顔

入口の引き戸・赤字「田丸」が大きく書かれた暖簾
入口の引き戸・赤字「田丸」が大きく書かれた暖簾

店の顔がこれ。ガラスの引き戸いっぱいに、書道家が筆で書いたような巨大な「田丸」の赤字。SNSやテレビで一発で識別できる強烈なビジュアルです。建物全体が和風・落ち着いた色味の中で、入口だけが攻めた赤で主張している。老舗だからこそ持てる「攻めの引き算デザイン」で、初見のインパクトと屋号への自信、両方が伝わってきました。

店内|巨大な招き猫と整理番号システム

店に入ると、広い和風の空間。天井が高く、吹き抜けに天窓、奥には2階に続く階段も見える。電子整理番号システムが導入されていて、入店時の整理番号は 36番 で待ち時間ゼロ。座敷席は満席で、テーブル席へ案内されます。

巨大な招き猫が中央に立つ・両側に下足箱・天窓
巨大な招き猫が中央に立つ・両側に下足箱・天窓

店内の真ん中には、巨大な招き猫がどーんと立っている。左右には下足箱が整然と並んでいて、それぞれに ★ や蝶や鶴亀などの紋様マークが振ってあり、自分が靴を入れた箱を覚えやすくする仕組み。席への案内は入口の機械で発券する電子整理券(人数・テーブル/座敷・希望なし を選んで発行)で進む。観光地らしいオペレーションが整然と回っています。

帰り際の店内・整理番号システムと観光客
帰り際の店内・整理番号システムと観光客

食事を終えて退店する頃には、整理番号は 88番 まで進んでいました。入店から退店の間に整理番号が50以上進んでいる計算で、12時前後の到着組は整理番号でかなり待つことになりそうな雰囲気。11時前着と12時着で待ち時間がここまで変わる、というピーク帯の動きが分かる時間でした。

メニュー|基本のもりうどんから古伝・御膳までフルラインナップ

メニュー・もりうどん 800円/もり二色つゆ 1100円・大盛り+450円・お子様1150円
メニュー・もりうどん 800円/もり二色つゆ 1100円・大盛り+450円・お子様1150円

メニューは基本のもりうどんが ¥800 から始まり、つゆの種類・天ぷら付き・御膳と、価格帯で段階的に選べる親切設計。

うどん単品

品名価格(税込)備考
もりうどん¥800単色つゆ・最もシンプルな1杯
もりうどん 二色つゆ¥1,100胡麻だれ+醤油つゆで食べ比べ
古伝 喜利麦(きりむぎ)¥1,320自社石臼自家製粉の全粒粉麺・オリーブオイル+塩で食べる独自スタイル(税抜¥1,200)
かけうどん(温)¥1,200温かいつゆに浸して食べる定番
ばら干しのりうどん¥1,500ばら干しのりをたっぷり乗せた1杯
おろしうどん(冷/温)¥1,500大根おろしのさっぱり系(冷温選択可)
黒舞茸のあんかけうどん¥1,650黒舞茸入りの温あんかけ
煮旨麺源¥1,800店オリジナルの煮込み系(詳細は店頭メニュー参照)
お子様うどん¥1,150子ども向けサイズ
大盛り+¥450全品共通の追加料金
メニュー・古伝喜利麦/精進御膳/四角四麺膳
メニュー・古伝喜利麦/精進御膳/四角四麺膳

御膳・天ぷら付きセット

品名価格(税込)備考
精進御膳¥2,200うどん+天ぷら盛り+小鉢の定番セット
四角四麺膳¥2,200麺の食べ比べ4種+天ぷら

季節限定

五月限定 和豚もちぶたの冷しゃぶサラダうどん 2,500円
五月限定 和豚もちぶたの冷しゃぶサラダうどん 2,500円
  • 【五月限定】和豚もちぶたの冷しゃぶサラダうどん ¥2,500(税込¥2,750)/大盛り+¥220

実食|もりうどん(二色つゆ+天ぷら)vs 古伝 喜利麦

食べ比べ前提で、看板の白いうどんと古伝の茶色麺の両方を注文しました。

① もりうどん 二色つゆ+天ぷら盛り

三角形に盛られた水沢うどん・二色つゆ・天ぷら盛り合わせ
三角形に盛られた水沢うどん・二色つゆ・天ぷら盛り合わせ

これが元祖の水沢うどん。真っ白で透明感のある中太麺が、三角形にきれいに整えられたざるに盛られて登場。

  • つけだれは2種類:白い胡麻だれと、すっきり系の醤油つゆ
  • 天ぷら盛り合わせは別皿で:舞茸の天ぷら、野菜のかき揚げ、山菜らしき揚げもの
  • 田丸屋ロゴ入りの敷紙に乗って配膳

コシは讃岐のような噛み返してくる硬さではなく、稲庭のような細い繊細さでもない、水沢うどん独自の透明感とつるりとした喉ごし。そして田丸屋固有の特徴として、噛むと国産小麦の甘さとほのかな渋味が口の中に広がる。これは後述の「田丸屋の哲学」セクションで詳述します。

番外|中国・九州の温泉地で食べた麺と並べてみる

水沢うどん街道に来る前に、温泉巡礼で食べてきた他県の麺を物差しに置いてみると、田丸屋の白い麺の輪郭がよりくっきりします。

  • 島根・温泉津エリアの郷土麺は割子蕎麦の文化が強く、麺は素朴で実直な噛み心地
  • 大分・九重周辺は だんご汁やせうま といった、小麦をひらたく延ばして煮込む粉食文化が根付いていて、麺というより「具のひとつとしての小麦」
  • 田丸屋の水沢うどんは、その対極にある 「麺そのものの透明感とのど越し」をひとつの完成形にした麺料理

九州・中国の素朴な麺で「小麦を煮込む文化」を見てきた身として、田丸屋の 白く澄んだ三角盛り は明確に「観賞性まで設計された麺」だと感じました。透明感がブランドになる、その典型例。

胡麻だれ × 麺の甘みは王道、醤油つゆ × 麺のつるり感はキレ。1杯の麺で2つの方向性を試せる二色つゆは、初訪問者にこそおすすめの組み合わせ。

② 古伝 喜利麦(きりむぎ)

古伝喜利麦・茶色のひもかわ風幅広麺+オリーブオイル
古伝喜利麦・茶色のひもかわ風幅広麺+オリーブオイル

もう一品の主役が 古伝 喜利麦。茶色のひもかわ風の幅広麺が、漆塗りの蕎麦器に盛られて登場。普通の白い水沢うどんと並べると、まったく別の食べ物にしか見えない。

メニューの解説によると、この麺は「自社で石臼自家製粉した熟成喜利麦小麦を100%使用」した、田丸屋オリジナルの全粒粉麺。精製度を下げることで、小麦の素材感と穀物香を残しています。

別添えされていたのが、オリーブオイルと塩。普通のうどんの食べ方とは思えない構成ですが、これが店の推奨で、メニューには「オリーブオイルと塩などで召し上がりください」と明記されています。

実際に試してみると、オリーブオイル × 全粒粉麺 × 塩の組み合わせが、パスタとうどんの中間のような食感と風味を生む。和食器の器に盛られた茶色の幅広麺が、地中海風の食べ方で出てくる。伝統と挑戦が同居する、田丸屋らしい一品でした。

白いもりうどん(精製度の高さ・透明感・のど越し)vs 茶色い喜利麦(全粒の素材感・小麦の香り・オリーブオイル)。同じ店でこれだけ違う2軸を楽しめるのが、田丸屋という店の懐の深さです。

食後の発見|廊下越しに見える日本庭園

廊下の窓越しに見える日本庭園・太鼓橋・鳥居・祠
廊下の窓越しに見える日本庭園・太鼓橋・鳥居・祠

食事中にトイレへ立った際、廊下の窓越しにふと目に飛び込んできたのが、本格的な回遊式日本庭園でした。

  • 石組みの池に苔と新緑
  • 朱色の太鼓橋
  • 小さな鳥居と祠
  • 石灯籠と蹲(つくばい)

奥に進むほど石段で高くなっていく回遊式の庭園が、廊下の窓いっぱいに広がっている。テーブル席からは見えないが、店内を歩いた瞬間に老舗らしい本格的な景色に出会える、というギャップが面白い。

444年の老舗が、こういう景色をさりげなく持っているあたりに格を感じます。

田丸屋の哲学|国産小麦100%、薬味は「あえて」つけない

席に通されてメニューを見ていて気づいたのが、店内に掲示されていた田丸屋の麺とつゆに対する明確な姿勢の表明でした。原文を引用します。

田丸屋の麺は風味の良い国産小麦のみを使用しております。 本来うどんは噛むと、口の中に甘さや渋味、苦味など小麦の風味を感じることができます。

田丸屋のつゆは、北海道産の天然昆布、熟成された本枯節、鮪節等を使用し、雑味の少ないすっきりとした味と、だしの旨みが広がる素朴な小麦の味と、田丸屋のうどんを、どうぞお楽しみ下さい。

当店はあえて薬味はお付けしておりません

これは店としての自己宣言で、温泉でいう「湯使い6項目」のような、店の本気度が一目でわかる文書でした。読み解くと、田丸屋のうどんは4つの設計思想で組み立てられています。

1. 麺:国産小麦100%

水沢うどん店のなかには外国産小麦を使う店もあるなか、田丸屋は国産小麦のみと明言。「風味の良い」という控えめな表現に、自信が見えます。

2. 食べ方の定義:噛んで風味を感じるもの

水沢うどんの一般的なイメージは「喉ごし」ですが、田丸屋はそこに「噛むと小麦の甘さ・渋味・苦味を感じる」という新しい食べ方の定義を重ねている。これは喉ごし派の客に対する啓蒙的なメッセージでもあります。

3. つゆ:麺の風味を消さない設計

  • 北海道産 天然昆布
  • 熟成 本枯節
  • 鮪節
  • 雑味の少ないすっきりとした味

つまり、つゆは主役ではなく、麺の小麦風味を引き立てる脇役として設計されています。

4. 薬味なし:店としての一貫した選択

ねぎ・しょうが・わさび・ごまといった一般的な水沢うどんの薬味を、田丸屋はあえて出さない。①〜③の延長線上にある「薬味で麺の小麦風味を散らさない」という意思表示です。

実際、出されたもりうどんには胡麻だれと醤油つゆの2種だけが添えられ、薬味の小皿は最後まで運ばれてきませんでした。「ごまかさない、足さない、麺で語る」という田丸屋の姿勢が、皿の上にもそのまま現れていました。

水:水沢うどんと伊香保温泉の共通基盤

水沢うどんの定義のひとつが、水澤山系の伏流水で麺を打つこと。実は伊香保温泉の湯も、同じ水澤エリアの地下水脈と無縁ではありません。源泉かけ流しの湯に浸かり、その水系で打たれた麺を食べる——伊香保で田丸屋を選ぶ意味は、「同じ水で身体の内と外を満たす」という、温泉地ならではの一貫性にあります。

田丸屋のうどんは「ごまかさない・足さない・麺で語る」、丸本館の湯は「加水しない・循環させない・消毒しない」(丸本館レポはこちら)。素材の純度を守る引き算の哲学を、水を介して食と湯の両方が共有しているのが、伊香保 × 水沢の魅力です。

創業天正10年(1582年)の重み

田丸屋の屋号には「元祖」「大本家」が冠されています。本能寺の変があった年から続く本家本元で、創業から444年。

田丸屋創業前後の歴史年表

できごと
1576年(天正4年)伊香保 石段街が完成(日本初の温泉都市計画と言われる)
1582年(天正10年)田丸屋創業/本能寺の変/太閤検地始まる
1600年(慶長5年)関ヶ原の戦い
1603年(慶長8年)江戸幕府開府

つまり、石段街ができた6年後に田丸屋ができ、それから江戸時代も明治維新も第二次世界大戦も21世紀のIT革命も全部見続けて、令和の今もまだ門前町でうどんを打っている。創業から444年という時間軸は、想像できる範囲を超えています。「歴史を食べに来る」場所として、田丸屋を訪ねる価値があります。

まとめ|水沢うどんの「総本山」を一度は押さえる

向いている人:

  • 三大うどんの一角「水沢うどん」を本場で食べておきたい人
  • 「元祖」「創業1582年」の歴史を一杯から感じたい人
  • 白い水沢うどん × 茶色い喜利麦の食べ比べで、伝統と挑戦の両方を楽しみたい人
  • 伊香保温泉(石段街・丸本館)+ 水澤観音 + 田丸屋を1日コースに組みたい人

注意点:

  • ⚠️ 連休・週末は整理番号制で30〜50番待ちあり。11時前着推奨
  • ⚠️ 売切終了の伝統あり、夕方以降は閉店している前提で

444年続く老舗の「素材の純度を守る引き算の哲学」を、一杯のうどんから読み解ける店です。この日のメイン → 伊香保温泉 丸本館 立ち寄り湯レポ

なお、群馬には地域別に個性の異なるうどん文化が他にも存在します(沼田・利根のひもかわ(奥利根うどん本舗)、桐生のひもかわ、館林うどん、高崎のおっきりこみ等)。順次紹介していく予定です。

訪問データ

  • 訪問日:2026年5月6日(水)11時手前着・整理番号36番・待ち時間ゼロ
  • 店舗:元祖 水沢うどん 田丸屋(群馬県渋川市伊香保町水沢206-1)
  • 席:テーブル席(座敷は満席)
  • 注文:もりうどん 二色つゆ ¥1,100+天ぷら盛り / 古伝 喜利麦 ¥1,320(税込)
  • 動線:自宅 → 渋川伊香保IC → 田丸屋(ランチ)→ 伊香保温泉 丸本館(13:00予約)→ SPLASH’N’GO! 新前橋店で洗車

ジョーモ
群馬の源泉かけ流し日記

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