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源泉湯乃庵(太田)日帰り|高張性の濃い塩湯とサウナ88℃

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フィットネスクラブ「NOMA FITNESS CLUB」の建物。湯乃庵はこの建物に併設されている
フィットネスクラブ「NOMA FITNESS CLUB」の建物。湯乃庵はこの建物に併設されている

金曜の14時ごろ、太田市下浜田町の「源泉 湯乃庵(ゆのあん)」へ。フィットネスクラブの建物に温浴ゾーンがくっついた、見た目は地味な日帰り温泉だ。行く前に私が期待していたのは、公式サイトにあった「加水は一切せず源泉をかけ流しにしています」の一文だった。東毛(群馬の東部)で源泉かけ流しの湯に入れるなら、と期待して出かけた。ところが館内の掲示を読むと、話は少し違っていた。

  • 露天岩風呂の源泉は溶存物質10.591g/kg。療養泉の基準(1g/kg)の10倍を超える、高張性のナトリウム-塩化物温泉
  • 加水なしの「源泉100%」は本当。ただし現地の掲示ではろ過循環と塩素消毒ありで、湯は縁からあふれていなかった
  • 温泉なのは露天だけ。内湯と水風呂は地下200mからくみ上げた地下水(掲示より)
  • サウナは温度計で88℃、水風呂は温度計で20℃。平日の入泉料は500円で、受付でPayPayが使えた

料金・営業情報は2026年9月時点(現地掲示と私の支払い額より)。

「かけ流し」のつもりで行ったら、掲示は循環だった

館内の温泉成分等掲示表(男子露天風呂)。下段に加水・加温・循環ろ過・入浴剤・消毒の利用状況
館内の温泉成分等掲示表(男子露天風呂)。下段に加水・加温・循環ろ過・入浴剤・消毒の利用状況

温泉を使う施設は、加水・加温・循環・消毒の有無も掲示することになっている。湯乃庵の男子露天風呂の掲示表(群馬県温泉協会作成)には、こう書いてあった。

  • 加水:加水していません。
  • 加温:温度管理のため、加温しています。
  • 循環・ろ過:衛生管理のため、循環ろ過装置を使用しています。
  • 入浴剤:入浴剤は入れていません。
  • 消毒:衛生管理のため、塩素系薬剤を使用しています。
露天岩風呂の温泉掲示事項プレート。加水「無」源泉100%、ろ過循環「有」
露天岩風呂の温泉掲示事項プレート。加水「無」源泉100%、ろ過循環「有」

館内にはもう1枚、「温泉使用浴槽(露天岩風呂)に関する温泉掲示事項」というプレートがある。

  • 加水:「無」=「源泉100%にて供給しています。」
  • 加温:「無」=「入浴に適した温度を保つため、必要に応じて加温することがあります。」
  • ろ過循環:「有」=「衛生管理のため、ろ過循環装置を使用しています。」
  • 入浴剤:「無」=「衛生管理のため、塩素系薬剤を使用しています。」(見出しは入浴剤で、説明は塩素。プレートの文言のまま)

加温だけは、掲示表の「加温しています」とプレートの「無(必要に応じて加温することがあります)」で言い方がずれる。それ以外の加水なし・ろ過循環あり・塩素消毒ありの3点は、2枚で一致している。

つまり湯乃庵の露天は「源泉100%(加水なし)の循環風呂」で、源泉かけ流しではない。公式サイト(2026年9月時点ではつながらず、4月のアーカイブで確認)の「源泉をかけ流しにしています」とは食い違うが、現地の掲示が一次資料だ。実際、露天の縁から湯があふれている様子はなかった。掲示と目の前の浴槽の辻褄は合っている。

かけ流しでなかったのは残念だが、落ち込むほどではない。加水していない以上、この湯の濃さは薄められずに浴槽まで来ているはずだからだ。

泉質データ|溶存物質10.6g/kgの「高張性」

館内に掲示された温泉分析書(調査・試験は平成23年7月、東京水質研究所)から転記する。

項目値
源泉名源泉野間の湯(太田天然温泉)
泉質ナトリウム-塩化物温泉(高張性中性高温泉)
泉温44.3℃(利用施設40℃・掲示表より)
湧出量311L/分(掘削・動力揚湯)
pH7.4
溶存物質(ガス性のものを除く)10.591g/kg
主要成分Na⁺ 2,939mg・Ca²⁺ 697.0mg・Mg²⁺ 192.2mg/Cl⁻ 6,587mg
炭酸水素イオン87.6mg
メタけい酸29.1mg

「高張性」は、溶けている成分が体液より濃い湯のこと(溶存物質がおおむね10g/kg以上)。湯乃庵の10.591g/kgは、その線をわずかに越えている。同じ太田の安眠の湯(6.16g/kg)よりも一段濃い。市営の尾島温泉 利根の湯(1.22g/kg)と比べれば、9倍近い。

成分のほとんどはナトリウムと塩化物イオンで、カルシウムも697mgとかなり多い。分析書のミリバル%(成分の割合を当量で比べた値)ではカルシウムが19.32%。20%に届かないため、泉質名に「カルシウム」は付かない。

分析書によると、湧き出した直後の湯は「微黄色微混濁、弱塩味微かなけ気臭 発泡有り」だった。私が浸かった露天の湯も、やや茶色がかっていた。

露天岩風呂のイメージイラスト(実際の湯はやや茶色で、絵の色とは異なる)
露天岩風呂のイメージイラスト(実際の湯はやや茶色で、絵の色とは異なる)

公式サイトはこの湯を、塩分でよく温まる「熱の湯」、炭酸水素イオンも含む「美人の湯」とうたっている。塩化物泉の保温については、塩分が濃いほど入浴後の体温の下がり方が緩やかだったという実測の研究がある(鏡森ら、2002年・日本温泉気候物理医学会誌)。一方「美人の湯」は俗称で、炭酸水素イオンは87.6mgと、この湯の中では脇役だ。

掲示されている適応症は、神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・冷え性・疲労回復など。泉質別の適応症として、きりきず・やけど・慢性皮膚病なども挙がっている(館内の温泉分析書の別表より。効果を保証するものではない)。環境省の現行基準では、塩化物泉の泉質別適応症は、きりきず・末梢循環障害・冷え性・うつ状態・皮膚乾燥症とされている。

濃い湯なので、入り方は控えめが無難だ。環境省の掲示基準(温泉法第18条第1項の規定に基づく禁忌症及び入浴又は飲用上の注意の掲示等の基準)は、入浴時間を最初は3〜10分程度、慣れても15〜20分程度に抑えるよう注意している。塩化物泉は「上がり湯をしない」派の人も多いが、環境省の注意書きでは、肌の弱い人や塩素消毒をしている湯は洗い流したほうがよいとされる。湯乃庵は塩素消毒ありの湯だ。

内湯と水風呂は「地下200mの地下水」

内湯のイメージイラスト(実際の湯は薄く白く、絵の色とは異なる)
内湯のイメージイラスト(実際の湯は薄く白く、絵の色とは異なる)

露天以外の浴槽は温泉ではない。掲示によると、内湯と水風呂には地下200mからくみ上げた地下水を使っている。内湯は体感で41℃くらい。内湯も水風呂も、水がうっすら白く見えた。

サウナ88℃と水風呂20℃

サウナは温度計で88℃。16人くらいは入れそうな広さに見えた。水風呂は温度計で20℃で、こちらも地下水だ。20℃は、水風呂としては穏やかなほうだと思う。露天には外気浴の椅子があった。

男湯のサウナでは、ロウリュが平日18時から、土日祝は17時から行われる(入口の掲示より)。私が行った金曜の14時ごろは時間外で、ロウリュは受けていない。サウナ目当てなら夕方以降が狙い目だろう。

88℃のサウナと20℃の水風呂という組み合わせが体にどう効くのかは、温冷交代浴の論文レビューでまとめた。

館内の掲示と、町の人の湯

館内の掲示。「毛染め・塩のご利用はご遠慮下さい」の注意書きと、オストメイトの入浴への理解を求める案内
館内の掲示。「毛染め・塩のご利用はご遠慮下さい」の注意書きと、オストメイトの入浴への理解を求める案内

館内に「毛染め・塩のご利用はご遠慮下さい。」という注意書きがあった。毛染めは分かる。塩は分からない。塩を持ち込んで、サウナを自作の塩サウナにしてしまう人でもいるのだろうか。同じ太田の安眠の湯には、塩サウナが最初から付いているのだが。

同じ掲示板には、オストメイト(人工肛門・人工膀胱を持つ人)の入浴に理解を求める案内もある。厚生労働省の「オストメイトの入浴Q&A」の資料に、支配人の手書きで「当館もオストメイトの入浴Q&Aを参考にご理解ご協力をお願い致します」と添えられていた。

館内では、常連らしいお客さんがスタッフと親しげに話している姿を何度も見かけた。観光客向けの施設というより、町の人に通われている湯なのだと思う。

食事処・岩盤浴と10月からの食事セット

入口の掲示板。9月のイベントカレンダー、営業時間、ロウリュの時間、ランチセット終了と10月からの「サービス食事セット」の告知
入口の掲示板。9月のイベントカレンダー、営業時間、ロウリュの時間、ランチセット終了と10月からの「サービス食事セット」の告知

入口の掲示板には、営業時間とイベントの案内がまとめて貼られている。この日、私は岩盤浴も食事処も使わなかったので、以下は掲示の内容だ。

  • ランチセット(入泉+食事)は2026年9月30日で提供終了
  • 2026年10月1日からは「サービス食事セット」=入泉に食事とドリンクバーが付いて、平日1,200円・土日祝1,400円
  • 岩盤浴は曜日ごとの割引日があり、例えば金曜は女性限定で通常1,000円の「入浴&岩盤」が850円
  • 毎月26日は「風呂の日」でドリンクバー100円
  • キッチンカーが来る日もある(この日の掲示では、やきそばのキッチンカーが12時〜19時)

入泉料だけなら平日500円なので、温泉とサウナだけ済ませて、太田の町でごはんにする手もある。太田で食べるなら森田屋支店 太田店の手打中華そばもどうぞ。

まとめ|かけ流しではないが、濃さは本物

湯乃庵の露天は、公式サイトが言うようなかけ流しではなく、ろ過循環・塩素消毒ありの湯だった。そこは期待と違った。それでも、加水なしの源泉100%で、溶存物質10.6g/kgという分析書の濃さは、薄められずに浴槽まで来ているはずだ。平日500円でこの濃さの塩の湯に入れて、88℃のサウナと20℃の地下水の水風呂まで付く。東毛で濃い塩の湯に入りたい日の候補に入れておく価値はある。

かけ流しにこだわる日は、群馬のかけ流しの湯を数値で並べた群馬の源泉かけ流し52湯 泉質比較データから選ぶといい。サウナのある日帰り温泉をもっと探すなら群馬の日帰りサウナ温泉にまとめている。

▶ 地下水の水風呂を、群馬のほかの水風呂と水源・温度で並べた 群馬の水風呂が尖った施設|源泉・地下水・シングル も合わせてどうぞ。

よくある質問

Q. 源泉湯乃庵はかけ流しですか?
A. 温泉を使っているのは露天岩風呂だけで、現地の掲示では加水なし(源泉100%)ですが、ろ過循環装置と塩素系薬剤を使っています。源泉かけ流しではありません。内湯と水風呂は地下水です(2026年9月時点の現地掲示より)。

Q. 源泉湯乃庵の料金と支払い方法は?
A. 大人の入泉料は平日500円です。私は受付でPayPayで払いました。土日祝の料金は、公式サイトの料金表(2026年2月時点)では650円です。

Q. 源泉湯乃庵の営業時間と休館日は?
A. 火曜〜金曜は10時〜22時30分、土日祝と月曜は10時〜21時30分で、最終入館は閉店の1時間前です(入口の掲示より)。休館日は第3月曜で、祝日の場合は前週の月曜になります(公式サイトより)。

Q. 源泉湯乃庵のロウリュは何時から?
A. 男湯のサウナのロウリュは、平日が18時から、土日祝が17時からです(2026年9月時点の入口の掲示より)。

基本データ

項目内容
施設名源泉 湯乃庵(野間フィットネスクラブ併設)
所在地群馬県太田市下浜田町474-8
電話0276-49-2211
営業時間火〜金 10:00〜22:30/土日祝・月 10:00〜21:30(最終入館は閉店の1時間前)
休館日第3月曜(祝日の場合は前週の月曜)
料金大人 平日500円(2026年9月時点)/土日祝650円・小人400円(公式サイト2026年2月時点)
支払いPayPayで支払えた(受付)
ロッカー脱衣所のロッカーは100円リターン式
泉質ナトリウム-塩化物温泉(高張性中性高温泉)
源泉源泉野間の湯(太田天然温泉)・44.3℃・311L/分
湯づかい露天岩風呂のみ温泉:加水なし・加温あり(掲示表は「加温しています」、プレートは「必要に応じて加温」)・ろ過循環・塩素消毒
内湯・水風呂地下200mの地下水
サウナ88℃(温度計)・ロウリュ 平日18:00〜/土日祝17:00〜(男湯)
公式http://noma-ss.jp/(2026年9月時点で接続できず)

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