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前橋 みやたや|13時も満席の魚食堂ランチ ときあじ刺身定食

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金曜の昼、前橋の本町。13時を過ぎれば空いているだろうという私の浅い読みは、駐車場残り4台という形で採点された。店内はほぼ満席。それでも席には座れた。回転が速い。

店の名は「みやたや」。大将のInstagramの自己紹介にはこうある。「海無し県群馬前橋のしがない定食屋でございます」。

しがなくない。この店の大将は、東京・上野の洋食の名店「上野精養軒」で7年修業し、早朝は築地市場で買い付けを担当していた人だ(前橋市の広報紙「前橋まちなか新聞」で紹介された経歴)。その目利きが今、前橋に戻ってこの食堂の包丁を握っている。

みやたや外観。オレンジの日よけに「御食事・御宴会」の縦看板、軒先には「魚料理」の赤提灯
みやたや外観。オレンジの日よけに「御食事・御宴会」の縦看板、軒先には「魚料理」の赤提灯

みやたやとは|冷凍を使わない、その日の魚だけ

場所は前橋市本町1丁目。前橋中心街の交差点の角で、昼は魚の定食、夜は海鮮居酒屋として営業している。

方針がはっきりしている。冷凍ものは使わない。その日に仕入れた魚だけを出す。だからメニューは日替わりで、壁の手書き短冊がその日の全てだ。

大将が広報紙で語っていた言葉が良い。「前橋の人はマグロばかり食べるが、それ以外にも美味しい魚がたくさんあることを知ってほしい。特に若い世代に」。

みやたやの店内|黄色い手書き短冊メニューの洪水

入口を入ると、まず黄色。

入口横の壁一面に貼られた手書きの黄色いPOP。「今日は宮城県気仙沼 本のかつお」「長崎県松浦港 ときあじ」「極上岩牡蠣 夏輝」の文字
入口横の壁一面に貼られた手書きの黄色いPOP。「今日は宮城県気仙沼 本のかつお」「長崎県松浦港 ときあじ」「極上岩牡蠣 夏輝」の文字

「にしんで感動」「あじに恋する季節」。「ひめだい」の短冊にはハートマークと、小さく「かわいい」の書き添えがある。営業文句というより、大将の独り言に近い。この日の貼り紙によれば、かつおは宮城県気仙沼、あじは長崎県松浦港、岩牡蠣は「夏輝(なつき)」。海なし県の食堂の壁に、日本中の港の名前が並ぶ。

カウンターの頭上を埋め尽くす、その日の手書き短冊メニュー
カウンターの頭上を埋め尽くす、その日の手書き短冊メニュー

カウンターの上も短冊だらけで、初見では全部を読み切れない。店内はカウンターと座敷席で、宴会用の個室も備える。ランチは予約不可なので、みんな並んで入る。

ときあじ刺身定食 1,400円

この日の主役はこれ。

ときあじ刺身定食1,400円。ご飯・あら汁・小鉢・デザート付きの構成
ときあじ刺身定食1,400円。ご飯・あら汁・小鉢・デザート付きの構成

「ときあじ」は、「旬あじ」と書いて「ときあじ」と読む長崎のブランドアジのこと。五島・対馬海域のまき網で獲れたマアジのうち、100g以上で目利きの選別を通ったものだけが名乗れる(松浦市観光情報・西日本魚市の解説より)。漁期は4〜8月とされるから、7月はど真ん中だ。

それが前橋の食堂で、姿造り1,400円(訪問時価格)。尾までついた盛り付けで、身は厚めに引いてある。新鮮そのもので、臭みは皆無。みそ汁はあら汁で、身も入っている。脇役まで魚で固めてある。

刺身盛り合わせ定食 2,000円

もう一品、刺身盛り合わせ定食(2,000円・訪問時価格)も。この日はカツオ・ヒラマサ・ホタテの三種盛りだった。

刺身盛り合わせ定食2,000円。この日はカツオ・ヒラマサ・ホタテの三種
刺身盛り合わせ定食2,000円。この日はカツオ・ヒラマサ・ホタテの三種

白状すると、ときあじを目当てに来た日に、一番旨かったのはカツオだった。決め手は脂のノリと厚み。入口の貼り紙が「超絶極旨当年鰹」とまで言い切っていた気仙沼もので、あれは自画自賛ではなかった。主役を張るために来た魚が、脇に食われる。そういう日もある。念のため言えば、ときあじが負けたのではない。外れの皿が一枚もなかっただけだ。

小鉢は魚ではなく鶏肉。そしてトレーの隅に、こんにゃくゼリー(メロン味)がちょこんと載っている。日本中の港から魚を引いてくる本気の店の、締めがメロン味のこんにゃくゼリー。この緩急は狙って出せるものではない。

実用情報(2026年7月時点)

項目内容
店名みやたや
住所群馬県前橋市本町1-3-8
営業時間ランチ 11:30〜14:00/ディナー 17:00〜21:00(L.O.20:40)
定休日木曜・日曜・祝日
価格帯(昼)定食750〜2,400円前後(日替わり。今回はときあじ刺身定食1,400円・刺身盛り合わせ定食2,000円)
支払い現金のみ
駐車場あり(昼のピーク帯は満車になりやすい)
予約ランチは不可(並び順)/夜・宴会利用は店に要確認

臨時のランチ休業が大将のInstagram(@miyataya_nao)で告知されることがあるので、遠方から行くなら出発前に確認しておくと安心。

混雑については、開店前から並ぶ日もある人気店だが、金曜13時過ぎの訪問ではほぼ満席ながら待ちゼロで座れた。ピークを少し外すのが現実的だと思う。

まとめ|海なし県で海の魚を食べるなら

群馬は海なし県だが、魚がうまい店はちゃんとある。買って帰るなら、同じ本町で店先の炭火で鮎を焼く魚健や、角上魚類今井鮮魚店。座って食べるなら、この「しがない定食屋」だ。

前橋の中心街には駅前天然温泉のゆ〜ゆもあるから、風呂と魚を一日で済ませる組み立てもできる。サウナ派なら、千代田町の予約制サウナナウサという手もある。実際この日は、昼メシのあとそのままナウサへ行った。温泉ブログとしては、そういう使い方をすすめたい。

日替わりなので、この記事の皿が次に行ったときにあるとは限らない。それがこの店に通う理由になる。少なくとも「しがない」だけは、謙遜として聞き流すのが正しい。

魚ではなくラーメンの気分なら、百名店「おさだ」出身の店主が打つワンタン麺の新店支那ソバ雲呑渦(元総社町)も前橋で書いている。

前橋のそばランチなら、赤城山麓の桑風庵 本店(赤城山麓)(自家栽培そばを合・升で量り売り)も。

よくある質問

Q. みやたやの支払いは現金のみ? A. 現金のみです(訪問時に確認)。カード・QRコード決済は使えません。

Q. 予約はできる? A. ランチは予約不可です。並んで入る方式で、昼はピークを外すと入りやすくなります(金曜13時過ぎでほぼ満席・待ちなしでした)。夜の宴会利用については店に確認してください。

Q. 駐車場はある? A. 駐車場があります。昼のピーク帯は埋まりやすいので注意してください。

Q. メニューは固定? A. その日の仕入れ次第の日替わりです。壁の手書き短冊がその日のメニューで、冷凍ものは使わない方針の店です。

Q. 予算はどのくらい? A. 昼は定食で750〜2,400円前後です(日替わり)。今回はときあじ刺身定食1,400円、刺身盛り合わせ定食2,000円でした(訪問時価格)。

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