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湯端温泉(高崎)日帰りレポ|800円で50分貸切、予約と泉質

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湯端温泉の玄関。ベージュの壁に「湯端温泉」の縦看板と紅いのれん
湯端温泉の玄関。ベージュの壁に「湯端温泉」の縦看板と紅いのれん

高崎市吉井町、牛伏山のふもとに一軒だけ残る温泉旅館「湯端(ゆばた)温泉」。日帰り入浴は50分の完全貸切制で、料金は大人800円(入湯税込)。浴室には「化粧水のようにお肌にお付けください」と書かれた源泉ポッドが置いてあって、これが今回の主役だった。

予約サイトを探しても出てこない湯なので、予約方法から泉質の中身まで、土曜の昼に実際に入ってきた記録をまとめる。

楽天にもじゃらんにも出てこない。それでも入れる

先に実務的な話。湯端温泉は2026年7月時点で、楽天トラベルに予約可能なプランがなく、じゃらんも予約受付停止中。ネット予約の網にかからないので、営業していないように見える。

結論から言うと、電話(027-384-8602)で普通に予約できた。日帰り入浴は完全予約制で、予約受付は希望日の3日前から(公式サイトに明記)。飛び込みでは入れない仕組みなので、行くと決めたらまず電話、である。

  • 日帰り営業:11:00〜16:00
  • 定休日:月・火・水(公式サイトの営業カレンダーより。ネット上には「火曜休」とする古い情報もあるので注意)
  • 料金:大人750円+入湯税50円=計800円/子供(3歳〜小学生)450円・3歳未満無料/タオルレンタル250円
  • 支払い:クレジットカード可だった(小さな宿では貴重)

ひとつ注意。地図アプリで「湯端温泉」と名前だけで検索すると、別の場所が候補に出ることがある。行き先は吉井町多比良。住所で入れておけば間違いがない。

貸切50分、「ホタルの湯」

廊下に下がる「ゆ」の紅のれん。この奥が貸切浴室
廊下に下がる「ゆ」の紅のれん。この奥が貸切浴室

現在、日帰りで使えるのは母屋の「ホタルの湯」1室のみ(公式の日帰り案内より。離れの「湯端の湯」は日帰りの対象外)。名前の由来は、初夏に宿の周辺でホタルが見られることから……と公式ブログや口コミで語られている(訪問は昼なので実見はしていない)。

ホタルの湯。グレータイルの浴槽と大窓。窓の外にウッドデッキ
ホタルの湯。グレータイルの浴槽と大窓。窓の外にウッドデッキ

浴室は2012年の全面改装でつくられたモダンな造り。グレータイルの浴槽に土壁調のベージュの壁、そして大きな窓。貸切だから当然ながら誰もいなくて、浴槽も洗い場も人目を気にせず撮影できる。

湯はやや黄色がかった透明。湯温は季節で調整されていて、夏期は38〜40度の設定(掲示より)。実際ぬるめで、じっくり浸かるのに向いていた。環境省や消費者庁の入浴事故予防の呼びかけでは、湯温41度以下・1回10分程度までという趣旨の目安が示されており、このぬる湯設定はその目安とも相性がいい。塩素消毒ありの掲示だが、塩素臭はほぼ感じなかった

浴室から続くウッドデッキ。すのこ床に丸椅子、外気浴スペース
浴室から続くウッドデッキ。すのこ床に丸椅子、外気浴スペース
デッキからの眺め。すだれ越しに田畑と山の緑
デッキからの眺め。すだれ越しに田畑と山の緑

窓の外にはすのこ敷きのデッキがあり、丸椅子がひとつ。湯から上がってそのまま外気浴ができる。目の前は田畑と山だけの里山風景で、遮るものがない。ぬる湯→外気浴→ぬる湯のループを貸切で回せる設計は、サウナ好きの言葉を借りれば「ととのい導線」が最初から引かれているようなものだ。

源泉ポッドと泉質の話

浴槽の縁に置かれた「源泉」ポッド。飲用不可・化粧水のようにお肌に、の注意書き
浴槽の縁に置かれた「源泉」ポッド。飲用不可・化粧水のようにお肌に、の注意書き

浴槽の縁に、蛇口つきの透明なポッドが置いてある。ラベルには「源泉」、そして「飲用はできません」「化粧水のようにお肌にお付けください」。

中身は加温前の生の源泉だ。手に取ると、ひんやりした水がぬるっと肌に吸いつく。この「ぬるぬる」が実に気持ちよくて、湯に浸かりながら何度も顔や腕に付けてしまった。加温循環の浴槽と、非加熱の生源泉。両方を同じ浴室で体験させる仕掛けは、正直うまいと思う。

分析書で見る湯端の湯(令和3年11月分析)

脱衣所に掲示された温泉分析書と別表(浴用)
脱衣所に掲示された温泉分析書と別表(浴用)

掲示されていた温泉分析書(令和3年11月分析・群馬県薬剤師会)から、源泉「湯端の湯」(離れの浴室にも同じ名が付いている)の中身を拾う。

項目数値
泉質ナトリウム-塩化物冷鉱泉(低張性弱アルカリ性冷鉱泉)
泉温15.0℃(自然湧出)
pH8.17(弱アルカリ性)
溶存物質6.36g/kg
主要成分ナトリウム 2340mg/塩化物 3276mg/炭酸水素 605.3mg(いずれも1kg中)

冷鉱泉(湧出時の温度が25℃未満の温泉のこと)なので、そのままでは水風呂である。だから加温する。源泉の湧出量も乏しいから加水もする。この点、脱衣所の掲示は潔いほど正直だった。原文のまま引くと——

冷鉱泉のため加温しています/源泉の供給量不足を補うため加水しています/温泉資源の保護と衛生管理のため循環ろ過装置、塩素系薬剤を使用しています

つまり「源泉かけ流し」ではない。ただし中身は濃い。溶存物質6.36g/kgは、療養泉(環境省の指針で「治療の目的に供しうる」とされる区分のこと)の基準1g/kgの6倍以上ある。同じく鉱泉を沸かして使う富岡の大島鉱泉と比べても、成分の濃さは桁がひとつ違う。

面白いのは内訳だ。塩化物泉の看板の裏に、炭酸水素イオン605.3mg=重曹の成分をしっかり含んでいる。入浴中のぬるっとした肌触りは重曹系が皮脂を乳化する働き、湯上がりのしっとり感は塩化物の薄い膜が水分を守る働き、と説明されることが多い。私の体感では、しばらくしてから肌がつるつるしてくる感じだったが、いずれにせよこの湯の成分構成なら腑に落ちる(感じ方には個人差がある)。あの生源泉ポッドのぬるぬるも、この組み合わせで読み解ける。かつて島根・美又で浴びたアルカリ性単純温泉のぬるすべとは、また系統の違う手応えなのが面白い。

効能について書けるのは公的な区分まで。環境省の基準では、この泉質(塩化物泉)の浴用適応症として「きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症」が挙げられている(分析書別表より)。もちろん病気の活動期や発熱時は入浴を避けるといった一般的禁忌症も同じ別表に書かれているので、体調と相談のうえで。群馬の他の湯との数値比較は泉質比較ハブにまとめている。

館内の設備と、フロントの掲示が語ること

洗い場のアメニティ。ハトムギ泡洗顔・Dove・いち髪のシャンプーとコンディショナー
洗い場のアメニティ。ハトムギ泡洗顔・Dove・いち髪のシャンプーとコンディショナー

洗い場のアメニティはハトムギ泡洗顔・Doveボディウォッシュ・いち髪のシャンプー&コンディショナーの4本。800円の日帰り湯としては十分すぎる布陣で、手ぶら派はタオルレンタル(250円)を足せば完結する。

湯上がりの休憩スペース。リクライニングチェア2脚と、なぜかルームランナー
湯上がりの休憩スペース。リクライニングチェア2脚と、なぜかルームランナー

湯上がりにはリクライニングチェアの休憩スペースもある。大窓の外はウッドデッキで、ここにもデッキチェア。片隅にはルームランナーも置いてある。

フロント脇の掲示壁が、この宿のいまを静かに物語っている。「温泉ソムリエ認定証」、そして全国高校生マイプロジェクトアワード2025の「全国ロールモデル賞」の盾。盾に刻まれたプロジェクト名は「『温泉をもっと日常に!』誰もが温泉を楽しめる社会に」。棚には手術痕などをカバーする入浴着「バスタイムカバー」対応の案内も置かれていた。貸切風呂という業態そのものが、「誰もが入れる温泉」の答えのひとつなのだと気づかされる。

廃業危機からの再建中、という文脈

この宿は1971年創業。上毛新聞と東京新聞の報道によると、2006年に一度休業し、2012年に全面改装して再開。2024年11月から再び休業に入り、2025年5月からは通信制高校に通う10代の若女将が再建に取り組んでいるという。フロントのアワードの盾は、その活動が全国区で評価された証だ。

ネット予約が止まっているのは、おそらくこの再建途上という事情による。ただ、宿泊自体は素泊まりに絞って続けているそうだ(訪問時にうかがった話)。もちろん日帰りの貸切湯は電話一本で現役である。「予約サイトに出てこない=廃業」ではない、という実例をひとつ、ここに記録しておく。

まとめ|50分の使い方だけ計画的に

完全貸切で写真も外気浴も思いのまま、生源泉ポッドという飛び道具つき、カード払いまで効く800円群馬の貸切・個室で独り占めできる湯をいくつも巡ってきたが、この料金で貸切が成立する施設はそう多くない。吉井エリアに日帰り湯の選択肢はほぼないので、高崎南部〜富岡方面の湯めぐりに組み込む価値は十分ある。

唯一の注意は時間だ。じゃらんには、宿泊でも時間制限のため長風呂派には物足りないという趣旨の口コミがあったが、50分は思ったより短い。私はデッキの外気浴を欲張った結果、湯に浸かっていたのは正味20分ほどだった。次は湯に集中する。たぶん。

湯上がりの昼は、柴崎町の農家カフェnofu(ノーフ)まで車で移動して、朝どり野菜のランチにした。貸切湯と野菜ファーストの昼食のセットは収まりが良い。

よくある質問

Q. 湯端温泉は予約なしで日帰り入浴できますか?
A. できません。完全予約制で、公式サイトによると予約受付は希望日の3日前から。電話(027-384-8602)で日帰り入浴の希望を伝えます。

Q. 湯端温泉の日帰り入浴の料金はいくらですか?
A. 2026年7月時点で大人750円+入湯税50円(計800円)、子供(3歳〜小学生)450円。タオルレンタルは250円です。クレジットカードが使えました。

Q. 楽天トラベルやじゃらんから予約できますか?
A. 2026年7月時点では楽天トラベルに予約可能なプランがなく、じゃらんも受付停止中です。日帰り入浴の予約は電話のみと考えてください。

Q. 離れの「湯端の湯」には日帰りで入れますか?
A. 2026年7月時点の公式の日帰り案内は母屋「ホタルの湯」のみで、離れは対象外です。最新の運用は予約の電話であわせて確認するのが確実です。

基本データ

項目内容
施設名湯端温泉
所在地群馬県高崎市吉井町多比良3309-1
アクセス車が現実的。ナビは施設名でなく住所検索が確実(地図アプリで別の場所が候補に出る例あり)。道中に道幅の狭い区間あり
駐車場敷地内にあり・無料
日帰り入浴11:00〜16:00・50分完全貸切・要電話予約(3日前から)・定休 月火水
料金大人750円+入湯税50円=800円/子供(3歳〜小学生)450円・3歳未満無料/タオルレンタル250円(2026年7月時点)
支払い現金・クレジットカード
泉質ナトリウム-塩化物冷鉱泉(低張性弱アルカリ性冷鉱泉)・加温・加水・循環ろ過・塩素系薬剤使用
源泉湯端の湯(泉温15.0℃・自然湧出・令和3年11月分析)
電話027-384-8602
公式https://yubataonsen.my.canva.site/

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