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入浴剤・バスソルトは成分で選ぶ|温泉ブロガーの4種比較

記事内に広告が含まれています。

※本記事は広告(アフィリエイト)を含みます(楽天=バリューコマース経由・Amazonアソシエイト)。商品の評価は個人の使用体験に基づくもので、効能効果を保証するものではありません。

  1. はじめに|ホテルの洗面台に、ガラス瓶が3つ並んでいた
  2. まず整理|入浴剤は3層に分かれていて、書ける効能が全部違う
    1. 医薬部外品(薬用入浴剤)
    2. 化粧品(浴用化粧料)
    3. 雑貨
    4. 棚で見分ける方法|成分欄が2段に割れているか
    5. 「温泉が再現できる」とは書けないことになっている
  3. 入浴剤の成分表は、温泉の泉質名と同じ言葉で書かれている
  4. 濃度を計算したら、家風呂の入浴剤は温泉より1桁薄かった
    1. 「溶存物質」って、どういう数字なのか
    2. それでもなぜ、濃度を並べるのか
    3. ついでに|「肌から染み込む」も、そう単純ではありません
    4. ひとつだけ、療養泉の濃度に届くものがある
    5. ただし「エプソムソルトなら濃い」わけではありません
    6. 「バスソルトで温泉の保温効果」は濃度的に届いていない
  5. そして我が家には、入浴剤を拒む先客がいた
  6. もうひとつの実用フィルタ|入浴剤で追い焚きできるか
  7. 10年前、同じ日に2種類買っていた
  8. 成分・価格の比較表
    1. 1回あたりいくらか
  9. 4種類を、1日ずつ、同じ条件で試した
    1. 条件をそろえる
    2. Day 0|何も起きない日をつくる
    3. Day 1|クナイプ(ネロリの香り)50g=0.028%
    4. Day 2|エプソムソルト 180g=0.10%
    5. Day 3|きき湯 カリウム芒硝炭酸湯 30g=0.017%
    6. Day 4|薬用BARTH 3錠=0.025%
    7. 素湯+4日間で分かったこと
  10. ホテルのあの香りは、買えなかった
    1. 13種類を嗅ぎ比べてもらった
    2. 自分の1位は、決められなかった
  11. 結局どれを買い直すのか——票が割れた
    1. 10年前の自分との答え合わせ
    2. 水素風呂スパーレをどうするかは、まだ決めていない
  12. 買い方の結論|クナイプは「まずアソート、気に入ったらボトル」
  13. よくある質問(FAQ)
    1. バスソルトと入浴剤は何が違いますか?
    2. 医薬部外品と化粧品、どちらを選べばいいですか?
    3. エプソムソルトはマグネシウムが皮膚から吸収されるのですか?
    4. 追い焚きしても大丈夫ですか?
    5. 水素風呂の生成器と一緒に使えますか?
    6. 温泉の素を入れれば、家の風呂が温泉になりますか?
    7. 入浴剤の成分表で、何を見ればいいですか?
  14. 参考|試した残り2製品

はじめに|ホテルの洗面台に、ガラス瓶が3つ並んでいた

旅行で泊まったホテルの洗面台に、装飾ガラスの小瓶が3つ並んでいました。黄色、紫、赤。添えられたカードにはこう書いてあります。

フランス・ブルターニュ産のバスソルトで
ごゆっくりお寛ぎください。

◆Chamomile: Sweet and relaxing fragrance
◆Lavender: Mild and refreshing fragrance
◆Rose: Noble and rich fragrance

ホテルの洗面台。着いてすぐ浴室全体を撮った1枚の隅に写り込んでいたものを、記事を書くと決めた後で拡大した
ホテルの洗面台。着いてすぐ浴室全体を撮った1枚の隅に写り込んでいたものを、記事を書くと決めた後で拡大した
添えられていた案内カードと小瓶。黄=カモミール、紫=ラベンダー、赤=ローズ
添えられていた案内カードと小瓶。黄=カモミール、紫=ラベンダー、赤=ローズ

夜に入るとき、赤い印のローズを選びました。翌朝もう一度入って、今度は黄色い印のカモミール。

劇的な何かがあったわけではありません。どちらが良かったという差も、特に感じなかった。「いい香りだな」と思った、それだけです。

2枚目のカードの写真は、2回使ったあとで「これは記事になるかもしれない」と思って撮ったものです。つまりこの記事の起点は、湯に入る前ではなく、入った後にありました。

ただ、月8回ほどのペースで群馬の源泉かけ流しをまわっている人間が、大阪のホテルの、ただの沸かし湯で「いい香りだな」と思ってしまった。そして帰ってから、家でも使おうかと考えている。その程度のことが、なぜ引っかかったのか。

家に帰ってから、この体験の正体を知りたくなりました。あの瓶の中身は何で、家で同じことができるのか。

カードにブランド名はありません。装飾瓶に小分けされたホテル仕様で、そのまま買うことはできない。

では香りだけでも揃えようと思って、市販品を探しました。ローズもカモミールも、クナイプに同じ系統があります。ところが調べてみると、ローズ(グーテバランス ワイルドローズ)の小袋は完売、カモミール(カミーレ)は現行ラインナップから外れて流通在庫だけ。あの晩と同じ香りは、少なくとも気軽には手に入りませんでした。

銘柄も分からない。香りも揃わない。だったら成分から逆算するしかない。温泉の分析書を読むのと同じ作法で、市販のバスソルトの成分表を読み込んで、家で買える一本を決める。それがこの記事です。

書き手は東京下町出身・群馬県在住の温泉ブロガーです。自宅の風呂については以前、脱塩素・シャワー浄水・温泉水ブレンドの3段階という記事を書きました。あのとき扱わなかったのが、入浴剤です。理由は後半に出てきます。

先に結論の骨組みだけ言っておくと、こうなりました。

  • 入浴剤は3つの法区分に分かれていて、書ける効能がまるで違う。しかもパッケージの表からは見分けがつかない
  • 入浴剤の成分表は、実は温泉の泉質名と同じ言葉で書かれている
  • 濃度を計算したら、家風呂の入浴剤は温泉より1桁薄かった
  • そして我が家には、入浴剤を拒む先客がいた
  • 素湯を含む5日間、1日ずつ入ってみたら、いちばん大きな差は製品どうしの違いではなかった

まず整理|入浴剤は3層に分かれていて、書ける効能が全部違う

ドラッグストアの入浴剤コーナーは、同じ棚に3種類の別物が並んでいます。医薬部外品・化粧品・雑貨です。見た目はどれも同じ袋や瓶ですが、法律上の扱いが違い、メーカーが書ける効能の範囲が全然違います。

医薬部外品(薬用入浴剤)

薬機法(医薬品医療機器等法)上、効能効果を表示することが認められている層です。日本浴用剤工業会が示している浴用剤の効能効果の範囲は、次のとおり。

あせも・荒れ性・うちみ・肩のこり・くじき・神経痛・しっしん・しもやけ・痔・冷え症・腰痛・リウマチ・疲労回復・ひび・あかぎれ・産前産後の冷え症・にきび

きき湯、日本の名湯、BARTH、ホットタブなどがこの層です。パッケージに「肩のこり」「腰痛」と書けるのは、この区分だからです。

化粧品(浴用化粧料)

化粧品として認められた効能の範囲でしか書けません。「皮膚を清浄にする」「皮膚をすこやかに保つ」「皮膚にうるおいを与える」といった、行政通知で示されている56項目の枠内です。

「肩のこりに効く」とは書けない。だから化粧品区分の入浴剤のパッケージは、香りやリラックスの話が中心になります。

雑貨

医薬部外品でも化粧品でもないもの。効能効果は一切うたえません。 香りや色を楽しむためのものとして売られています。

棚で見分ける方法|成分欄が2段に割れているか

ここが実用的なところです。パッケージ裏の成分欄が「有効成分:〜」「その他の成分:〜」と2段に割れていたら医薬部外品。全成分が一列にダラッと並んでいたら化粧品です。

医薬部外品は「どの成分が効いていることになっているか」を明示する義務があるので、有効成分だけを分けて書く。化粧品は配合量の多い順に全部を一列で書く。この違いは、商品名からもパッケージの雰囲気からも分かりません。裏を見るしかない。

実物で並べると、こうなります。

きき湯 カリウム芒硝炭酸湯(医薬部外品・薬用入浴剤)

〈有効成分〉塩化K、炭酸水素Na、炭酸Na、乾燥硫酸ナトリウム
〈その他の成分〉フマル酸、DL-リンゴ酸、L-グルタミン酸、コメヌカ油、酸化Mg、POE(カプリル/カプリン酸)グリセリル、PVP、PEG(120)、軽質イソパラフィン、エチレンジアミンテトラPOE・POP、無水ケイ酸、BHT、香料、黄4、リボフラビン

シークリスタルス エプソムソルト(浴用化粧料)

成分:硫酸Mg

きき湯は2段に割れていて、効能欄には「肩のこり、疲労回復、腰痛、神経痛、リウマチ、うちみ、くじき、痔、冷え症…」と症状名がずらりと並びます。エプソムソルトは一列で一語、効能の記載はありません。同じ棚に並んでいて、書ける言葉がここまで違う。

きき湯 カリウム芒硝炭酸湯の裏面。有効成分とその他の成分が2段に分かれ、効能に症状名が並ぶ
きき湯 カリウム芒硝炭酸湯の裏面。有効成分とその他の成分が2段に分かれ、効能に症状名が並ぶ
シークリスタルス エプソムソルトの裏面。区分は浴用化粧料、成分は「硫酸Mg」の一列のみ
シークリスタルス エプソムソルトの裏面。区分は浴用化粧料、成分は「硫酸Mg」の一列のみ

「温泉が再現できる」とは書けないことになっている

もうひとつ、書き手として押さえておきたいルールがあります。日本浴用剤工業会の広告自主基準には、こうあります。

  • 効能効果が有効成分の直接作用であるとする表現は行わないこと
  • 温泉の湯が再現できるかの表現は行わないこと

効能はあくまで「温浴効果及び清浄効果による諸症状の緩解」である旨を明示することが必須、とされています。つまり業界のルール上、「この入浴剤で家が○○温泉になる」とは書けないことになっている。

というわけで、この記事でも「家が温泉になる」とは書きません。そのうえで、じゃあ実際どこまで近づけるのかを数字で見ていきます。


入浴剤の成分表は、温泉の泉質名と同じ言葉で書かれている

温泉の分析書を読み慣れてから入浴剤の裏を見ると、妙な既視感があります。書いてある成分名が、温泉の泉質分類とほぼ同じなのです。

翻訳表を作るとこうなります。

入浴剤の成分表記温泉での呼び名対応する泉質群馬でいうと
乾燥硫酸ナトリウム芒硝(ぼうしょう)硫酸塩泉沢渡・四万・湯宿
硫酸Mg正苦味(しょうくみ)硫酸塩泉万座 湯の花旅館
沈降炭酸Ca石灰分(旧称)重炭酸土類泉伊香保 黄金の湯
炭酸水素Na重曹(じゅうそう)炭酸水素塩泉砦乃湯
塩化Na食塩塩化物泉ゆ〜ゆ・湯都里

※沈降炭酸Caに対応する旧泉質名は重炭酸土類泉(Ca・Mg-炭酸水素塩型)で、湯の花や析出物の主成分です。伊香保 黄金の湯の正式な泉質名はカルシウム・ナトリウム-硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物温泉=カルシウムと炭酸水素イオンを併せ持つ湯、という位置づけになります。

芒硝は硫酸ナトリウムの別名、正苦味は硫酸マグネシウムの別名、重曹は炭酸水素ナトリウムの別名です。温泉の世界では旧泉質名として今も使われていて、たとえば群馬の沢渡・四万・湯宿といった硫酸塩泉は、この芒硝や石膏を主成分とする湯です。

この対応が分かると、商品名の読み方が変わります。

たとえばバスクリンの「きき湯 カリウム芒硝炭酸湯」。有効成分は塩化K、炭酸水素Na、炭酸Na、乾燥硫酸ナトリウム。芒硝泉と重曹泉を足して、そこに炭酸ガスを乗せた設計、と読めます。商品名がそのまま泉質名になっている。

「きき湯 マグネシウム炭酸湯」なら有効成分は硫酸Mg、炭酸水素Na、炭酸Na、乾燥硫酸ナトリウム。正苦味+重曹+芒硝です。

この表を作っていて意外だったのが、エプソムソルトの行です。硫酸マグネシウム=正苦味は、群馬ではかなりの少数派で、当ブログで取材した範囲では万座温泉 湯の花旅館の「ラヂウム北光泉」がほぼ唯一でした(酸性・含硫黄を伴う、マグネシウム・ナトリウム-硫酸塩温泉。Mg²⁺106・SO₄²⁻792mg/kg)。取材した範囲では1湯しか出会っていない泉質が、市販の入浴剤としては一番安く買えるというねじれがあります。

ただし、商品名に入っている成分が有効成分とは限りません。きき湯の「クレイ重曹炭酸湯」を裏返すと、有効成分は炭酸水素Naと炭酸Naだけで、看板になっているクレイ(ベントナイト)は「その他の成分」の側に書かれています。商品名は成分の目印にはなるけれど、効能を担保している成分とは別ということです。ここも裏を見ないと分かりません。

つまり入浴剤売り場は、泉質のカタログとして読める。自分が好きな温泉の泉質を知っていれば、それに寄せた入浴剤を選べるということでもあります。群馬の湯だと、比較表にまとめたとおり硫酸塩泉が目立ちます。沢渡・四万・湯宿あたりがそれで、対応するのは芒硝系。塩化物泉の湯なら食塩系、という読み替えになります。

ただし、ここからが本題です。成分の種類が同じでも、量が同じとは限らない。


濃度を計算したら、家風呂の入浴剤は温泉より1桁薄かった

温泉の分析書には「溶存物質」という項目があります。湯1kgに溶けている物質の総量で、これが1g/kg以上あれば療養泉(環境省の鉱泉分析法指針で、療養に適するとされる温泉)に該当します。1g/kg=0.1%です。※泉温25℃以上でも療養泉になるので、1g/kgは療養泉かどうかの唯一の線ではありません。詳しくは後述します。

一方、入浴剤には「お湯200Lに約30g」といった使用量が書いてある。割り算すればいい。

自分がこれまで取材した湯の実測値と、各製品の公式使用量を並べてみました。

総溶存量/投入量濃度
神戸六甲温泉「濱泉」(高張性)溶存物質 14.89 g/kg1.49%
まえばし駅前天然温泉ゆ〜ゆ「くりまの湯」溶存物質 4.24 g/kg0.42%
湯都里「京ヶ島天然温泉」溶存物質 3.36 g/kg0.34%
伊香保「黄金の湯」(総合湯)溶存物質 約1.18 g/kg0.12%
── 溶存物質で療養泉になる線(1g/kg) ──1.0 g/kg0.10%
※エプソムソルトはこの線をまたぐ(下限0.10%=線上、上限0.20%=線の上)
シークリスタルス エプソムソルト(150〜300g/150L)150〜300g0.10〜0.20%
薬用BARTH(3錠=45g/160L)45g0.028%
クナイプ バスソルト(40〜50g/200L)40〜50g0.020〜0.025%
きき湯(30g/200L)30g0.015%
日本の名湯(1包 約30g/200L)30g0.015%

温泉側の数値は、館内掲示の温泉分析書を実際に読んで起こしたものです。ゆ〜ゆ湯都里伊香保も、それぞれ個別記事で分析書の写真つきで扱っています。

市販の入浴剤は、エプソムソルトを除けば、群馬で取材した湯と比べて4分の1から30分の1の濃度帯にいます。

表の一番上に置いた神戸六甲温泉は、この表の上限として入れました。溶存物質14.89g/kgの、かなり濃い塩化物泉です。これも実はホテルの風呂で、掲示には「源泉かけ流し」「自家源泉100%」、地下1600mから汲み上げているとありました。

1.49%と0.015%。同じ「湯に何かを溶かす」でも、100倍の開きがあります。

これは入浴剤を貶しているのではありません。そもそも狙っているものが違うという話です。温泉は地下で長い時間をかけて作られた濃度で、入浴剤は毎日30gを気軽に入れられる濃度。前者を後者で再現しようとすること自体に無理がある。

「溶存物質」って、どういう数字なのか

ざっくり言うと、湯1kgの中に何グラムの物が溶けているかという数字です。温泉の分析書には必ず載っています。

この数字には2本の線が引かれています。

  • 1g/kg 以上あると、泉質名の頭に「塩化物」などの主成分名が付く。届かなくても泉温25℃以上なら療養泉で、この場合は「単純温泉」(特殊成分が多ければ「単純硫黄温泉」など)になる。効き目ではなく呼び名が変わる線
  • 8.8g/kg あたりが人間の体液の濃さ。ここを挟んで8g/kg未満が「低張性」、8〜10g/kgが「等張性」、10g/kg以上が「高張性」と呼ばれます。高張性はかなりの少数派で、当ブログで実測した範囲でも数えるほどです(神戸六甲温泉の14.89g/kgがこれ)

大事なのは、これが「分類の線」であって「効き目の順位」ではないということ。14g/kgの湯が1g/kgの湯より14倍良い、という意味ではありません。

それでもなぜ、濃度を並べるのか

「温泉と同じ成分が入っています」という説明が、量の面ではどれくらいの話なのかを見たいからです。

成分表に芒硝や重曹が並んでいても、入っている量が温泉の30分の1なら、「同じもの」とは言いにくい。そこを確かめたかった。

なので次の話も、「エプソムソルトが一番効く」ではなく「エプソムソルトだけが温泉と同じ桁の量を入れる設計になっている」として読んでください。

ついでに|「肌から染み込む」も、そう単純ではありません

温泉や入浴剤の話で必ず出てくる「成分が肌から染み込んで効く」という説明。これも調べてみると、そのままでは受け取れませんでした。

  • 皮膚の一番外側の角質層は油に近いバリアで、分子量500を超える物質はほぼ通しません
  • ただし温泉や入浴剤の成分は全部500以下。サイズの条件はクリアしています
  • それでも通りにくいのは大きさではなく電荷のほう。イオンは油っぽい角質層を抜けにくいとされます
  • よく言われる「指がふやけるのは浸透圧」は、実験ではっきり否定されています(神経がつながっていない指は、水に浸けてもシワになりません)
  • ただし二酸化炭素だけは本当に通ります。炭酸泉に入ると肌が赤くなるのはこれです

この話は温泉の効能そのものの問題なので、論文の中身まで含めて効能の読み方を整理した記事にまとめました。泉質別適応症の全リストもそちらにあります。

ここでは結論だけ持ってきます。「成分が肌から染み込む」は、成分ごとに分けて判断するもの。ひとまとめに信じるのも、ひとまとめに否定するのも雑だ、ということです。

ひとつだけ、療養泉の濃度に届くものがある

表を見ると、エプソムソルトだけが温泉と同じ桁にいます。0.1〜0.2%。療養泉になる濃度の線(溶存物質1g/kg=0.1%)をまたぐ量です。

これは偶然ではありません。エプソムソルトの推奨使用量は、米国エプソムソルト協議会が示している「0.1%以上の濃度でないと」という基準をそのまま採っているからです。他の入浴剤が「1回分」の使い勝手で量を決めているのに対し、こちらは濃度から逆算している。

実際、パッケージの推奨は「150Lの浴槽なら150〜300g」。下限の150gが、150Lでちょうど0.10%になります。 各サイズの「約○回分」という表示を割り戻しても同じで、150gで割り切れる袋(3kg=約20回・8.4kg=約56回)はどちらも1回ぴったり150g。割り切れない袋は回数を丸めるぶんズレて、2.2kgは「約14回分」=157gとやや多めに出ます。線ぴったりに設計されているわけです。

ただし、エプソムソルトの成分は硫酸マグネシウムで、塩ではありません。名前に salt と付いていますが塩化ナトリウムは入っていない。温泉でいえば正苦味泉に相当する成分が、療養泉の濃度で入っている、ということです。

ただし「エプソムソルトなら濃い」わけではありません

ここは正確に書いておきます。エプソムソルトは複数のメーカーが出していて、同じ硫酸マグネシウムなのに推奨量が違います。

ブランド1回の推奨量150L換算
シークリスタルス150〜300g0.10〜0.20%
アースコンシャス100g(800g÷8回分)0.067%

つまり濃度は「製品」ではなく「入れる量」で決まる。 同じ粉でも、どのメーカーの推奨に従うかで療養泉の濃度帯に届いたり届かなかったりします。

さらに言うと、法区分もブランドで割れています。浴用化粧料として届け出ているもの、浴用化粧品と明記しているもの、用途に「インテリア雑貨・アロマベース」と書いてあるものまである。前章で見た3層の話は、エプソムソルトというカテゴリの中でもそのまま当てはまるわけです。

なので正確には、「エプソムソルトは濃い」ではなく「シークリスタルスの推奨量で使えば、療養泉の濃度帯に届く」。以降はこの前提で書きます。

この比較には限界もあります。温泉側は「溶存物質の総量」、入浴剤側は「粉の投入量」で、厳密には同じ指標ではありません。しかも医薬部外品では、投入した30gのうち有効成分は一部で、香料も色素も基剤も含めた総量が30gです。実際の有効成分濃度は、この表よりさらに低いことになります。

それでも、桁の差は動きません。 0.015%と0.42%のあいだには、どんな数え方をしても20倍以上の開きがあります。

「バスソルトで温泉の保温効果」は濃度的に届いていない

もうひとつ、数字で分かることがあります。

塩化物泉が「熱の湯」と呼ばれて湯冷めしにくいとされる件については、実測研究があります。41℃15分の入浴で、NaCl濃度が0.1〜4%の範囲では濃度が高いほど体温上昇が大きく、風呂から出た後の体温の下がり方も緩やかだった、というものです(鏡森ら2002・日本温泉気候物理医学会誌65:73-82)。

塩化物泉の保温効果を語るとき、たいていこの研究が根拠になっています。

で、クナイプの濃度はパッケージ推奨で0.020〜0.025%です。この研究が検証した範囲の下限の、5分の1から4分の1しかない。

つまり「バスソルトを入れると塩の効果で湯冷めしにくい」という説明は、少なくともこの研究を根拠にする限り、家風呂の濃度では裏づけがありません。 ちなみに研究の一次ソース自身が、「塩の皮膜が体温を逃がさない」という機序については仮説であって未確定だと明記しています。

温泉の効能や泉質の俗称をどこまで信じていいかについては、別途適応症の読み方を整理した記事があります。要するに入浴剤は温泉の代替ではないということです。

じゃあ意味がないのかというと、そうではない。別の道具として見ればいい、というのがこの記事の立場です。何のための道具なのかは、最後に出てきます。


そして我が家には、入浴剤を拒む先客がいた

冒頭で「自宅風呂の記事では入浴剤を扱わなかった」と書きました。理由がこれです。

我が家の浴槽には、充電式水素風呂スパーレがあり、11年使っています。2015年に99,900円で買って、4年目に29,052円かけて修理して、それでも今も現役の機械です。

これは電気分解式の水素発生器で、湯を張った浴槽に本体ごと沈めてスイッチを入れると、水素が発生します。電気分解なので、湯の中に何が溶けているかの影響を受けます。

実際、入浴剤を入れて併用しようとすると、動作が止まってしまう。それで入浴剤のほうをやめた、というのが我が家の経緯でした。

電気分解式の水素発生器のメーカー側の案内でも、こうした注意が示されています。

  • 入浴剤を使用する場合は電極を取り出して使うこと(スパーレなら本体ごと湯から出すことになる)
  • 炭酸系・硫黄系の入浴剤は使用しないこと
  • 電気分解によって水道水中のカルシウムが電極に付着するため、定期的な手入れが必要

つまり水素風呂の生成器と入浴剤は、事実上の二者択一です。両方は取れない。

11年使ってきた機械を止めてまで、入浴剤を入れる価値があるのか。これが今回の検証のもうひとつのテーマになりました。先に言っておくと、答えはまだ出ていません。理由は最後に書きます。


もうひとつの実用フィルタ|入浴剤で追い焚きできるか

濃度や泉質より、日々の運用でずっと効いてくる分かれ目があります。追い焚きです。

これも成分から機械的に決まります。

クナイプ(塩化Na系)の公式FAQには、追い焚きについてこうあります。

塩化ナトリウムを配合しているため、おすすめしません。お使いの機種の説明書をご確認ください

一方、浴槽や風呂釜そのものへの影響については「ありません」と明記されています。ただし同じFAQは「ご使用後は浴そうや風呂釜内部、循環孔のフィルターなどを材質に適した洗剤でよく洗い流してください」と続き、残り湯の洗濯も「お湯の色が衣類についてしまう可能性がありますので」おすすめしないとしています。腐食するという話ではなく、追い焚き配管を通すことを推奨していない、という位置づけです。

エプソムソルト(硫酸Mg系)の公式FAQは逆です。

追い焚き:可能です
風呂釜も配管も錆びることはございません

残り湯の洗濯利用も可(最後のすすぎだけ水道水で)とされています。

家族が時間差で入る家、湯を張り直さずに追い焚きする家では、この一点だけで候補が絞れます。成分表を見て塩化Naが主成分なら追い焚きは避ける。硫酸Mg系はパッケージが「追い焚き可」と明記していて条件は付きません。重炭酸系は「イオウは入っておりませんが、お使いの浴槽・風呂釜の説明書をご確認の上」と条件付き。条件が付くかどうかがここで割れます。効能書きより先に、ここを見たほうが実用的です。


10年前、同じ日に2種類買っていた

ここで自分の購入履歴を確認したら、思っていたより話がつながっていました。

  • 2015年7月 スパーレ購入(99,900円)
  • 2016年8月5日 クナイプ グーテナハト(ホップ&バレリアンの香り・850g)と、シークリスタルス エプソムソルト2.2kgを同じ日に購入
  • 2021年10月〜2022年1月 オンセンス-O 1.95kg缶を4回
  • 2023年8月〜9月 クナイプ バスソルト ミント夏限定(¥2,145)→ 13種類セット(¥1,996)
注文履歴を「エプソムソルト」で検索した結果。2016年8月5日と2026年8月11日の2件。2件目はこの記事のために買い直したもの
注文履歴を「エプソムソルト」で検索した結果。2016年8月5日と2026年8月11日の2件。2件目はこの記事のために買い直したもの
同じく「クナイプ」で検索した結果。こちらも2016年8月5日に注文している
同じく「クナイプ」で検索した結果。こちらも2016年8月5日に注文している
「オンセンス」で検索した結果。2021年10月から2022年1月まで4件
「オンセンス」で検索した結果。2021年10月から2022年1月まで4件

つまりスパーレを買った1年後に、塩化Na系と硫酸Mg系を1本ずつ、同時に試している。 今回この記事で「本命はどちらか」を検証しようとしている2択を、10年前の自分がすでに両方買っていたわけです。

履歴を見返していちばん驚いたのはここでした。

2021年10月から2022年1月にかけて、オンセンス-Oという薬用入浴剤を4回買っています。 3か月で1.95kgの缶を4つ。昭和8年の処方を復刻した医薬部外品です。

ここは断っておきます。缶はとうに使い切っていて手元にないので、以下はメーカー公式サイトの記載によります。 この記事でさんざん「裏を見るしかない」と書いておきながら、この一品だけは裏を見られていない。有効成分とその他の成分の内訳までは確認できていません。

その前提で書くと、成分は塩化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硫酸ナトリウム、それに松の精油。食塩系・重曹系・芒硝系・精油が、ひとつの缶に同居していることになります。

つまり、今回の4種類を並べて「本命はどれか」とやっている自分が、この10年でいちばん繰り返し買っていたのは、比較対象にすら入れていない一品でした。4回続けて買うというのは、この記事に出てくるどの製品にも起きていません。

缶で買う業務用寄りの入浴剤なので、バスソルトの棚を見ているときに思い出さなかった。ただ、リピート回数という一点だけで言えば、比較するまでもなく差がついていたことになります。

そして結果として残ったのはクナイプでした。2023年にまた買っている。エプソムソルトは、今回この記事のために買い直すまでの10年間、一度も注文していません。

エプソムソルトに不満があってやめたわけではありません。使い切って、そのまま買い直さなかっただけです。よくある離脱のしかたです。

ただ、10年経ってホテルで「これはいいな」と思った香りつきのバスソルトが、成分的にはクナイプと同じ塩化Na+精油の系統だった。これは偶然でしょうか。それとも自分の好みには一貫性があって、10年前の選択もそれに従っていただけなのか。

そこを確かめるために、4種類を買い直しました。

成分・価格の比較表

試用の前に、カタログスペックだけを並べておきます。ここまでは実際に使わなくても分かる部分です。

今回そろえたのは、成分の系統が重ならない4つです(★=実際に試したもの)。

製品区分有効成分成分タイプ使用量濃度温泉で言うと追い焚き
クナイプ バスソルト(13種アソート)化粧品(確認した包の表記)<全成分・緑系の香りの包>塩化Na、香料、各種精油、色素 ほか ※オイルと色素は香りごとに違う無機塩類系+精油50g/200L(1包)0.025%塩化物泉公式FAQで非推奨(塩化Na配合のため)
きき湯 カリウム芒硝炭酸湯医薬部外品塩化K、炭酸水素Na、炭酸Na、乾燥硫酸ナトリウム炭酸ガス系+無機塩類30g/200L0.015%芒硝+重曹イオウ不使用/汚れが出ることあり
きき湯 マグネシウム炭酸湯医薬部外品硫酸Mg、炭酸水素Na、炭酸Na、乾燥硫酸ナトリウム同上30g/200L0.015%正苦味+重曹+芒硝
きき湯 クレイ重曹炭酸湯医薬部外品炭酸水素Na、炭酸Na(※クレイ=ベントナイトは「その他の成分」)同上30g/200L0.015%重曹
薬用BARTH 中性重炭酸入浴剤医薬部外品炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム炭酸ガス系(中性設計)3錠(1錠15g)/160L0.028%重曹泉イオウ不使用/説明書を確認の上
薬用ホットタブ 重炭酸湯(未購入・成分比較のみ)医薬部外品炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム炭酸ガス系3錠(1錠15g)/160L0.028%重曹泉
シークリスタルス エプソムソルト浴用化粧料(現物で確認)<成分>硫酸Mg(一列表記=化粧品)無機塩類系150〜300g/150L0.10〜0.20%正苦味泉の濃度帯
日本の名湯(乳頭の例・未購入・参考)医薬部外品硫酸Mg、炭酸水素Na、乾燥硫酸ナトリウム、塩化K、沈降炭酸Ca無機塩類系約30g/200L0.015%芒硝/重曹系

きき湯の3行を縦に見ると、同じシリーズで有効成分だけが入れ替わっているのが分かります。カリウム芒硝は芒硝(乾燥硫酸ナトリウム)、マグネシウムは正苦味(硫酸Mg)、クレイ重曹は重曹だけ。温泉なら泉質が変わる差が、同じ棚の中に並んでいる。

BARTHとホットタブの行を見比べてください。有効成分もその他の成分も使用量も推奨湯温も、ほぼ同じです。どちらも炭酸水素ナトリウムと炭酸ナトリウムで、1錠15g、160Lに3錠、37〜40℃で15分以上。

なので、この2つは実売価格で選べばいいと言い切れます。成分表から導ける、数少ない断定です。

1回あたりいくらか

★=今回実際に買った価格(2026年8月時点)。それ以外は公式・実売の参考値です。

製品価格回数1回あたり
シークリスタルス エプソムソルト 10kg3,450円約66回52円
シークリスタルス エプソムソルト 4kg1,914円約26回74円
シークリスタルス エプソムソルト 2.2kg1,236円約14回88円
きき湯 360g約800〜1,000円12回約67〜83円
きき湯 30g(1回分・ばら売り)約100円〜1回約100円〜
きき湯とアヒル隊長 大冒険セット(分包3包+アヒル隊長1体)1,080円3回360円(おもちゃ込み)
クナイプ バスソルト 850gボトル約2,000〜2,600円約17回約120〜150円
クナイプ 13種アソート(50g×13)2,520円13回194円
薬用ホットタブ 90錠定価7,260円/実売4,301円〜30回143〜242円
薬用BARTH 90錠6,600円30回220円
薬用BARTH 9錠990円3回330円

温泉に行けば1回500〜1,000円かかることを思えば、どれも安い。ただ入浴剤どうしを比べると6倍以上の開きがあります(エプソムソルト10kgの52円と、BARTH 9錠の330円)。

ここには容量の罠もあります。エプソムソルトは2.2kgで88円、4kgで74円、10kgで52円。BARTHは9錠で330円、90錠で220円。小さく買うほど1回が高くつくのは当たり前ですが、入浴剤は「合わなかったとき使い切れない」リスクとの綱引きになります。

そして妙なことに、一番濃いエプソムソルトが一番安い。 0.1〜0.2%と、他の入浴剤の約3.6〜13倍の濃度で入れているのに、大袋で買えば1回52円です。香料も色素も入っていない、硫酸マグネシウムだけの粉だからでしょう。値段は濃度ではなく、香りと処方に付いているということでもあります。


4種類を、1日ずつ、同じ条件で試した

ここからは実際に入った話です。

先に断っておくと、各製品1回ずつしか試していません。 「2週間使ってみた」の類ではないので、肌の変化や風呂釜への長期的な影響はこの記事では扱えません。分かるのは「入れた日に、素湯と比べてどう感じたか」までです。体感はすべて個人の感想として読んでください。

条件をそろえる

比較になるように、湯の条件は全日そろえました。

項目決めた値
湯量180L
湯温40℃(温度計で実測)
毎回新しく張る(残り湯を使わない)
追い焚きあり(湯温を保つため)
水素風呂スパーレ試用期間中は停止

以下の各日に出てくる濃度は、比較のため全日180Lで計算し直した値です。前の比較表はメーカーの推奨湯量(200Lや160L)が基準なので、同じ製品でも小数点以下がわずかに違います。

ひとつ断っておくことがあります。条件をそろえるため全日で追い焚きをしましたが、クナイプはメーカーが公式FAQで追い焚きを勧めていません(塩化ナトリウムを配合しているため)。前の章で書いたとおりです。今回は比較実験として湯温を一定に保つことを優先しましたが、読者に追い焚きを勧める意図はありません。お使いの給湯器の説明書を確認してください。

そして初日は、何も入れずに入りました。

比較の基準がないと「なんとなく良かった気がする」で終わってしまうからです。入浴剤の記事で素湯の日をわざわざ作るのは間が抜けて見えますが、これがないと後の4日が全部「気のせい」と区別できません。

Day 0|何も起きない日をつくる

素湯。湯ざわり、上がり際の温まり、30分後、浴槽のすすぎやすさ——全部「特に何もない」。

書くことがないので、これで終わりです。ただしこの「何もない」が、以降4日間の物差しになります。

Day 1|クナイプ(ネロリの香り)50g=0.028%

13種アソートから「Show me YOUR SMILE」(フレッシュでほんのり甘いネロリの香り)を選びました。

湯がはっきりオレンジ〜黄金色に染まります。素湯との差が一目で分かる。

クナイプ(ネロリ)を溶かした湯面。オレンジ〜黄金色に着色している。浮いているアヒルについては後述
クナイプ(ネロリ)を溶かした湯面。オレンジ〜黄金色に着色している。浮いているアヒルについては後述

面白かったのは香りの感じ方です。粉のまま直接嗅ぐと「ちょっときついな」。ところが湯に溶かすと「ちょうどいい感じになった」。同じ香りが、0.028%まで薄まるとまるで違うものになる。濃度の話をさんざん書いてきましたが、いちばん腑に落ちたのはこの瞬間でした。

湯ざわりは「まろやかになった気がする」。上がり際は「上がってもあったかい」、30分後も「まだあったまってる」。浴槽は「すすぎやすい」。

そして湯上がり、着替えて家族のそばを通ったとき、「高級ホテルの匂いがする」と言われました。

ホテルの洗面台で始まったこの記事が、自分の家の風呂で、家族の口から「高級ホテル」と返ってくる。正直、この一言のために全部やった気がしています。

ただし、ここで予測が外れています。

前半で書いたのは保温の話でしたが、その理屈を素直に延ばせば、0.028%程度で湯ざわりまで変わるとは考えにくい。ところが実際には差を感じました。

この日は湯にオレンジ色がつき、香りもはっきりありました。色と香りがある状態で「湯ざわりだけ」を切り出して評価するのは、そもそも無理があります。入浴中に匂いがあると、それだけで癒される。その気分が湯ざわりの評価まで持っていった可能性は高いと思っています。

保温感についても同じです。この日の投入濃度は0.028%(うち塩化Naはさらに少ない)で、保温効果が検証されている濃度帯(0.1〜4%)の下限の4分の1ほどしかありません。塩のおかげと説明する根拠はなく、温かい湯に浸かったこと自体と、気分の問題と考えるのが素直です。

だからこそ、次の日が重要になりました。

Day 2|エプソムソルト 180g=0.10%

表示は無色・無香料、濃度は0.10%。クナイプの約3.6倍濃く、色も香りもない。ここで何も感じなければ「体感を作っていたのは色と香りだ」という強い証拠になります。

なお投入量には注意が必要でした。この袋の表示「約14回分」で割ると1回157g。ところが180Lの浴槽では0.087%にしかならず、狙っていた0.1%に届きません(メーカーの設計値である150gなら、なおさら0.083%です)。狙った濃度で試すために180g(付属スプーン6杯)入れています。「1回分」という表示は、浴槽のサイズを前提込みで読む必要があるということです。ここは地味ですが実用的な発見でした。

溶け方は速い。混ぜずに放置して3分後に見たら、もう溶けていました。

なおパッケージには「1回の入浴時間は20分以内で」との指示もあります。濃度を推す製品ですが、長く浸かればいいという話ではないようです。

エプソムソルトの袋と付属スプーン。1杯30gで、この日は6杯=180g
エプソムソルトの袋と付属スプーン。1杯30gで、この日は6杯=180g

湯は「無色だけどほんのり濁った」。そして湯ざわりが変わりました。

「柔らかい感じがした」。

さらに、「塩サウナ後みたいな感じ、肌がツルツル」。

正確に書くと、色も香りも完全なゼロではありません。ほんのり濁ったし、後で書くようにほんのり匂いも感じています。それでも、湯が黄金色に染まって香りが立っていたクナイプの日と比べれば、手がかりはほとんど無いに等しい。その状態で湯ざわりの差が出た。 だから「体感の正体は色と香りだけ」という説は、少なくともこれで全部は説明できなくなりました。前日とは逆方向に外れたことで、かえって切り分けがはっきりしました。

もうひとつ、小さいけれど気になったことがあります。無香料の製品なのに「なんの匂いかわからないけどほんのりした」。パッケージの成分表示は「硫酸Mg」の一語だけで、硫酸マグネシウム自体は無臭です。表示されている成分から匂いの出どころは説明できません。

ひとつだけ手がかりがあって、この製品は用法欄に「水道水の塩素も中和されます」と書いています。いつもの湯から塩素のにおいが消えて、湯そのものの匂いの立ち方が変わった、という説明はあり得ますが、確かめようがないので推測の域を出ません。無香料でも人は何かを嗅ぎ取る、という事実だけ書き留めておきます。

Day 3|きき湯 カリウム芒硝炭酸湯 30g=0.017%

炭酸ガス系。湯の色はパッケージに「レモン色の湯(透明タイプ)」と明記されていて、実際には黄緑寄りに染まりました。

きき湯を投入した直後の湯面。黄緑色に溶け出している。クナイプの日と同じ浴槽で撮影
きき湯を投入した直後の湯面。黄緑色に溶け出している。クナイプの日と同じ浴槽で撮影

手元のきき湯3種は、意図してそろえたものではありません。「きき湯とアヒル隊長 大冒険セット」というおもちゃ付きの商品を買ったら、中に分包が3つ入っていて、それがたまたま緑(マグネシウム炭酸湯)・黄(カリウム芒硝炭酸湯)・桃(クレイ重曹炭酸湯)だった。同じシリーズで有効成分だけが違う3つが、アヒル目当ての買い物で手に入っていたわけです。湯面に浮かんでいる黄色いアヒルが、その本体です。

香りははちみつレモンで、「クナイプと違う方向性だがいい香り」。

湯ざわりは「柔らかい気がした」。温まりも「あったまってる」。

差が出たのはすすぎでした。「ちょっとぬるっとした」。

これは素湯でも、クナイプでも、エプソムソルトでも出てこなかった感想です。重曹・炭酸塩系の組成とは整合しますが、断定はしません。

そして、この日いちばん大事だったのはこれです。

発泡は、湯に浸かる前に終わっていました。

投入して、体を洗って、さあ入ろうという頃には「もうなくなっていた」。きき湯といえばシュワシュワの粒が看板ですが、あのシュワシュワの中に浸かる体験はしていません。

これを欠点として書くつもりだったのですが、次の日に考えが変わりました。

Day 4|薬用BARTH 3錠=0.025%

錠剤を3つ落として、待ちました。

ここで写真がうまく撮れませんでした。何枚か撮り直したのですが、溶け始めると白いモヤが立ちのぼって、肝心の錠剤が見えなくなってしまう。いちばんマシだったのがこの1枚です。

3錠を落とした直後の浴槽。湯に色はつかないが、溶け出すと白いモヤが立って錠剤が見えにくくなる
3錠を落とした直後の浴槽。湯に色はつかないが、溶け出すと白いモヤが立って錠剤が見えにくくなる

無着色なので湯に色はつきません。ただ、溶けているあいだだけ白く濁ります。 クナイプのオレンジやきき湯の黄緑とはまったく違う見え方でした。溶けきると無色透明でした。

溶けきるまで30分弱。

そしてパッケージにはこう書いてあります。「すべて溶けてから入浴してください」。さらに「重炭酸イオンを揮発させず湯中に溶けさせるため、ゆっくり溶けるのが特徴です」。

BARTHの錠剤1粒とパッケージ裏。1錠15gで、1回に3錠使う
BARTHの錠剤1粒とパッケージ裏。1錠15gで、1回に3錠使う

つまり遅いのは仕様です。きき湯が数分で発泡を終えるのも、BARTHが30分かけて溶けるのも、どちらも設計どおり。見せる炭酸と、溶かしきる炭酸という違いでした。きき湯の発泡が入浴前に消えたことを欠点扱いしなくてよかった。

ただし実用面では、これはこれで書いておく必要があります。今回は溶けきってからさらに30分置いて入ったので、投入から入浴まで約1時間。帰ってすぐ湯に入りたい日には向きません。逆に、湯張りを予約しておく家なら気にならないでしょう。成分ではなく生活動線の相性の話です。

匂いもありません。無香料・無着色の表示どおりで、Day 2のエプソムソルト(ほんのり濁る・ほんのり匂う)よりさらに何もありません。

そして湯ざわりが、「さっぱりした」。

4製品で唯一、「柔らかい」系ではない言葉が出ました。すすぎも「変わらない」。温まりは他と同じく「温まる」。

面白いのは、きき湯とBARTHは有効成分がほぼ同じ(炭酸水素ナトリウムと炭酸ナトリウム)だということです。それなのに、きき湯は「ぬるっと」、BARTHは「さっぱり」と真逆の言葉になった。BARTHは製品名に「中性」を掲げているので、そのあたりが効いている可能性はありますが、pHを実測していないので断定はできません。

素湯+4日間で分かったこと

① いちばん大きな差は、製品どうしの違いではなかった

素湯の日だけが、全項目「特に何もない」。4製品とも、温まりと湯ざわりに何かを感じました。 製品ごとの差より、この差のほうがはるかに大きい。

身も蓋もない結論ですが、「何を入れるか」で悩む前に「入れる」ことのほうが効いている、というのがこの4日間で最も確かなことでした。

② 濃度は、体感を説明しなかった

これは書いていて悔しい部分です。この記事は前半をまるごと「濃度」の話に使いました。療養泉になる濃度の線は0.1%で、市販品でそこと同じ量を入れるのはエプソムソルトだけだ、と。

ところが実際に湯から上がって出てきた言葉は、0.017%のきき湯も、0.028%のクナイプも、0.10%のエプソムソルトも、そろって「柔らかい」系の言葉(クナイプは「まろやか」)でした。濃度が6倍違っても、同じ方向の感想しか出てきませんでした。

濃度で体感を説明できると思っていたのに、体感は濃度についてきませんでした。 数字の話が無駄だったとは思いません(追い焚きの可否や、療養泉との距離感は数字でしか分からない)。ただ、湯に浸かった人の感想を予言する力は、濃度にはなかったということです。

③ それでも、製品固有の差はふたつ出た

  • エプソムソルト=「塩サウナ後みたいな感じ、肌がツルツル」(この表現が出たのはこの日だけ)
  • BARTH=「さっぱりした」(唯一「柔らかい」系でない・すすぎも変わらない)

ここは公平を期しておきます。エプソムソルトは4製品で唯一0.10%=ほかの3製品の約3.6〜6倍(0.017%のきき湯とは約6倍)濃い。濃度が一番高いから独自の感触が出た、という説明は可能性としてあり得ます。②で「濃度は体感を予言しなかった」と書いた手前、都合の悪い読み方ではありますが、伏せる理由もない。ただし1回入っただけの体感なので、どちらとも断定はできません。

いずれにせよ、製品ごとに違う言葉が出たのはこの2つだけでした。選ぶ理由になるとしたら、たぶんここです。

ホテルのあの香りは、買えなかった

この記事はホテルの洗面台から始まりました。夜はローズ、朝はカモミール。せっかくなので同じものを買って、家で再現してみるつもりでした。

結論から言うと、手に入りませんでした。

夜に使ったローズ(グーテバランス ワイルドローズ 40g)は、手が届く範囲の通販では完売。朝のカモミール(カミーレ 40g)は現行のラインナップから外れていて、流通在庫を探すしかない状態でした。

これはこれで、ひとつの答えだと思っています。ホテルのアメニティに「いいな」と思っても、そもそも同じ棚に戻ってこない。銘柄が分かれば買えるという話ではありませんでした。

なので香りの比較は、手元のクナイプ13種でやりました。

13種類を嗅ぎ比べてもらった

先に断っておきます。これはブラインドテストではありません。パッケージを見ながら嗅いでもらったので、商品名やデザインの印象が混ざっている可能性があります。

ただ、売り場と同じ条件でもあるとは言えます。店頭でも人はパッケージを見て選ぶので、実験としての弱点であると同時に、実売に近い条件でもある。そう考えることにしました。

家族の1位はネロリ。オレンジの花の香りです。

そして全体を通しての印象は、「ネロリが一番人気で、あとは似たような感じ」。

この「あとは似たような感じ」が、あとで効いてきます。

というのも、ホテルでローズとカモミールを使ったときの感想も「どちらが良いという差は特になく、いい香りだなという程度」だったからです。別々の機会に、同じ傾向が2回出ている。

なお13種類を一度に嗅ぐと鼻が慣れてしまうので、間を空けながら進めています。

自分の1位は、決められなかった

家族の1位はネロリで決まりましたが、自分の1位は決めきれませんでした。

選べなかったのではなく、体調や気分によって変わるからです。同じ香りでも、その日の状態によって「これがいい」と思ったり、そうでもなかったりする。順位をつけようとすると、いつの自分を基準にするのかという話になってしまう。

これは書きながら、けっこう大事な発見だと思いました。

香りつきの入浴剤を選ぶとき、レビューは必ず「一番いい香りはどれか」を決めようとします。自分もこの記事でそれをやろうとして、できなかった。香りの好みは、成分表のように固定された値ではなく、その日ごとに動くものだったわけです。

だとすると、香りつきの入浴剤は「1種類を選び抜く」買い方と相性が悪いということになります。この話は最後の「買い方の結論」でもう一度扱います。

ホテルでローズとカモミールを使ったときの「どちらが良いという差は特になく、いい香りだなという程度」という感想も、いま思えば同じ話でした。優劣がなかったのではなく、優劣が固定できなかったのだと思います。


結局どれを買い直すのか——票が割れた

4日間の試用と嗅ぎ比べを終えて、家の中で意見を聞きました。

割れました。クナイプとエプソムソルトの2つで、きれいに。

しかも割れ方に筋が通っていました。香りと色に反応する側と、無色無臭でも湯上がりの肌の感触を取る側。求めているものが最初から違ったわけです。

判断の理由はこうでした。

  • きき湯よりクナイプのほうが香りがよかった
  • BARTHよりエプソムソルトのほうが肌がツルッとした

つまり「香り部門」と「肌の感触部門」で、それぞれ決勝戦があったことになります。香りではクナイプがきき湯に勝ち、感触ではエプソムソルトがBARTHに勝った。そして部門をまたぐ決着だけが、つかなかった。

この記事は当初、「成分から本命を1つ決める」つもりで書き始めました。療養泉の濃度基準に唯一届くエプソムソルトが本命だ、と。その本命は残りましたが、勝ちきってはいません。香りという、成分表に濃度で書けない要素に半分持っていかれました。

はっきり書いておきます。「エプソムソルトを使うと肌の調子が良くなる」という意味ではありません。 各製品1回ずつしか使っていないので、肌が変わるかどうかはこの記事では確かめようがない。分かったのは「湯から上がった直後の肌の感触が好みだった」という、その日の体感だけです。

10年前の自分との答え合わせ

思い出してほしいのですが、2016年にクナイプとエプソムソルトを同じ日に買っていました。そして残ったのはクナイプのほうでした。

10年後、4種類を並べて試した結果が、またこの2つ。

正確に言えば、この10年でいちばん多く買ったのはオンセンスでした。ただそれも2022年1月で止まっていて、最後まで棚に戻ってきたのはクナイプのほうです。リピートの最多と、生き残りは別だった。なぜ4回も買って、なぜやめたのかは、自分でも思い出せません。

10年前の自分は、成分表も濃度も調べずに、たまたま2つを手に取っていた。それが今回、成分を調べ、濃度を計算し、1日ずつ試したうえで残った2つと同じだった——というのは、なかなか居心地の悪い結論です。遠回りをして、元いた場所に戻ってきた。

ただ、戻ってきた場所の見え方は変わりました。10年前は「なんとなく良さそう」で選んでいたものが、今はなぜこの2つなのかを説明できる。香りが欲しい日と、湯上がりの感触が欲しい日は、別物だったというだけの話です。

水素風呂スパーレをどうするかは、まだ決めていない

最後にひとつ、宿題が残っています。

我が家には水素風呂の生成器(スパーレ)があり、11年使っています。ところが入浴剤と併用すると止まってしまうので、これまでは入浴剤のほうをやめていました。今回の試用も、スパーレを止めた状態でやっています。

スパーレのレビュー記事では「併用は控えめに」と書きました。実際に入れてみると、控えめどころか動作が止まりました。メーカーの製品ページには入浴剤についての記載がなく、電気分解式の生成器では一般に「入浴剤を使う場合は電極を取り出して」と案内されます。電極を外せば水素は出ないので、それは併用とは呼べません。

なので現状は、事実上の二者択一です。

ただ、今回の4日間で分かったのは「入浴剤を入れると気持ちがいい」ということであって、「スパーレより価値がある」ではありません。11年使ってきた機械を止めるかどうかを、4日間の体感で決めるのは早すぎる。

この件は結論を出さずに置きます。 併用を試して、止まるかどうかをもう一度確かめてからにします。結果が出たら追記します。


買い方の結論|クナイプは「まずアソート、気に入ったらボトル」

成分の話をさんざんしておいて何ですが、香りの好みだけは成分表から一切分かりません。塩化Naと精油という組成はどの香りも同じで、違うのは精油の種類だけ。「自分がどれを良いと思うか」は、嗅いでみるまで誰にも分からない。

だからクナイプに関しては、買い方に順番があります。

価格回数1回あたり
13種アソート2,520円13回194円
850gボトル約2,000〜2,600円約17回約120〜150円

数字だけ見ればボトルのほうが2〜4割安い。それでもアソートを勧めるのは、13種類を1回ずつ試して外しても2,520円だからです。いきなりボトルを買って香りが合わなければ、850gを持て余すことになる。1回あたり44〜74円の差は、その保険料と考えると安いほうです。

ただし自分の2023年の買い方は、これとは逆でした。先に単品(ミントの夏限定)を買って、その2週間後に13種セットに手を出している。順番は逆でしたが、行き着いた先は同じ「まずいろいろ試す」でした。

逆に、エプソムソルト・きき湯・BARTHは最初から本命サイズで構いません。香りが選択軸ではないからです。エプソムソルトは無香料そのものだし、きき湯とBARTHは香りより有効成分で選ぶもの。「まず試す」が必要なのは香りが変数になる商品だけ、というのがこの記事から出てくる実用的な線引きです。

ただし容量には気をつけてください。エプソムソルトは1回あたり、2.2kgなら88円、4kgなら74円、10kgなら52円(いずれもメーカー表示の回数から算出。1回あたりは150〜157gで、大袋ほど150gに近づきます。180Lの浴槽で0.1%を狙うなら1回180gなので、10kgでも約62円)。大きいほど安いが、合わなかったときに使い切れない。初回は2.2kgか4kg、続けると決めてから10kgに移るのが無難です。

よくある質問(FAQ)

バスソルトと入浴剤は何が違いますか?

日本では明確な線引きはありません。「バスソルト」は塩(塩化ナトリウム)を主成分とする粉末入浴剤を指すことが多い呼び方ですが、エプソムソルトのように塩化ナトリウムを含まないものもこの名前で売られています。法律上の区分は医薬部外品・化粧品・雑貨の3つで、「バスソルト」という区分は存在しません。

医薬部外品と化粧品、どちらを選べばいいですか?

目的次第です。肩のこり・腰痛・冷え症といった効能表示を求めるなら医薬部外品。香りやリラックスが目的なら化粧品でも構いません。同じブランド内でも製品によって区分が違うので、パッケージ裏の成分欄を確認してください。「有効成分:〜/その他の成分:〜」と2段に分かれていれば医薬部外品です。

エプソムソルトはマグネシウムが皮膚から吸収されるのですか?

科学的には否定的な見方が優勢です。皮膚のバリアがマグネシウムイオンの通過を強く制限するため、経皮吸収を支持する証拠は限られている、という指摘があります(”Myth or Reality—Transdermal Magnesium?” 2017)。少数の参加者で血中濃度の上昇を報告した研究もありますが、規模が小さく決着はついていません。

本記事では吸収を前提とした説明はしません。湯ざわりや温まり方についての記述は、すべて個人の感想です。

追い焚きしても大丈夫ですか?

成分によります。今回の4製品では、パッケージと公式の表記がこう分かれました。

  • エプソムソルト:パッケージに「追い焚き可」と明記
  • きき湯:「浴槽・風呂釜をいためるイオウは入っていない」。ただし「追いだきすると、ごくまれに配管や風呂釜の汚れが出てくることがある」との注意あり
  • BARTH:「浴槽・風呂釜を傷めるイオウは入っておりませんが、お使いの浴槽・風呂釜の説明書をご確認の上ご利用ください」
  • クナイプ:パッケージには「浴そう・風呂釜をいためるイオウは入っていません」とあり、追い焚きの禁止表記もない。ただし公式FAQでは「塩化ナトリウムを配合しているため、おすすめしません」として追い焚き自体を勧めていない

つまり「イオウは入っていない」という一文は3製品に共通していて、差が出るのはそこに各社が付けた条件のほうです。追い焚きを日常的に使う家では、これが選択の分かれ目になります。いずれの場合も、お使いの給湯器の説明書をあわせて確認してください。

水素風呂の生成器と一緒に使えますか?

電気分解式の生成器では、メーカー側から「入浴剤を使う場合は電極を取り出す」「炭酸系・硫黄系の入浴剤は使用しない」といった案内が出ています。実質的に併用はできないと考えたほうがいいでしょう。筆者宅でも併用時に動作が止まりました。

温泉の素を入れれば、家の風呂が温泉になりますか?

なりません。濃度で見ると、高濃度で使うエプソムソルトを別にすれば、濃い高張性の湯とは約100倍、群馬で取材した湯と比べても4〜30倍の開きがあります。また、業界の自主基準でも「温泉の湯が再現できるかの表現は行わないこと」と定められています。入浴剤は温泉の代替ではなく、別の道具として捉えるのが実情に合っています。

入浴剤の成分表で、何を見ればいいですか?

まず成分欄が2段組か一列か(区分が分かる)。次に主成分が何か——乾燥硫酸ナトリウムなら芒硝泉系、炭酸水素Naなら重曹泉系、塩化Naなら食塩泉系、硫酸Mgなら正苦味系です。最後に1回の使用量。この3つで、その入浴剤の性格はだいたい分かります。


参考|試した残り2製品

きき湯は、はちみつレモンの香りと、入浴前に終わってしまう発泡。分包なら1回100円前後から試せます。

BARTHは無香料・無着色で、溶けきるまで30分弱かかる設計です。段取りを組める日向き。

この2つは、今回の2択に残らなかっただけです。目的が変われば、答えも変わります。

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