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群馬温泉 やすらぎの湯|高崎の琥珀色重曹泉を日帰りレポ

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高崎には、同じ泉質で性格が正反対の日帰り温泉が2つある。

ひとつは先月書いた天神の湯。無色透明の塩化物・炭酸水素塩泉で、露天の源泉浴槽だけは加水も加温も循環も消毒もしない「オール無し」で張る、純度の湯だった。そして今回の「群馬温泉 やすらぎの湯」(高崎市金古町)。泉質名はほぼ同じなのに、こちらは琥珀色。湯使いは加水・循環・塩素併用と、天神の湯と見事なまでに逆を行く。ならば比べてみるしかない、というのが今回の趣旨である。

日曜の朝、開館の9時に合わせて金古町へ向かった。

晴れた日曜の朝9時。車寄せの立派な平屋に、続々と常連が吸い込まれていく
晴れた日曜の朝9時。車寄せの立派な平屋に、続々と常連が吸い込まれていく

9時開館、入館料は「1日」平日800円

まず入り方の情報から。営業は朝9時から(訪問した日曜は9時に開いていた。公式の表記は9:00〜23:00)。入館料は現地の料金表に「1日」とあるとおり1日券で、平日800円・土日祝950円。時間制限を気にせず、風呂と大広間で一日過ごせる建て付けだ。

料金表。入館料の区分が「1日」なのがこの施設の性格を表している
料金表。入館料の区分が「1日」なのがこの施設の性格を表している

常連文化の店らしく、回数券は17枚綴り10,000円。入口の看板が「1回588円!土日祝日に使えば362円もお得!!」と手書きの熱量で訴えてくる。JAFカードやイオンカードの提示で100円引き、日替わりランチと入館料のセットが1,600円になる「お食事セットの日」まであり、通う人向けの割引が幾重にも用意されている。館内掲示の温泉利用許可は平成6年(1994年)——30年以上この土地で湯を張り続けてきた勘定で、大広間や個室、食事処まで備えた昔ながらのフルサイズ日帰り温泉である。場所は関越道の前橋ICから車で10分ほど、高渋バイパス沿いだ。

湯|「琥珀色」の答え合わせ

浴室は撮影禁止なので(掲示に従い撮っていない)、湯の話は言葉で書く。

大浴槽の湯は、公式サイトの言う「琥珀色」よりもう少し淡い、薄黄色っぽい透明の湯だった。じつはこれ、照合ができる。館内に掲示された温泉分析書の知覚的試験の欄には「淡黄色澄明」とある。自分の目で見た色が、分析機関の記載とぴったり重なる瞬間は、何度経験しても気持ちがいい。

肌ざわりは、湯が肌にまとわりつく感じ。鼻を近づけるとほんのり温泉成分の匂いがする。島根や大分の湯治場を巡って源泉かけ流しに開眼した身だが、この重曹と塩の「まとわり」は、あちらではあまり出会わなかった手ざわりだ。この系統の湯は世間で「モール泉」と呼ばれることが多い(植物起源の有機物を含む琥珀色の湯の俗称で、正式な泉質名ではない)。褐色の濃い湯を想像していくと「思ったより淡い」となるはずで、そこは分析書どおり「淡黄色」が正しい予習になる。

敷地の湯口オブジェ。茶褐色の析出がびっしり付いた鉢が、成分の濃さを外で語っている
敷地の湯口オブジェ。茶褐色の析出がびっしり付いた鉢が、成分の濃さを外で語っている

泉質データ|HCO₃⁻ 1,074mgの「重曹優勢」

館内掲示の温泉分析書(令和3年6月調査・群馬県薬剤師会)から転記する。

項目
源泉名群馬温泉(源泉名:やすらぎの湯)
泉質ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉(低張性弱アルカリ性高温泉)
源泉温度57.0℃
pH7.80
溶存物質2.67g/kg(成分総計2.70g/kg)
主要成分(mg/kg)ナトリウム776.6・塩化物イオン658.7・炭酸水素イオン1,074・メタけい酸59.2
湧出量毎分199L(動力揚湯)

溶存物質2.67g/kgは療養泉の基準(環境省の指針で1g/kg以上など)を満たし、泉質別適応症は分析書別表で「きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症」とされている(泉質別禁忌症は該当項目なし)。

面白いのは中身の配分だ。ミリバル比で見ると陰イオンは塩化物51%に対して炭酸水素イオンが48%とほぼ拮抗していて、実質「塩の湯」と「重曹の湯」(ナトリウム系炭酸水素塩泉の旧称が重曹泉)のハイブリッドになっている。炭酸水素イオンの絶対量1,074mg/kgは、同じ高崎の天神の湯(831.8mg/kg)を上回る。筆者がこれまで分析書を照合してきた群馬の湯の中でも、加温必須の冷鉱泉(下仁田・芹の湯)を除けば最多の重曹分だ。あの「まとわりつく」肌ざわりの背景には、この重曹優勢がありそうだ——と言いたくなるが、肌感と成分の因果を断定するのはやめておく。数字と体感を並べて置くところまでが、このブログの仕事である。

湯使い|「併用かけ流し」を正直に読む

湯使いの話を正面から書く。ここが天神の湯との最大の分かれ目だからだ。

館内の「温泉利用状況」掲示によれば、やすらぎの湯は掛け流し・循環ろ過併用方式。常時源泉を掛け流しで追加しつつ、衛生管理と温度維持のため循環ろ過装置を併用する。源泉が57.0℃と熱いため冷却用の加水あり、加温なし、入浴剤なし、塩素殺菌あり。全浴槽を毎日完全に排水し、清掃後に温泉を入れ替えるとも明記されている。

温泉利用状況の掲示。加水・循環併用・塩素殺菌まで包み隠さず書いてある
温泉利用状況の掲示。加水・循環併用・塩素殺菌まで包み隠さず書いてある

公式サイトは大浴槽中央の「源泉かけ流しの湯口」と「お一人様につき1トンの温泉」という豪快なコピーを掲げている。源泉を常時掛け流しで足しているのは掲示のとおり(源泉の湧出量は毎分199L)だが、方式としては併用型。天神の湯の露天源泉浴槽のような「オール無し」ではない。

ではダメかというと、そうは思わなかった。フロント脇には大浴槽のレジオネラ属菌検査「不検出」の水質検査結果書(2025年10月・検査機関発行)まで額に入れて掲示してある。塩素の匂いは湯の中でほとんど気にならず、管理の根拠を紙で見せる姿勢は、むしろ信頼できる。

レジオネラ不検出の水質検査結果書。ここまで掲示する日帰り温泉は多くない
レジオネラ不検出の水質検査結果書。ここまで掲示する日帰り温泉は多くない

天神の湯と並べると、こうなる。

やすらぎの湯天神の湯
泉質Na-塩化物・炭酸水素塩温泉Na-塩化物・炭酸水素塩温泉
湯の色淡黄色澄明(琥珀色系)無色透明
HCO₃⁻1,074mg/kg831.8mg/kg
湯使い掛け流し循環併用・加水・塩素全槽かけ流し・露天源泉浴槽はオール無し
源泉温度57.0℃53.0℃
入館料平日800円(1日券・終日)朝風呂 平日850円(朝の時間枠料金)

純度で選ぶなら天神の湯、設備の総合力と「一日ゆっくり」で選ぶならやすらぎの湯。同じ泉質の兄弟でここまで性格が割れるのは、高崎の面白いところだと思う。

サウナと温冷|95℃のサ室と、体感46℃の熱湯という飛び道具

サウナは95℃(訪問時の温度計)でロウリュなし。ストーブの近くに座ると体感100℃を超えてくる、昔ながらの高温カラカラ系だ。

水風呂は2槽ある。サウナ横の槽は2人入って余裕のあるサイズで、うっすら色が付いていて体感25℃ほど。源泉でも足しているのかと勘ぐりたくなる色だが、水源の掲示は見つけられなかったので、ここは体感の記録に留める。足湯側のもう1槽は水道水らしいクリアな水で体感20℃ほど。冷たさで選ぶなら足湯側、まろやかさで選ぶならサウナ横、と使い分けられる。

そしてこの施設の飛び道具が、公式が「当館の浴槽で一番熱い温度『45℃』」と紹介する熱湯槽だ。訪問時は温度計が壊れていたが、体感は46℃前後。ふつうに入ると数十秒で降参する温度だが、攻略法を発見した。水風呂でしっかり冷やしてから入ると、3分ほど浸かっていられる。サウナ→水風呂の温冷交代浴の「温」側を熱湯槽に置き換える変則ループで、これがなかなか癖になる。露天スペースでは日光浴もできて気持ちいい(ただし日陰がないので、夏の直射日光が苦手な人には厳しいかもしれない)。

実用情報|混雑は11時から、ドライヤーは課金制

  • 混雑:常連の多い施設で、体感では11時ごろから一番混む。ゆっくり浸かるなら開館の9時台が狙い目
  • 割引:JAFカード・イオンカードなど提示で入館料100円引き(精算前に提示)。「お食事セットの日」は日替わりランチ+入館料で1,600円
  • ドライヤー:脱衣所の備え付けは5分100円の課金制。その代わり置いてあるのはダイソンなどの高級機で、持ち込みも可。課金か持参か、風呂上がりに人生の選択を迫られる
  • マッサージ:土・日・月のみ営業(50分3,700円〜)
  • 館内設備:個室(2時間1,500円〜)・温泉付個室(4,000円〜)・貸切温泉(1時間1,650円)・カラオケルーム・大広間。風呂だけでなく「昼寝と食事込みの一日」を売る構えだ
入口の看板。イベントカレンダーと「1回588円」の回数券推しに常連文化が滲む
入口の看板。イベントカレンダーと「1回588円」の回数券推しに常連文化が滲む

安全に浸かるために

源泉57℃を張る施設なので、基本だけ置いておく。消費者庁や環境省の注意喚起に沿えば、心臓や血圧に不安のある人は熱い湯と冷水の行き来を避けるか事前に医師へ相談を。熱湯槽は無理せず、一般的な湯温は41℃以下・1回10分程度が安全の目安。飲酒後・食事直後の入浴は避け、入浴前後に水分補給を。分析書の禁忌症(病気の活動期など)は掲示で確認できる。

まとめ|高崎の同泉質二湯、どう使い分けるか

天神の湯が「湯の純度に全振りした研ぎ澄まし系」なら、やすらぎの湯は「設備と管理の総合力で一日過ごさせる温泉銭湯」だ。淡黄色の湯・重曹優勢の成分・体感46℃の熱湯×水風呂の変則温冷・平日800円の1日券——性格は正反対でも、どちらも高崎の日常の湯として立派に完成している。純度の一浴なら天神、休日を丸ごと預けるならやすらぎ。使い分けをおすすめしたい。

玄関脇には「初赤城 雲もやすらぐ 露天の湯」という句碑が立っている。赤城を望む露天で雲もやすらぐ——施設名に掛けた一句を眺めてから帰るのが、この湯の正しい締めだと思う。

玄関脇の句碑。「初赤城 雲もやすらぐ 露天の湯」
玄関脇の句碑。「初赤城 雲もやすらぐ 露天の湯」

群馬の泉質データの比較は泉質比較表、サウナ側の地図は温泉×サウナまとめ、高崎の朝風呂なら湯都里もどうぞ。50分貸切でこもるなら吉井の湯端温泉という手もある。

よくある質問

Q. 群馬温泉やすらぎの湯の営業時間と料金は?
A. 訪問した日曜は朝9時に開館していました(公式表記は9:00〜23:00)。入館料は1日券で平日800円・土日祝950円(小人300円/450円・入湯税込・2026年7月時点)。回数券は17枚10,000円です。

Q. お湯はどんな温泉ですか?
A. ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉(弱アルカリ性高温泉)で、見た目は淡黄色の透明な湯です。世間で「モール泉」と呼ばれる系統の琥珀色系で、炭酸水素イオン1,074mg/kgの重曹分が特徴です(現地掲示の温泉分析書より)。

Q. 源泉かけ流しですか?
A. 掛け流しと循環ろ過の併用方式です。館内掲示によれば、常時源泉を掛け流しで追加しつつ、衛生管理のため循環ろ過と塩素殺菌を併用し、全浴槽を毎日排水・清掃しています。レジオネラ不検出の水質検査結果書も掲示されています。

Q. サウナと水風呂はありますか?
A. あります。サ室は訪問時95℃(ロウリュなし)、水風呂は2槽で体感25℃前後と20℃前後でした。45℃前後の熱湯槽もあり、温冷交代浴が楽しめます。

Q. 混雑を避けるならいつがいいですか?
A. 常連の多い施設で、体感では11時ごろから混み始めました。開館直後の9時台が狙い目です(日曜訪問時の体感)。

基本データ

項目内容
施設名群馬温泉 やすらぎの湯
所在地群馬県高崎市金古町1767
電話027-372-4126
営業時間9:00〜23:00(公式表記。訪問した日曜は9時開館)
定休日不定休(休館日は館内掲示・公式サイトで告知。遠方から向かうなら電話確認が確実)
アクセス関越道 前橋ICから車で約10分・高渋バイパス沿い
料金1日券 平日800円・土日祝950円(入湯税込・2026年7月時点)
泉質ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉(低張性弱アルカリ性高温泉)・源泉「やすらぎの湯」
湯使い掛け流し・循環ろ過併用(加水あり・加温なし・塩素殺菌あり/館内掲示)
サウナ高温サウナ(訪問時95℃・ロウリュなし)/水風呂2槽/熱湯槽(公式45℃・訪問時は温度計故障中で体感46℃前後)
駐車場150台(公式表記)・大型車可
公式yasuraginoyu.com
訪問日曜の朝(9時開館と同時に入館)

※効能・適応症は現地掲示の温泉分析書別表の記載に基づきます。入浴前に禁忌症の掲示を確認し、症状のある方は医師にご相談ください。本記事の体験・感想は個人のものです。

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