
日曜の昼過ぎ、雨。群馬県中之条町六合(くに)の尻焼温泉(しりやきおんせん)まで来て、川に足を入れたら冷たかった。それで配管から落ちる熱い湯で顔だけ洗って、川を離れた。今回はその記録です。
- 川の湯は川そのものが湯船になる無料の野天風呂。脱衣所も番台もない
- 雨で川が濁り、水量が増えて湯温が保てなかった日の実例
- 200m手前の無料駐車場に停め、入口の看板から石段をゆっくり2分
- 入れない日に頼れる屋内の湯が同じ尻焼に2軒ある(星ヶ岡山荘・弁天の湯)
料金・時間は2026年9月時点。川の湯は無料で、営業時間もありません。
尻焼温泉 川の湯とは|川底から湧く湯をせき止めた無料の野天
尻焼温泉は、長笹沢川(ながささざわがわ)の川底から温泉が湧き、それを堰でせき止めて川ごと湯船にしてしまった温泉です。中之条町の公式サイトは「いつでも入れます」と案内し、料金は無料。水着の着用をすすめています。名前の由来は、川底から湧く湯でお尻が焼かれるような感覚から、と町の観光協会が伝えています。尻焼の宿、星ヶ岡山荘の公式サイトはこの川風呂を「源泉かけ流し」と表現しています。
川の湯の脇には、かつて屋根付きの内湯小屋(湯屋)がありました。町公式によると、この小屋は2025年5月上旬まで設置され、管理していた地元の組合が解体しています。古いブログや写真に写っている小屋は、もう現地にありません。
そして町公式にはもう一つ、はっきりした注意書きがあります。「大雨や融雪等で川の水量が増えたりすると入浴ができません」。今回の私は、まさにこの一文を体で確かめに行った形になりました。
駐車場から川風呂入口まで|200m手前の無料P→看板→石段2分

車は川の湯の200mほど手前にある無料の駐車場に停めました。そこから県道を歩くと、道端に「川風呂入口」と書かれた手書きの看板が立っています。看板の下から、草に覆われた石段が川へ向かって下りていきます。
雨の日でしたが、看板からゆっくり歩いて2分ほどで川岸に着きました。足元は苔と濡れた石なので、サンダルよりは濡れてもいい靴のほうが安心です。
当日の川の湯|濁った水、増えた水量、冷たい足先

川岸に立つと、川は茶色く濁り、堰を越える水が白く泡立っていました。晴れた日の訪問記でよく見る、底の石が透ける澄んだ湯とはまったく別の顔です。人は誰もいません。
堰の上段は、縁が赤茶に色づいています(析出物なのか藻なのかは確かめていません)。雨の中でも水面から湯気が上がっていたので、湯が湧いているのは間違いない。それでも足を入れてみると、冷たかった。川の水が増えて、湧き出す湯を押し流してしまっているようでした。

ここで入るのはやめました。町公式の注意は、実際には「足が冷たい」という形で体に伝わってきます。増水といっても、川が氾濫するような光景ではありません。初めての訪問なので平常時との差は分かりませんが、それでも湯温は保てない。ここが野天の川風呂の難しさです。
配管から落ちる熱い湯で、顔だけ洗った

堰の脇の岩場に、配管が何本か通っています。そのうちの一本から、勢いよく湯が落ちていました。湯口ではなく配管なので、本来の入浴設備というより、湯を流す経路の一部だと思います。手を当てると熱い。温度計は持っていないので手の感覚ですが、42℃くらいでしょうか。川の水は冷たいのに、ここだけは温泉の温度でした。
せっかく来たので、その湯で顔を洗いました。はるばる車で来て、川の湯での成果は顔一つ分の温泉。それでも川を離れる車内で、なぜか少しだけ満足していました。
泉質と湯の性格|数値は書けないが、泉質名は町が公表している
川の湯には分析書の掲示が見当たりませんでした。ですので、この記事では成分の数値を書きません。町公式サイトは泉質を「カルシウム・ナトリウム・硫酸塩・塩化物温泉」と公表しています(標準表記ならカルシウム・ナトリウム-硫酸塩・塩化物温泉)。六合の里温泉郷組合の案内でも硫酸塩・塩化物系の湯として紹介されています。
同じ尻焼温泉でも、宿や町営施設が引いている源泉は分析書が掲示されています。ただ、それらは川の湯と同じ源泉とは限りません。数値で知りたい方は、星ヶ岡山荘と弁天の湯の記事で確認してください。
効能については、温泉法にもとづく掲示に適応症がある施設で引用する方針です。川の湯は掲示がないため、ここでは触れません。
川の湯のマナーと注意|脱衣所なし・水着推奨・撮影は無人のときだけ
- 脱衣所はありません。 町公式は水着の着用をすすめています
- 混浴です。 私は入っていませんが、過去の訪問記では男性は裸、女性は水着や湯浴み着という記述が多く見られます
- 撮影は慎重に。 人がいる場所で写真を撮る場合は声をかける、動画は撮らない、という貼り紙があったと伝える訪問記があります。私が行った日は貼り紙を確認できませんでしたが、人がいる場面では撮らないのが無難です。今回の写真はすべて誰もいない状態で撮っています
- 増水・融雪時は入浴不可(町公式)。前日までの雨量を見て判断してください
- 過去の訪問記では、苔で滑る、深い場所がある、橋の下にハチの巣があった、といった注意が書かれています
入れない日の代替|日帰りで入れる屋内の湯が同じ尻焼に2軒
川の湯に入れなくても、同じ尻焼温泉の中に屋根つきの湯があります。私はこの日、星ヶ岡山荘と弁天の湯の両方に入って帰りました。
- 星ヶ岡山荘(尻焼温泉の宿):日帰り入浴は12:30〜14:30(最終受付13:45)、大人900円、水・木曜定休。内湯と川沿いの野天風呂があり、掲示の温泉利用証では循環なしの放流式(加水あり)。不定期の休みがあるので、公式は利用前の電話確認をすすめています。→ 詳しくは星ヶ岡山荘の日帰り入浴レビューへ
- 弁天の湯(中之条町営の日帰り施設):12:30〜19:30(最終入館19時)、町外者500円、月曜定休(祝日は営業)。タイル張りの内湯が一つ。→ 詳しくは弁天の湯レビューへ
もう1軒の宿、光山荘の日帰り受け入れは私が確認していないので、使うなら電話で現況を聞いてください(0279-95-5126)。
どちらも受付開始が12:30なので、午前中に川の湯へ行って入れなかった場合は、少し待つことになります。休みが星ヶ岡は水・木、弁天の湯は月なので、月・水・木は代替が1軒に減ります。川の湯の様子を見てから昼食にして、12:30に星ヶ岡か弁天の湯へ、という順番が組みやすいです。私はその昼食を、途中の道の駅八ッ場ふるさと館の八ッ場ダムカレーで済ませました。
同じ六合地区では、道の駅六合にある応徳温泉くつろぎの湯も源泉かけ流しの湯です。名物は黒い湯の花で、日によって白い析出物に表情を変えます。尻焼から草津方面へ抜ける途中に寄れます。
まとめ|入れなかった日にも、川の湯は答えを持っていた
川の湯は無料で、いつでも入れて、川そのものが湯船。その代わり、湯温を決めるのは天気です。雨の日曜に足だけ入れて川を離れた私の記録は、失敗談というより、町の「大雨や融雪等で川の水量が増えたりすると入浴ができません」という一文の実物写真だと思って読んでもらえれば十分です。
次は晴れが続いた日に、湯桶とサンダルを持って出直します。川の水が引いた尻焼で、湯に尻を焼かれる感覚を確かめるまでは、この記事の続きは書けません。
よくある質問
Q. 尻焼温泉 川の湯は無料で入れますか?
A. 無料です。中之条町公式は「いつでも入れます」と案内していますが、大雨や融雪で川の水量が増えると入浴できません。脱衣所はなく、水着の着用がすすめられています。
Q. 雨の日や雨上がりでも入れますか?
A. 川の水量次第です。私が行った雨の日曜は、川が濁って水量が増え、足を入れると冷たくて入浴できませんでした。前日までの天候を見て判断し、入れない場合は同じ尻焼温泉の星ヶ岡山荘(日帰り12:30〜14:30・900円・水木休・不定休ありで要電話確認)か町営の弁天の湯(12:30〜19:30・町外者500円・月曜休)が代替になります。
Q. 川沿いにあった小屋(内湯小屋)はまだありますか?
A. ありません。町公式によると、令和7年(2025年)5月上旬まで設置されていた内湯小屋は、管理していた地元の組合により解体されました。現在は川の湯そのものだけです。
Q. 駐車場はどこにありますか?
A. 川の湯の200mほど手前に無料の駐車場があります。そこから道端の「川風呂入口」の看板まで歩き、石段を下りてゆっくり2分ほどで川岸に着きます。
基本データ表
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 施設名 | 尻焼温泉 川の湯 |
| 所在地 | 群馬県吾妻郡中之条町大字入山(六合地区) |
| アクセス | 車:渋川伊香保ICから約1時間50分(群馬県観光公式)。バス:長野原草津口駅から六合路線バス「花敷温泉」下車、徒歩約10分 |
| 営業時間 | 制限なし(町公式「いつでも入れます」)。増水・融雪時は入浴不可 |
| 料金 | 無料 |
| 設備 | 脱衣所なし・水着推奨・混浴 |
| 泉質 | カルシウム・ナトリウム・硫酸塩・塩化物温泉(中之条町公式の表記のまま。分析書の掲示は見当たらず) |
| 駐車場 | 200m手前に無料駐車場 |
| 公式 | https://www.town.nakanojo.gunma.jp/soshiki/9/1214.html |



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