土曜の昼、前橋の元総社。13時半に着けば昼のピークは過ぎているだろうという読みは、店内7割の埋まり具合と、そのあと途切れずに入ってくる後客で否定された。
店の名は「支那ソバ 雲呑 渦」。読みは「しなそば わんたん うず」。2024年9月10日にオープンした、開業から2年足らずの店だ。もっとも、店主が背負ってきた看板を思えば、ただの新店ではない。

支那ソバ雲呑渦とは|百名店「おさだ」で修業した店主のUターン開業
店主は東京・板橋大山の「支那ソバ おさだ」で修業した人だ。おさだは食べログのラーメン百名店(部門ごとに上位100店を選ぶ企画のこと)に2022年から2024年まで3年連続で選ばれた店。店内に掲示されていたムック本の紹介記事の言葉を借りれば「東京・目黒『かづ屋』の系譜で知られる名店」だ。
前橋の地域メディア「めぶく」の開業記事によれば、修業先の店主に独立を勧められてのUターン開業だという。掲示の紹介記事にも、独立後も修業先の味を「完全再現することを目指して素材や製法を毎日調整」しているとある。開業まもない時期の「群馬のうまいラーメンWEB」も、休日に修業先へ通って味を磨く店主の姿を伝えていた。
スープは地鶏をはじめとした動物系のうま味に、煮干し・昆布・干しシイタケなどから取った和だしを合わせる構成。麺は自家製、ワンタンは皮から自家製。入口の木札の「自家製麺」は、この店では宣伝文句ではなく工程の説明だ。
露出のペースも早い。店内には「群馬のうまいラーメン2025→2026」(群馬のラーメン店165軒を収録したムック本)の掲載ページが誇らしげに貼ってあり、公式Instagramによれば、TRYラーメン大賞のガイド本(全国版)にも載った。受賞ではなく掲載だが、開業から日の浅い店としては十分な注目のされ方だ。
メニューと値段|券売機は現金のみ・つけソバは大盛り無料
注文は入口脇の券売機方式。現金のみで、紙幣は1,000円札だけ対応なので、万札しかない日は先に崩しておきたい。

ラインナップは支那ソバ950円、ワンタン麺1,200円、担々麺1,100円、つけソバ1,050円が主軸。券売機の脇には「つけソバご注文のお客様は大盛りサービスになります」の掲示がある。つけソバだけ大盛り無料、それ以外は麺大盛100円という区分けだ。
サイドには魯肉飯(ルーローハン=台湾式の豚そぼろ飯)350円や餃子5ヶ350円。トッピングのMIXワンタン(エビ3・肉2)350円は公式Xによれば数量限定。この日は13時半の時点で九条ネギとネギチャーシュー飯が売り切れ表示だった。開店直後を外すと、こうして少しずつ選択肢が減っていく。
担々麺系はメニューの幅が広く、無印の担々麺1,100円のほか、ワンタン担々麺1,350円、チャーシュー担々麺1,500円、チャーシューワンタン担々麺1,750円まで4段階から選べる。
ワンタン麺1,200円 実食|煮干しの効いたスープと、ぎっしり肉ワンタン
看板メニューのワンタン麺を注文。提供はゆっくりめで、席に着いてからしばらく待つ。理由まで確かめたわけではないが、少なくとも急いでいる日の駆け込みには向かない店だ。

まずスープ。動物系と和だしのバランスの上に、煮干しがちゃんと顔を出す。どれかが勝ちすぎない絶妙なところで止めてある。丼を持って飲み進める手が止まらないタイプの、澄んだ醤油スープだ。
ワンタンは餡がぎっしり。皮から手づくりというだけあって、薄いのに破れず、肉餡の詰まり方に妥協がない。「雲呑」を屋号に入れるだけのことはある。
そして焼き豚。これが面白かった。噛むほどに味が滲み出てくるのだが、その味がフルーティなのだ。あとで掲示の紹介記事を読んで合点がいった。ここのチャーシューは煮豚ではなく「おさだ」譲りの焼き豚で、表面にハチミツを塗り重ねてオーブンで焼き上げているという。あの果実のような甘みはハチミツの照りだった。
卓上の揚げ葱で味変|香ばしさと油が正解
卓上には「揚げ葱 ご自由にどうぞ」の容器が置いてある。

後半に投入すると、ネギの香ばしさと揚げ油のコクが澄んだスープに乗って、一杯で二度楽しめる。掲示の紹介記事でも「卓上の自家製揚げネギでコクをプラス」と公式に推している味変(味を変化させて楽しむこと)なので、遠慮なく使っていい。
ワンタン麺以外も実食|つけソバ・チャーシュー担々麺・餃子
再訪して、看板のワンタン麺以外も試してきた。券売機のラインナップは幅が広いが、どれも「支那ソバの一杯」で終わらない作り込みだった。
つけソバ 1,050円(大盛り無料)

つけ汁は魚介の効いた出汁に、フルーティな甘みが加わって、一口で味の層が複雑に立ち上がる。細麺をくぐらせるたびに表情が変わる、飽きの来ない一杯だった。つけソバだけ大盛り無料なのも嬉しい。
チャーシュー担々麺 1,500円

選んだのはチャーシュー担々麺1,500円。ピリ辛のスープに胡麻の香りがしっかり立ち、その奥でいろいろな出汁が混ざり合っている。担々麺にありがちな重いどろっと感は控えめで、最後まで飲み進められる仕上がりだった。
餃子 5ヶ 350円

サイドの餃子は皮が薄くてもちもち、それでいて底はパリッと香ばしく焼けている。ニンニクがしっかり効いた、ラーメンの合間にちょうどいい一皿だった。
営業時間・駐車場・混雑|売り切れ早仕舞いに注意
- 営業は10:00〜15:00、水曜定休。材料が切れ次第終了で、直近の口コミには「13時以降は売り切れ間近」という声もある
- 単日の臨時休業もわりと多い店なので、訪問前に公式Instagram・Xで当日の営業を確認するのが確実
- 駐車場は店の前と脇に十数台。口コミには「店に行列はないのに駐車場だけ満車で入れなかった」という報告が複数ある。ボトルネックは席より駐車場なので、車の場合は時間に余裕を
- 席は20席(カウンター10席・テーブル10席)。土曜13時半で7割埋まり、後客も続々だった
まとめ|前橋に「東京の名店の系譜」が普段使いの値段で
百名店で修業した店主の一杯が、前橋の郊外で、昼だけ、950円から食べられる。これはかなり贅沢な話だと思う。
支那ソバ(昔ながらの醤油ラーメンの呼び方)というジャンルは派手さがない分、スープと麺とワンタンの精度がそのまま出る。渦はその精度で勝負して、開業2年弱で、土曜のピーク明けでも席が埋まり続ける店になっていた。
前橋のランチなら、魚の定食のみやたや、海鮮居酒屋ランチの魚健、RK by lalu のナウサもこのブログで書いている。ワンタン好きなら高崎の鳴神食堂も雲呑トッピングがある。
ちなみに店内に貼ってあった掲載誌はこれ。渦を含む165軒を収録していて、提示すると麺大盛りなどの特典が受けられるクーポンカード「ラーパス」付き(渦は麺大盛りサービス対象)。群馬のうまいラーメン2025→2026(Amazon)
前橋のそばなら、赤城山麓の桑風庵 本店(赤城山麓)(自家栽培・合升の量り売り)も書いている。
群馬の濃厚タンメンなら、伊勢崎のフタツメ伊勢崎店も書いている(※筆者は現金を忘れて食べ損ねた敗戦記だが、支払いは現金のみという実用情報つき)。
店舗情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 店名 | 支那ソバ 雲呑 渦(しなそば わんたん うず) |
| 住所 | 群馬県前橋市元総社町1251-1 |
| 電話 | 070-1472-5327 |
| 営業時間 | 10:00〜15:00(材料切れ次第終了) |
| 定休日 | 水曜(臨時休業は公式SNSで告知) |
| 席数 | 20席(カウンター10席・テーブル10席) |
| 支払い | 現金のみ(券売機・紙幣は1,000円札のみ) |
| 駐車場 | あり(十数台・混雑時は満車注意) |
※価格・営業情報は2026年7月時点。
よくある質問
Q. 支那ソバ雲呑渦の駐車場はありますか? A. 店の前と脇にあわせて十数台分あります。昼のピークは満車になることがあるため、確実なのは開店直後〜昼前の時間帯です。
Q. 支払いにキャッシュレスは使えますか? A. 現金のみです。入口脇の券売機で食券を買う方式で、紙幣は1,000円札のみ対応です。
Q. 何時までに行けば売り切れを避けられますか? A. 営業は10:00〜15:00ですが材料切れ次第終了です。直近の口コミには「13時以降は売り切れ間近」という声もあるため、昼前までの到着が安全圏です。単日の臨時休業も多い店なので、訪問前に公式InstagramかXで当日の営業確認をおすすめします。



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