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法師温泉 長寿館 日帰り入浴|足元から湧く混浴の法師乃湯

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法師温泉 長寿館の外観。木造の本館と渡り廊下、手前の橋
法師温泉 長寿館の外観。木造の本館と渡り廊下、手前の橋

日曜の昼、みなかみ町の法師温泉 長寿館へ。三国峠の手前、国道17号から山側へ入った一軒宿で、日帰り入浴は1,500円、受付は11:00から13:30まで。浴室は3つあるが、日帰りの時間帯に男性が入れるのは、国登録有形文化財の浴舎「法師乃湯」だけだった。

先に結論。

  • 法師乃湯は混浴。湯浴み着もバスタオル巻きも不可で、浴室への撮影機器の持ち込みは禁止(入口掲示)。だからこの記事に湯船の写真はない
  • 湯づかいの掲示は、加水・加温・循環ろ過・入浴剤・消毒の5項目すべて「なし」。源泉は浴槽の底から湧く(公式サイトの表現で「足元から源泉が湧き上がる」)
  • 体感はぬるめの40度弱。無色透明で匂いはなく、私が入った時間は団体客と重なって40人ほどいて、それでも湯は濁らなかった

三国街道の奥、杉木立を抜けて本館へ

町営バスのバス停「法師」。まんてん星の湯行きの時刻表が貼られている
町営バスのバス停「法師」。まんてん星の湯行きの時刻表が貼られている
駐車場脇に立つ石碑。奥に杉木立
駐車場脇に立つ石碑。奥に杉木立

車で来る人が大半だと思うが、バス停はある。みなかみ町営バスの「法師」停留所で、まんてん星の湯行きが1日4本(時刻は基本データ表に)。バスで来るなら、帰りは14:23の便が日帰り入浴(館内14:00まで)のあとに乗れる最初の1本になる。

駐車場から宿へは、石碑の脇を抜けて歩く。杉木立の先に木造の本館が見えてくる構図は、旅の雑誌で何度も見たとおりだった。群馬に住んでいても、ここは遠い。

日帰り受付は帳場で。現金のみ、貴重品は預ける

法師乃湯へ向かう廊下の掲示。貴重品の盗難があったこと、貴重品は帳場へ預けること、館内の見回りをしていることが書かれている
法師乃湯へ向かう廊下の掲示。貴重品の盗難があったこと、貴重品は帳場へ預けること、館内の見回りをしていることが書かれている

玄関を入ると帳場(フロント)があり、日帰り入浴はここで申し込む。料金は大人(中学生以上)1,500円、こども(3歳〜小学生)500円。日帰り入浴の支払いは現金のみと言われた。受付は11:00から13:30まで、館内の利用は14:00までで、水曜は清掃のため日帰り入浴ができない。ほかに不定休があるので、遠くから来るなら電話で確かめてから出るのが安全だ。私が帳場の列に並んでいる間に、観光バスの団体が到着した。

法師乃湯へ向かう廊下の掲示には、貴重品の盗難があったことと、貴重品を帳場に預けることが書かれていた。財布やスマホは車か帳場に残していくのが前提になる。

法師乃湯|足元から湧く混浴の湯。撮影機器は持ち込み禁止

法師乃湯の入口。暖簾の脇に、撮影機器の浴室持ち込みを禁止する掲示
法師乃湯の入口。暖簾の脇に、撮影機器の浴室持ち込みを禁止する掲示
浴室の時間割。法師乃湯は11:00〜20:00混浴・20:00〜22:00女性専用、玉城乃湯と長寿乃湯は時間帯で男女が切り替わる
浴室の時間割。法師乃湯は11:00〜20:00混浴・20:00〜22:00女性専用、玉城乃湯と長寿乃湯は時間帯で男女が切り替わる

法師乃湯は混浴で、時間割では11:00から20:00までが混浴、20:00から22:00が女性専用。湯浴み着やバスタオルを巻いて入ることはできない(公式サイト明記)。入口には、浴室への撮影機器の持ち込みを禁止する掲示があった。湯船の様子は公式サイトの写真で見てほしい。

法師乃湯のイメージイラスト(浴室は撮影禁止のため。浴槽の数や配置は実際と同じではない)
法師乃湯のイメージイラスト(浴室は撮影禁止のため。浴槽の数や配置は実際と同じではない)

浴槽は太い丸太で4つに区切られ、更衣室側に2列、奥に2列という並びだ。浴室で常連らしい客が話していたところでは、この2列ずつで源泉が違うという。更衣室側の2列には湯口があり、そこから湯が注がれていた。奥の2列に湯口はなく、湯は浴槽の底から直接湧いてくる。公式サイトの言葉を借りれば「足元から源泉が湧き上がる」湯で、私が別記事の比較表でも「国内屈指の足元湧出」と書いてきた本体は、この奥の2列だ。

その日は観光バスの団体と時間が重なり、浴室には40人くらいいた。混浴の緊張感は、40人が入ってくると消える。ただの混んだ銭湯の空気になった。それでも湯は濁らず、無色透明のまま。匂いもない。奥の列の、底から湧いてくる湯は、これだけ人が入っても入れ替わり続けているのだと思った。体感はぬるめで、40度弱くらい。長く入っていられる温度だ。

足元から湧く湯に浸かると、島根の千原温泉(美郷町の千原湯谷湯治場)を思い出す。あちらは黄褐色の炭酸のにごり湯で、公式案内のとおり底から泡が上がる34度前後のぬる湯だった。法師乃湯は同じ足元湧出でも無色透明で、湯の顔つきはまるで違う。千原と奥の2列に共通するのは、湯口という「見せ場」がなく、湯船そのものが源泉だということだ。

湯づかい|5項目すべて「なし」の掲示

法師乃湯の温泉成分等掲示表(平成28年3月29日分析)。利用状況の欄に加水・加温・循環ろ過・入浴剤・消毒の5項目
法師乃湯の温泉成分等掲示表(平成28年3月29日分析)。利用状況の欄に加水・加温・循環ろ過・入浴剤・消毒の5項目

浴室の掲示表(群馬県温泉協会の様式、平成28年3月29日分析)には、温泉の利用状況として、加水なし・加温なし・循環ろ過なし・入浴剤なし・消毒剤なしと書かれている。源泉名は法師温泉(旭の湯)。泉温41.5℃、pH8.5。この5項目がすべて「なし」であることが、私が「源泉かけ流し」と書く根拠になる。公式サイトは「加温・加水・循環といった人工的な処理をほとんど行わない」という控えめな言い方をしているが、掲示の方が踏み込んでいる。

泉質データ(令和5年1月12日調査の分析書より)

温泉分析書。源泉名 法師温泉(旭の湯)、令和5年1月12日調査、カルシウム・ナトリウム-硫酸塩温泉
温泉分析書。源泉名 法師温泉(旭の湯)、令和5年1月12日調査、カルシウム・ナトリウム-硫酸塩温泉

館内には源泉ごとの分析書が3枚あり、旭の湯と寿の湯は令和5年1月12日調査、官行の湯は令和8年2月27日調査のものだった。法師乃湯の源泉「旭の湯」の値は次のとおり。

項目値
源泉名法師温泉(旭の湯)
泉質カルシウム・ナトリウム-硫酸塩温泉(低張性アルカリ性高温泉)
泉温42.1℃(調査時の気温8℃)
湧出量218L/分(自然湧出)
pH8.5
溶存物質1.22g/kg
主な陽イオンカルシウム 265.2mg/kg、ナトリウム 95.3mg/kg
主な陰イオン硫酸イオン 693.2mg/kg、塩化物イオン 110.0mg/kg
メタけい酸41.9mg/kg
調査日令和5年1月12日(分析 令和5年1月23日)

溶存物質が1kgあたり1.22gで、療養泉の基準(溶存物質1.0g/kg以上)を満たす。陽イオンはカルシウムが4分の3を占め、陰イオンは硫酸イオンが8割。この組み合わせが「石膏泉」と呼ばれた泉質で、館内には昭和32年の検定書も掲げてあり、当時の泉質名はそのまま「石膏泉」だった。

昭和32年の温泉検定書。源泉名 旭の湯、泉質は石膏泉、泉温42.9℃
昭和32年の温泉検定書。源泉名 旭の湯、泉質は石膏泉、泉温42.9℃

分析書の適応症の欄では、泉質別適応症として、きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症があげられている(環境省の基準に基づく療養泉の分類で、硫酸塩泉に共通のもの)。泉質別の禁忌症は「該当項目なし」。効能は分析書の欄のとおり。私に言えるのは、ぬるくて長く入っていられた、というところまでだ。

館内には、源泉「寿の湯」(41.6℃・pH8.5・溶存物質1.21g/kg)と、「官行の湯」(27.7℃・pH8.4・単純温泉・溶存物質0.55g/kg、令和8年2月調査)の分析書も掲げてあった。どの浴槽にどの源泉が引かれているかは分析書には書いていない。私が入ったのは旭の湯の法師乃湯だけだ。

長寿乃湯と玉城乃湯|日帰りで入れる浴室は男女で違う

時間割を読み直すと、日帰りの時間帯に入れる浴室は男女で違う。

  • 法師乃湯:混浴(男女とも)
  • 長寿乃湯:11:00〜15:00は女性専用、15:00〜20:00が男性専用、20:00以降は女性専用
  • 玉城乃湯:11:00〜15:00は準備中(清掃)で、15:00から女性、20:00から男性

つまり日帰りの男性は法師乃湯の1択、女性は法師乃湯と長寿乃湯の2択になる。長寿乃湯は公式サイトによると法師乃湯と同じ足元湧出で、冬期のみ加温がある。玉城乃湯は単純泉を加温・循環で使う露天付きの浴室で、こちらは日帰りの時間には入れない。「3つの浴室」と聞いて来ると、男性は肩透かしを食う。その代わり、入れる1つが本命だ。

国登録有形文化財の3棟と、明治8年からの歴史

国登録有形文化財の登録証3枚。本館・法師乃湯浴舎・別館(登録証の記載では平成18年8月3日登録)
国登録有形文化財の登録証3枚。本館・法師乃湯浴舎・別館(登録証の記載では平成18年8月3日登録)
館内の掲示「山のいで湯守って」。日本秘湯を守る会 会員旅館一同の名で、古い建物を守ってきた経緯を書いた文章
館内の掲示「山のいで湯守って」。日本秘湯を守る会 会員旅館一同の名で、古い建物を守ってきた経緯を書いた文章

長寿館は明治8年(1875年)の創業で、ロビーには創業150周年の幕がかかっていた。本館、法師乃湯の浴舎(明治28年築)、別館(昭和15年築)の3棟が、平成18年に国の登録有形文化財に登録されている。館内に登録証が3枚並んでいて、浴舎の登録証には杉皮葺の記載まであった。

館内には「山のいで湯守って」と題した掲示がある。日本秘湯を守る会の会員宿共通の文章で、山の中の不便さから観光旅館に転じようと考えた時期もあったこと、「建て直せ」と「残してくれ」の声の間で古い建物と自然を残してきた経緯が書かれている。長寿館の建物と湯の現状は、この文章のとおりだ。

敷地内の歌碑。かな書きで刻まれた短歌
敷地内の歌碑。かな書きで刻まれた短歌
館内の水飲み場。「自然の恵み……清水です」の札と、「法師温泉」と書かれた壺、紙コップ
館内の水飲み場。「自然の恵み……清水です」の札と、「法師温泉」と書かれた壺、紙コップ

敷地には与謝野晶子の歌碑がある(公式サイトも川端康成、与謝野晶子、若山牧水の名をあげている)。碑はかな書きで、読みは資料によって割れている。館内には清水の水飲み場があり、紙コップが用意されている。これは温泉ではなく山の清水なので、風呂上がりに一杯飲むならこちらだ。

まとめ|1,500円で、湯の鮮度の原点を体で確かめる

法師温泉 長寿館の日帰り入浴は、1,500円で受付が2時間半しかなく、水曜は休みで、男性は浴室が1つしか使えず、混浴で、写真も撮れない。条件だけ並べると不便な湯だ。それでも私が来たのは、群馬で「足元湧出」を体で確かめるなら、ここが本命だからだ。底から湧く湯は、40人が入っても濁らなかった。掲示の5項目はすべて「なし」。分析書の数字と、体感と、掲示が一つの方向を向いている。

猿ヶ京側で湯を比べるなら、湯元 長生館の野天風呂(共有泉湯島)と、温泉農家民宿 はしばが同じ硫酸塩泉の系統で、こちらは湯口から注ぐ型。猿ヶ京から四万まで、群馬の硫酸塩泉の横断比較は群馬の硫酸塩泉 日帰り比較で。帰りに猿ヶ京で昼を食べるならまんてん星の湯のランチ、蕎麦なら同じみなかみ町内の角弥(水上寄り・国道291号沿い)がある。混浴が初めての人は、群馬の混浴温泉 日帰りガイドに、入りやすい順と逃げ道を書いた。群馬全体の湯づかいの比較は泉質比較データで。

みなかみ町のふるさと納税で受け取れる「HEART TICKET」の加盟店リストには長寿館の名前もある(実際に寄付して使った記録)。日帰り料金に使えるかは帳場で確かめてほしい。

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よくある質問

法師温泉 長寿館の日帰り入浴の料金と時間は?

A. 大人(中学生以上)1,500円、こども(3歳〜小学生)500円。受付は11:00〜13:30で、館内の利用は14:00までです。水曜は清掃のため日帰り入浴ができず、ほかに不定休があります(2026年9月時点の公式サイトより)。日帰り入浴の支払いは現金のみと案内されました。

法師乃湯は混浴ですか?女性でも入れますか?

A. 法師乃湯は混浴で、湯浴み着やバスタオルを巻いての入浴はできません。20:00〜22:00は女性専用の時間になりますが、日帰り入浴の時間帯(11:00〜14:00)は混浴です。女性は同じ時間帯に女性専用の長寿乃湯にも入れます(現地の浴室時間割より)。

日帰り入浴でどの浴室に入れますか?

A. 日帰りの時間帯に男性が入れるのは法師乃湯だけです。長寿乃湯は11:00〜15:00が女性専用、玉城乃湯は11:00〜15:00が準備中のためです(現地の浴室時間割より)。

基本データ表

項目内容
施設名法師温泉 長寿館(ほうしおんせん ちょうじゅかん)
所在地群馬県利根郡みなかみ町永井650
電話0278-66-0005
アクセス国道17号(三国街道)から法師温泉方面へ。みなかみ町営バス「法師」停留所あり(まんてん星の湯行き 9:30・11:25・14:23・15:33、猿ヶ京で関越交通に乗換/令和6年12月改正の掲示より)
日帰り入浴受付11:00〜13:30、館内14:00まで。水曜は清掃のため不可、ほかに不定休(2026年9月時点)
料金大人(中学生以上)1,500円/こども(3歳〜小学生)500円
支払い日帰り入浴は現金のみ(帳場で案内)
日帰りで入れる浴室男性=法師乃湯(混浴)のみ/女性=法師乃湯(混浴)+長寿乃湯(11:00〜15:00女性専用)
法師乃湯の決まり混浴(20:00〜22:00女性専用)。湯浴み着・バスタオル巻き不可。撮影機器の持ち込み禁止
源泉名法師温泉(旭の湯)
泉質カルシウム・ナトリウム-硫酸塩温泉(低張性アルカリ性高温泉)
泉温・pH42.1℃・pH8.5(令和5年1月12日調査)
溶存物質1.22g/kg(療養泉該当)
湧出量218L/分(自然湧出・令和5年分析書)。浴槽は足元湧出(公式サイトの表現)
湯づかい加水なし・加温なし・循環ろ過なし・入浴剤なし・消毒なし(浴室の掲示表より)=源泉かけ流し
建物本館・法師乃湯浴舎(明治28年築)・別館(昭和15年築)が国登録有形文化財(平成18年登録)
貴重品帳場に預ける(掲示)
公式https://www.hoshi-onsen.com/

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