高崎駅から車で15分、京ヶ島天然温泉「湯都里(ゆとり)」。朝5時開店・780円・3時間枠。施設のサウナは3種(シアター・アロマ・塩)で、塩サウナ室内には通常塩と週替わり香り塩の2種類が置かれている。今回はシアターサウナ+塩サウナ(通常塩使用)で、過去記事 あかすりタオル3種比較|土曜スーパー銭湯の9段ルーティン に書いた9段の手順を実際に通せた(アロマサウナ=湿式は今回未体験、香り塩は普段使わない)。同時に、露天は加水・加温なしのかけ流し(塩素消毒併用)、内湯は循環ろ過式という掲示がありながら、私の肌では交互に入り直しても両者を判別できなかった、という体感も併せて記録する。
塩サウナ垢すりを軸にしたサ活なら高評価、湯使いの個性を肌で味わいたい温泉マニアなら好みが分かれる。これが朝風呂3時間で見えてきた湯都里の輪郭だ(取材は2026年5月時点)。
1. 朝風呂780円・サウナ3種の高崎日帰り温泉

湯都里の基本データ:
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 所在地 | 群馬県高崎市島野町890-3 |
| 営業時間 | 5:00〜24:00(最終入館23:30) |
| 定休日 | 第3木曜(8月は無休) |
| 朝風呂枠 | 5:00〜10:00受付、3時間利用可、780円(平日・休日同一) |
| 平日大人 | 980円 |
| 休日大人 | 1,180円 |
| 家族風呂 | 5,500円/2時間(公式予約サイト記載) |
| 駐車場 | 400台無料 |
※ 上記はすべて2026年5月時点の確認値。
平日大人料金980円から200円引いた朝風呂780円は、群馬県内の同等規模日帰り温泉の朝風呂相場(おおむね600〜900円帯)の中では上位水準。さらに休日も780円で同額になるのが料金設計の妙で、土日朝のサ活ユーザーにとくに刺さる。
館内は岩盤浴、食事処(yutori cafe・ゆとり庵)、癒し処(アカスリ・整体)、カットサロン、美容クリニックまで揃う。家族風呂は別予約制で、朝風呂チケットでは入れない。
座り仕事の自分にとって、朝5時開店・3時間枠は出社前のサ活オプションとして現実的な動線だ。
サウナ3種の構成と塩サウナ室の塩2種類
施設のサウナは3種:
- シアターサウナ(フィンランド式の高温乾式、体感85℃くらい。サウナストーンに水をかけて蒸気を出す「オートロウリュ」が、館内掲示によれば30分に1回自動稼働する)
- アロマサウナ(湿式=スチームサウナ系。今回の朝風呂枠では未体験、次回訪問で補強したい)
- 塩サウナ(体感70℃くらい)
塩サウナの中は、通常塩に加えて週替わりの香り塩(アロエ・グレープフルーツ・みかん等の例あり)の2種類が置かれている。同じサウナ室内で気分や肌の状態に応じて使い分けられる構成で、塩サウナの運用としては相応に充実したラインナップだ。私自身は皮膚刺激を最小化したいので、ここでは通常塩のみを使う(香り塩は使わない派)。
公式サイトやポータルサイトでは「シアターサウナ/アロマサウナ/泥・塩サウナ」と表記される例があるが、現地に泥サウナは見当たらず、塩サウナ室内に通常塩・香り塩の2種類というのが本日の確認だ。
館内の温浴設備は、サウナ3種に加えて壺湯、露天かけ流し(塩素消毒併用)、内湯(天然美泉浴・公式名)、水風呂、外気浴ととのいスペース、貸切風呂9室(うち1室は水素風呂「榛名」)、電気風呂、スーパージェットバスまで揃う。
2. シアターサウナ+塩サウナで9段ルーティンが完結する

朝風呂3時間枠で動かしてきた手順は、過去記事 あかすりタオル3種比較 に書いた9段ルーティンと完全に対応する。9段の詳細は過去記事を参照いただくとして、湯都里の各ステップ対応設備をまず示す:
| 9段の番号 | 湯都里の設備 |
|---|---|
| 1. かけ湯 | 浴室入口の洗い場 |
| 2. 壺湯/露天で温まる | 壺湯あり + 露天かけ流し(塩素消毒併用) |
| 3, 5, 9. 水風呂 | 水風呂 |
| 4. サウナで深部体温UP | シアターサウナ(体感85℃くらい、オートロウリュ30分毎)/アロマサウナ ※今回はシアターのみ使用 |
| 6. (3〜5を2〜3セット繰り返す) | 動線が短く、セット回転が組みやすい |
| 7. 塩サウナで皮脂と角質をふやかす | 塩サウナ(体感70℃くらい)、通常塩を使用 |
| 8. 垢すりで角質を一気にリセット | 自家流(持参のあかすりタオル)。癒し処のプロ予約コースも別途あり |
9段すべてが館内で完結する。朝780円でこの動線を組める日帰り温泉は、群馬県内では多くない。
塩サウナ→垢すりの順は厳守
塩サウナで皮膚を発汗と温熱でふやかしてから、垢すりで角質を落とす。湯都里では公式メニュー化されていない自家流の運用だが、手順は以下:
- 通常塩を体に塗る(小指の先ほど塩を取って軽くなで、汗で溶けた状態をしばらく置く)
- 塩サウナで発汗・角質軟化を待つ
- 出てから水でさっと流す
- 持参のあかすりタオル(私は群馬桐生『くーる&ほっと』を愛用。詳しくは あかすりタオル3種比較 参照)で全身を擦る
順番が逆になって「垢すり→塩サウナ」をやると、剥がれたばかりの肌に塩の刺激が当たって痛い。塩サウナ室には香り塩も用意されているが、私は皮膚刺激を最小化したい派なので通常塩のみを使う。香りで気分を切り替えたい人にはオプションが2種類あるという構成だ。
自宅EMSユーザーの併用視点
湯都里の浴室には電気風呂とスーパージェットバスがあり、私は腰の筋肉(電気風呂)とお腹周りの浮き輪肉(ジェットバス)に当てた。
最近 SIXPAD Medical Core を導入したばかりで、同じ部位を自宅でも攻めている。両者は「電気」「マッサージ」という見出しだけ似ているが、作用機序が違うので競合関係ではなく補完関係として整理する:
| 部位 | 自宅(SIXPAD) | 湯都里 | 作用機序の違い |
|---|---|---|---|
| 腰 | Medical Core の EMS | 電気風呂 | EMSは特定周波数で運動神経を発火させて筋を能動的に収縮させる。電気風呂は低周波で皮膚の知覚神経を主に刺激してマッサージ感を出す。同じ「電気」でも狙う神経が違う |
| お腹周り | Core Belt 2 / Abs2 の EMS | スーパージェットバス | EMSは電気的に筋を能動収縮。スーパージェットバスは水圧で外側から物理刺激。電気と水圧という別物 |
座り仕事40代としては、自宅EMSと銭湯モダリティはどちらか一方ではなく併用で回すのが現実的。湯都里は高崎駅から15分・朝5時開店なので、平日の出社前に通える生活動線になる。
3. 京ヶ島天然温泉のプロファイル:露天かけ流し/内湯循環の二系統運用

ここから温泉そのもの。湯都里の脱衣所内には温泉分析書本書(公的検査の正本、平成25年=2013年9月、株式会社東京水質研究所)が掲示されていて、その隣に禁忌・適応症の別表、そして浴室前に源泉パネルがある。3枚を撮影してきたので、数値はその一次データから引く。
源泉パネル+分析書の数値(脱衣所掲示・浴室前パネルで一部食い違い)

| 項目 | 値 | 出典 |
|---|---|---|
| 源泉名 | 京ヶ島天然温泉 | 両掲示一致 |
| 湧出地 | 群馬県高崎市島野町890番11 | 分析書/浴室前パネル |
| 泉温 | 57.5℃(湧出地・分析書本書)/55.5℃(浴室前パネル) | IMG_5699/IMG_5701 |
| 湧出量 | 140L/分(掘削動力揚湯・分析書本書)/468L/分(浴室前パネル) | IMG_5699/IMG_5701 |
| pH | 7.5(湧出地)/7.7(試験室)/7.3(浴室前パネル) | IMG_5699/IMG_5701 |
| 泉質(新表記) | ナトリウム−塩化物・炭酸水素塩泉 | 両掲示一致 |
| 泉質(旧表記) | 重曹食塩泉(1979年改訂前の慣用名) | — |
| 温泉法上の判定 | 低張性弱アルカリ性高温泉(分析書本書)/中性低張性高温泉(浴室前パネル) | IMG_5699/IMG_5701 |
同じ施設の掲示同士で数値や判定に食い違いがある。読み解きの仮説:
- 湧出量 140L/分 vs 468L/分:分析書本書は2013年9月時点、浴室前パネルの468L/分はそれ以降の増掘・新規掘削・ポンプ強化のいずれか(あるいは組み合わせ)による更新値の可能性が高い。140→468は3.3倍で、ポンプ強化だけで説明するには大きく、増掘や新孔追加の方が工学的に自然
- 泉温 57.5℃ vs 55.5℃:分析書本書の57.5℃は湧出地(孔口)での測定値、浴室前パネルの55.5℃は浴槽手前の供給温度の可能性。長い配管を通れば2℃前後の自然冷却は妥当
- 判定「弱アルカリ性」vs「中性」:環境省「鉱泉分析法指針」(平成26年改訂版)の液性区分は 酸性=pH 3未満/弱酸性=3以上6未満/中性=pH 6以上7.5未満/弱アルカリ性=pH 7.5以上8.5未満/アルカリ性=8.5以上。分析書本書の湧出地pH 7.5は弱アルカリ性側ぎりぎり、試験室pH 7.7は弱アルカリ性、浴室前パネルのpH 7.3は中性。同一源泉でも測定タイミング・場所で液性区分の境を跨ぐので、判定表記が割れた
主要成分(脱衣所内分析書 IMG_5699 から)

| 成分 | 含有量 |
|---|---|
| Na+(ナトリウムイオン) | 1,059 mg/kg |
| Cl-(塩素イオン) | 1,350 mg/kg |
| HCO3-(炭酸水素イオン) | 724.5 mg/kg |
| メタケイ酸 H2SiO3 | 64.1 mg/kg |
| 溶存物質合計(ガスを除く) | 3.361 g/kg |
| 成分合計 | 3.401 g/kg |
成分合計と溶存物質合計の差0.040 g/kg(=40 mg/kg)は、遊離ガス成分(主に遊離二酸化炭素 CO2)による分。ナトリウム−塩化物・炭酸水素塩泉では遊離CO2が支配的で、遊離硫化水素 H2S 等は通常検出されない。
メタケイ酸 64.1 mg/kg は、温泉法に定める鉱泉源としての成分(メタケイ酸単独なら50 mg/kg以上)を上回る。温泉法に「美肌の湯」「美人の湯」の法定基準は存在しないが、メタケイ酸を保湿成分と捉える俗説的な美肌言説は世間に広く流布していて、施設が案内板(IMG_5697)で「『美人泉』と例えられるほど良質」と紹介している数字的裏付けはここにあると読める(医学的効果には踏み込まない)。
溶存物質合計 3.361 g/kg は、療養泉認定基準(溶存物質 1,000 mg/kg 以上ほか)をクリア。また 8,000 mg/kg を大きく下回るので低張性で確定する。
湯使い:露天かけ流し(塩素消毒併用)/内湯循環ろ過
浴室前のパネル(IMG_5701)は、露天風呂はかけ流し、内湯は循環ろ過式と明記している。「浴槽内に浮遊しているのは源泉の成分です」という湯花についての注記も併記されており、加水・加温なし/塩素消毒あり/入浴剤添加なし(IMG_5700 別表)の運用も透明性が高い。
ただし露天は「かけ流しだが塩素併用」運用で、完全放流式の生っぽいかけ流しとは別カテゴリ。読者の混同を避けるため、本記事では露天を「塩素消毒併用のかけ流し」と毎回正確に表記する。
朝風呂3時間枠で露天と内湯を交互に入り直しても、私の肌では差を判別できなかった。湯花の見え方も、肌当たりも、湯温も、目隠しで言い当てる自信はない。可能性が高い順に挙げると:
- 「かけ流しだが塩素併用」運用が源泉の生っぽさを意図的に均す方向に働いている(完全放流式かけ流しなら塩素は通常不要。次亜塩素酸ナトリウムは還元性の溶存成分=鉄・マンガン・微量H2S・有機物等を酸化させ、源泉本来の湯当たりを変化させうる)
- 私の肌の感度の問題
- 浴槽サイズに対して湧出量が分散している(露天でも溶存成分の体感を強く出すには浴槽が広すぎる)
- 内湯側で循環ろ過のフィルタ精度が高く、源泉性状を残しつつクリアな状態に保たれている(4は内湯側にのみ適用)
これは批判ではなく、温泉ブロガーの正直な記録だ。ナトリウム−炭酸水素塩系の組成(炭酸水素イオン 724.5 mg/kg)は、皮脂の脂肪酸を石鹸様の塩に変える作用で「ぬるすべ」と感じられることが多い泉質だが、私の肌では特徴的なぬるすべ感までは感じなかった。療養泉としては塩化物泉と炭酸水素塩泉の二成分が主成分基準を満たす型で、適応症は神経痛・筋肉痛・関節痛・冷え性・疲労回復ほか一般的な範囲(IMG_5701 別表)。なお療養泉の泉質別適応症は2014年7月の鉱泉分析法指針改訂で見直されているため、2013年9月発行の本書に添付された別表は2014年改訂前の旧基準である可能性が高い(再訪時に最新掲示の有無を確認したい)。
過去に島根・大分の温泉(美又・新清館・温泉津 等)の源泉浴槽では、明確な肌当たりの差や析出物の物的証拠が体感として残った。それと比べると、湯都里は同じ「源泉かけ流し」表記でも別ジャンル=都市型・総合設備型の日帰り温泉として整理するのが公平だろう。湯使いの個性を肌で味わうことを最優先するなら山間部の小規模温泉、設備の総合性と日帰りコスパを取るなら湯都里、というのが現実的な使い分けだ。
なお湧出量468L/分(浴室前パネル表記)は群馬県内の都市型日帰り温泉として相当に潤沢な数字。それでも露天と内湯で体感差が判別しにくいというのは、施設規模に対する希釈・塩素消毒の影響が大きいと推察できる。
由来:飛鳥時代との繋がりは案内板の引用として

施設内の案内板(IMG_5697)にはこう書かれている:
飛鳥時代から続く歴史の町、京ヶ島。それまでの数々の良質な温泉を物語るように湧いた一本の良質な温泉を、その歴史とロマンにちなみ「京ヶ島天然温泉」と名づけました。
「京ヶ島という地名が飛鳥時代から続く」のではなく、「飛鳥時代から人の営みがあった京ヶ島という土地に湧いた温泉」、というのが文脈として読める引用だ。歴史的厳密さは案内板側の責任範囲で、私はあくまで掲示の引用として紹介する。
4. こんな人におすすめ・合わない人
| こんな人 | 評価 | 理由 |
|---|---|---|
| 高崎周辺で塩サウナ垢すりができる施設を探している | ◎ | 塩サウナ室内に通常塩+香り塩の選択肢、自家流垢すりに必要な動線が揃う |
| 朝のサ活で1日のリズムを作りたい | ◎ | 朝5時開店、780円、サウナ3種、外気浴あり |
| 自宅 EMS(SIXPAD等)と銭湯モダリティを併用したい | ◎ | 電気風呂・スーパージェットバスが揃う |
| サウナ後の温泉でととのいたい | ◯ | 露天はかけ流し(塩素併用)、温度・規模ともに不足はない |
| 源泉かけ流し体感マニア | △ | 掲示は誠実だが、塩素併用運用と浴槽規模で露天/内湯の体感差は薄い |
| 塩素無添加にこだわる | × | 塩素消毒あり |
まとめ
- 朝風呂780円で5:00〜10:00受付・3時間枠、サウナ3種のうち本日はシアター+塩(通常塩使用)の2種を回す動線(アロマ=湿式は未体験、香り塩は使わない派)
- 塩サウナ室内に通常塩と週替わり香り塩の2種類が置かれていて、好みで使い分けられる構成
- 電気風呂・スーパージェットバスで自宅EMSと違う作用機序のアプローチで体メンテも可能
- 温泉成分は「ナトリウム−塩化物・炭酸水素塩泉」(1979年改訂前の旧表記:重曹食塩泉)、メタケイ酸 64.1 mg/kgで施設は「美人泉」と称するが、露天は塩素消毒併用のかけ流しで、内湯との体感差は私の肌では判別できなかった
- 湯使い体感マニアより、設備総合型として評価したい施設
朝風呂で1日のリズムを作りたい高崎周辺住民にとっては、780円で3時間のフル動線が組める選択肢として強い。
次回訪問で補強したい論点
- アロマサウナ(湿式)の体験(今回未体験。湯都里サウナ3種の最後の1つ)
- アロマサウナの体感温度(シアター85℃・塩70℃は記録済み、アロマは未訪問)
- 水素風呂「榛名」の貸切体験
- 湯都里での温泉水持ち帰り可否(自宅ブレンド入浴運用との接続)
- 適応症別表が2014年改訂後の最新掲示に差し替わっているかの確認
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