
土曜の午前、北群馬郡吉岡町の「よしおか温泉 リバートピア吉岡」へ。道の駅よしおか温泉の中にある町の温泉施設で、家族風呂「榛名(はるな)」の10:30〜12:00枠を電話で予約しておいた。目当ては貸切の湯そのものより、貸切の湯の湯づかい(源泉に加水・加温・循環・消毒をどう施しているか)だった。事前に調べた範囲では、大浴場は循環ろ過と塩素消毒。では家族風呂はどうなのか。公式サイトには何も書いていない。浴室に入って掲示を読んだら、大浴場とは別の紙が貼ってあった。
- 家族風呂の掲示は水道水の加水だけ。加温・循環・消毒は「していません」
- 大浴場は加水・加温・循環ろ過・塩素消毒ありで、同じ館内でも湯の扱いが違う
- 榛名は部屋ごとに1.5時間2,000円。入館料(1人600円)は別。予約は電話で
- 湯はやや薄い茶色で、匂いは渋川の花湯スカイテルメリゾート(旧スカイテルメ渋川)に似ていた(個人の感想)
料金・営業情報は2026年9月時点(館内の掲示より)。家族風呂の湯は、入室したときには浴槽にためてある。蛇口のお湯の栓から出るのは温泉で、出し続ければあふれた分が入れ替わるかけ流し(加水あり)になる。水道水の加水があるので「源泉100%」ではない。
同じ建物で、大浴場と家族風呂の掲示が違う

温泉を使う施設には、加水・加温・循環・消毒の有無を掲示する決まりがある(温泉法に基づく利用状況の掲示のこと)。リバートピア吉岡では、大浴場の分と家族風呂の分が別々に掲示されていた。大浴場(浴室名「男子内湯、男子露天」)の掲示は次のとおり。
- 加水:源泉温度が高いため、地下水を加えています
- 加温:入浴に適した温度に保つため、浴槽の温度が40度以下の時加温しています
- 循環・ろ過:衛生管理のため、循環ろ過装置を使用しています
- 入浴剤:入れていません
- 消毒:衛生管理のため、次亜塩素酸ナトリウム(食品添加物)を使用しています
一方、家族風呂「榛名」の浴室内の掲示(写真1)は、利用状況の欄だけ上から紙が貼り直されていて、こう書いてある。
- 加水:源泉温度が高いため、水道水を加えています
- 加温:加温はしていません
- 循環・濾過:循環・濾過は行っていません
- 入浴剤:入浴剤は入れていません
- 消毒:消毒処理はしていません
貼り直した紙の下には、大浴場と同じ旧文言が透けて見える。大事なのは、今の掲示が「加水のみ」だということだ。加水の水が大浴場の地下水ではなく水道水になっているのも、読み比べると気づく違いである。なお水道水は、蛇口の段階で微量の塩素が残るよう決められている(水道法施行規則第17条第1項第3号。遊離残留塩素0.1mg/L以上)。「消毒処理はしていません」は、浴槽に消毒剤を入れていないという意味で読むのがよい。
循環と消毒の文字を見ると反射的に眉が動く体になってしまったが、これは趣味が高じた病であって、施設の落ち度ではない。大浴場が循環ろ過と塩素消毒なのは、不特定多数が一日中入る浴槽の衛生管理として普通のやり方だ。館内には水質検査結果書も掲示されていて、男子露天風呂と男子内風呂のレジオネラ属菌は基準内だった。私が見た範囲では家族風呂の分の検査書は見当たらなかった。

泉質データ(令和7年分析書より)
館内には温泉成分等掲示表が大浴場用・家族風呂用とも貼ってあるが、どちらも平成17年4月1日分析の古い数値だった。別に令和7年版の温泉分析書(分析終了 令和7年6月25日、群馬県薬剤師会環境衛生試験センター)が掲示されていたので、数値はそちらを正とする。

| 項目 | 令和7年分析書の値 |
|---|---|
| 源泉名 | よしおか温泉(源泉名:船尾の湯) |
| 泉質 | ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉(低張性弱アルカリ性高温泉) |
| 泉温 | 59.3℃(動力揚湯) |
| pH | 7.7(湧出地)/7.58(試験室) |
| 溶存物質(ガス性のものを除く) | 3.04g/kg(成分総計3.07g/kg) |
| 主要成分(mg/kg) | ナトリウム927.7・塩化物イオン1,272・炭酸水素イオン573.2 |
| その他(mg/kg) | メタけい酸90.8・メタほう酸70.4・遊離二酸化炭素34.3・硫化水素0.0 |
| 知覚的試験 | 淡黄色澄明(湧出地) |
溶存物質3.04g/kgは、療養泉の基準(環境省の指針で溶存物質1g/kg以上など)の3倍ほど。同じ塩化物泉でも、渋川の花湯スカイテルメリゾート(旧称スカイテルメ渋川。溶存物質8.81g/kg)よりはだいぶ薄く、「低張性」(溶けている成分が人の体液より薄い区分のこと)に収まる濃さである。pHは7.58〜7.7の弱アルカリ性で、公式サイトが言う「アルカリ泉」は、分析上はこの程度である。
適応症は、環境省の基準では、塩化物泉の泉質別適応症として「きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症」、炭酸水素塩泉として「きりきず、末梢循環障害、冷え性、皮膚乾燥症」が挙げられている。禁忌症は、環境省の基準で浴用の一般的禁忌症として、病気の活動期(特に熱のあるとき)、重い心臓・肺の病気、むくみのある重い腎臓の病気、消化管出血など出血があるときなどが挙げられている。館内の掲示にも「一般的禁忌症に準ずる」とある。持病のある人は館内掲示に従ってほしい。効果には個人差がある。
家族風呂「榛名」の中|木の壁と黒い石の浴槽

家族風呂は「赤城」と「榛名」の2室。榛名は施設の案内で2〜3人用とされている大きい方で、赤城は1〜2人用の小さい方(1.5時間1,000円)。暖簾をくぐると、脱衣スペースとガラス仕切りで区切られた浴室が見える。

壁は木張りで、浴槽は黒い石で縁取られた四角い内湯がひとつ。屋内の浴室で、洗い場はシャワー1基。脱衣側には洗面台と時計がある。浴室も脱衣側も綺麗で、居心地がいい。

入室したときには湯が張ってあった。湯は注がれておらず、縁からあふれてもいない。ここに自分で蛇口の栓を開けて湯を足す。お湯の栓から出るのは温泉で(後述の張り紙に「温泉のお湯は飲用できません」とある)、出し続ければあふれた分が流れ出て湯が入れ替わる。最初は40℃くらいだった湯が、お湯の栓を開けて足しているうちに42℃くらいになった。自分で熱くできる分、消費者庁が入浴事故の予防で勧める目安(湯温41度以下、湯につかるのは10分まで)は意識しておきたい。
色はやや薄い茶色で、大浴場と比べると家族風呂の方が若干薄く見える。肌触りに滑り感はない。炭酸水素塩泉と聞いてぬるすべを期待すると、そこは違う。浴槽の縁には白い付着があった。
匂いについて。湯に浸かって最初に浮かんだのは「スカイテルメの匂いに似ている」だった。花湯スカイテルメリゾートは分析書に「油様臭あり」とある湯で、私の鼻には木のような、アロマを思わせる匂いに感じられた。吉岡の湯も、家族風呂でも大浴場でも同じ系統の匂いがした。ただし令和7年の分析書に臭気の記載はないので、ここは私の体感である。

蛇口の上に「両方の栓 全開にしますと戻らなくなりますので少し手前で止めてください」の紙、栓にももう1枚、同じ趣旨の「注意」が結んである。同じ注意が2枚あるのは、張り紙より先に手が出る客が一定数いるからだろう。私もその一人だが、今回は読んでから開けた。人は張り紙で成長できる。
その間に「温泉のお湯は飲用できません」の札。施設が明示しているので、飲泉のつもりで行く場所ではない。
大浴場|露天も内湯も表示は40.3℃、サウナは92℃

露天風呂は大小2つで、浴槽の温度表示はどちらも40.3℃。内風呂の表示も同じ40.3℃だった。参考までに、館内の水質検査結果書(令和8年4月の採水)では、採水時の水温が男子露天風呂41.8℃、男子内風呂41.4℃と記録されていた。

サウナは室温表示で92℃、定員は11名と表示されていた。公式サイトは高温低湿のドライサウナとしていて、令和3年8月にリニューアルしたとある。水風呂は体感で20℃くらい。洗い場は仕切り付きで、公式によると令和4年11月に男女各18に改修されている。
館内・料金・支払い

料金表で押さえておきたいのは、家族風呂と個室の料金には入館料が別途かかるという一点。入館料(大人600円)は1人ごとにかかり、家族風呂の2,000円は部屋ごとの料金である(掲示に人数で割る記載はない)。ほかに食事付入館券(入館料+1,000円までのレストランメニュー1品で1,450円)と回数券(11枚綴り6,000円)がある。個室は和室の浅間(1時間1,500円)と洋室の谷川(1時間1,000円)。

支払いはクレジットカード(タッチ決済を含む)、交通系を含む電子マネー、PayPayなどのコード決済がすべて使えると掲示にあった。

ドライヤーは、家族風呂の部屋にあるものは無料で使えた。大浴場のドライヤーは有料(100円)。

ロビーには自販機とキッズスペース、マッサージ機。館内にはレストラン「和」もある(11:00〜20:00ラストオーダー)。運営は株式会社吉岡町振興公社。
アクセス|道の駅の中、バス停もある


道の駅よしおか温泉は、リバートピア吉岡と緑地運動公園、物産館かざぐるまからなる複合施設で、駐車場は道の駅と共用の広いものがある。施設名のバス停「リバートピア吉岡」があり、日本中央バスの前橋吉岡線が、上野田四つ角方面へ1日2本、群馬総社駅・前橋駅方面へ1日2本(停留所の時刻表の掲示時点)。本数はごく少ないので、バスで来るなら時刻を事前に確認したい。
まとめ|貸切の価値は「湯づかい」にある
「家族風呂は湯を独り占めできるから贅沢」という考え方もあるが、私が家族風呂代の2,000円を払う理由はそこではない。大浴場が循環ろ過と塩素消毒の施設で、加温も循環も消毒もしていない湯に浸かれる部屋が別にある。それが掲示で確かめられる。私にはこれが決め手だった。お湯の栓ひとつで、湯の入れ替わりも湯加減も自分で決められる。これは貸切ならではだ。
貸切の湯つながりでは、沼田のしゃくなげの湯の家族風呂も書いている。個室と大浴場で湯の扱いが違う構図は、渋川の小野上温泉 ハタの湯の個室「岩井堂」も同じだった。風呂上がりに食べるなら、渋川インター近くの焼肉あおぞら。この日は湯のあと、前橋市小相木町の塩ラーメン専門店ラーメン空で昼を食べた。伊香保まで足を延ばすなら伊香保 黄金の湯3湯の比較もどうぞ。
▶ 群馬の貸切・個室で入れる源泉かけ流しまとめ(家族風呂・貸切風呂で独り占めできる施設を集めている)
▶ 車なしで行く群馬の日帰り温泉|電車・バスで源泉かけ流し(1日2本のバスで行ける湯として、この施設も載せた)
▶ 群馬パスポートのスタンプ設置場所(道の駅 よしおか温泉・まえばし赤城など)の帰りに寄る湯として、群馬パスポートの帰り湯|スタンプ35市町村×近くの温泉 でも推している。
よくある質問
Q. リバートピア吉岡の家族風呂は予約が必要ですか?
A. 予約制で、公式サイトは電話での確認を案内しています。「榛名」は1.5時間2,000円、「赤城」は1.5時間1,000円(いずれも部屋ごとの料金)で、どちらも入館料(大人600円・1人ごと)が別途かかります(2026年9月時点の館内掲示より)。榛名の利用枠は10:30〜12:00、13:00〜14:30、15:30〜17:00、18:30〜20:00の4つです。
Q. リバートピア吉岡の家族風呂は源泉かけ流しですか?
A. 蛇口のお湯を出している間は、加水ありのかけ流しになります。入室時の湯は浴槽にためてあり、お湯の栓(温泉)を出し続ければ、あふれた分が流れ出て入れ替わるかけ流し(加水あり)の状態になります。浴室内の掲示では、源泉温度が高いため水道水を加えており、加温・循環濾過・消毒はしていません。加水があるので「源泉100%」ではありません。
Q. 大浴場と家族風呂で湯づかいは違いますか?
A. 違います。大浴場の掲示は地下水で加水し、40度以下のとき加温、循環ろ過装置と次亜塩素酸ナトリウムを使用。家族風呂の掲示は水道水の加水のみで、加温・循環濾過・消毒はしていません。
Q. リバートピア吉岡でクレジットカードや電子マネーは使えますか?
A. 使えます。館内の掲示では、クレジットカード(タッチ決済を含む)、交通系を含む電子マネー、PayPayなどのコード決済に対応しています。
基本データ表
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 施設名 | よしおか温泉 リバートピア吉岡(道の駅よしおか温泉内) |
| 所在地 | 群馬県北群馬郡吉岡町漆原1989 |
| アクセス | 道の駅よしおか温泉の駐車場を利用。バス停「リバートピア吉岡」(日本中央バス 前橋吉岡線・上野田四つ角方面と群馬総社駅・前橋駅方面へ各1日2本=掲示時点) |
| 営業時間 | 温泉10:00〜21:00(最終入館受付20:30)。レストラン「和」11:00〜20:00(ラストオーダー)。休館日は月1〜2日(公式サイトのお知らせで確認) |
| 料金 | 入館料 大人600円・小人(小学生以下)400円・4歳未満無料。家族風呂「榛名」1.5時間2,000円・「赤城」1.5時間1,000円(いずれも入館料別途・電話予約制)※2026年9月時点 |
| 家族風呂「榛名」の枠 | 10:30〜12:00/13:00〜14:30/15:30〜17:00/18:30〜20:00 |
| 支払い | クレジットカード(タッチ決済可)・電子マネー・コード決済いずれも可(館内掲示) |
| 泉質 | ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉(低張性弱アルカリ性高温泉) |
| 源泉 | 源泉名「船尾の湯」。泉温59.3℃・pH7.58(試験室)・溶存物質3.04g/kg(令和7年6月25日分析終了) |
| 湯づかい(掲示) | 家族風呂=水道水で加水・加温なし・循環濾過なし・消毒なし(入室時はため湯・お湯の栓を出し続ければかけ流し)/大浴場=地下水で加水・40度以下で加温・循環ろ過・次亜塩素酸ナトリウム消毒 |
| サウナ・水風呂 | ドライサウナ(室温表示92℃・定員11名)・水風呂あり(体感20℃くらい) |
| 公式 | https://www.yoshioka-onsen.jp/ |



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