PR

高崎 天神の湯レビュー|消毒なしの生源泉と朝風呂サウナ

記事内に広告が含まれています。

土曜の朝6時すぎ。関越道の前橋インターから600m、山小屋風の三角屋根に「ゆ」の看板が見えてくる。高崎中尾温泉「天神の湯」の朝風呂に行ってきた。土曜の6時台で、客はざっと15人。朝風呂の街だ。

先に結論を書く。ここの露天には、加水なし・加温なし・循環なし・消毒なしの源泉浴槽がある。地下1,310mから汲み上げた53℃の源泉に、薄めることも冷ますことも一切していない。前橋インターから車で3分の市街地で、この湯づかいはちょっと事件だ。

しかもこの施設、脱衣所も浴室も撮影禁止。だから湯の写真は1枚もない。全部言葉で書く。

天神の湯の外観。山小屋風の三角屋根と「ゆ」の看板が目印
天神の湯の外観。山小屋風の三角屋根と「ゆ」の看板が目印

天神の湯とは|前橋ICから600mの自家源泉

2001年開業の日帰り温泉施設。宿泊はなく(深夜仮眠は休止中)、日帰り入浴だけで勝負している。インター名は前橋だが、所在地は高崎市。源泉名は「高崎中尾温泉」で、字名も「天神」だ。2025年3月には源泉井戸の大規模修理を完了していて、四半世紀モノの設備に手をかけ続けている。

項目内容
施設名高崎中尾温泉 天神の湯(地図アプリなどでは「天然温泉 高崎天神の湯」表記)
所在地群馬県高崎市中尾町天神329-3
アクセス関越道 前橋ICから600m(車で約3分)
営業時間朝風呂 6:00〜10:00(受付〜9:00)/通常 11:00〜翌1:00(受付〜24:00)
料金通常:平日950円・土日祝1,100円/朝風呂:平日850円・土日祝1,000円(入湯税込)
支払い現金のみ(クレジット・QR決済すべて不可)
泉質ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉(低張性・弱アルカリ性・高温泉)
源泉自家源泉(地下1,310m)
公式http://tenjinnoyu.com/

注意点がひとつ。10時から11時はいったん閉館する。朝風呂で入った場合、10時には必ず退館になる。途中外出もできない。朝風呂は「6時から最大4時間」の枠だと思っておけばいい。

料金は2026年7月時点。タオルセットのレンタルは500円なので、マイタオル派は持参が正解だ。私のサウナタオル比較で書いた愛用タオルがここでも働いた。

湯づかい:全浴槽かけ流し、源泉浴槽だけは手も加えない

脱衣所の掲示(温泉成分等掲示表・温泉分析書)を全部読んできた。転記する。

浴槽加水加温循環・濾過消毒
内湯大浴槽・ぬる湯・露天大浴槽井水を加水なしなし適宜塩素消毒
露天 源泉浴槽なしなしなしなし

全部の浴槽が循環なしのかけ流しで、湯は毎日全部入れ替え。ここまでで既に合格点だが、露天の源泉浴槽だけはその上を行く。いわば生の源泉だ。

温度調整の考え方も面白い。湯量が細い施設なら冷めた湯を沸かし直す方向で悩むところを、ここは53℃・毎分572Lの湯量があるから、悩みが逆向きになる。源泉浴槽以外は井水(井戸水)で埋めて適温にする。加温設備の出番がない。

温度計を二度見する源泉浴槽

では、何もしない源泉浴槽は何℃なのか。温度計は47℃だった。53℃の源泉も、汲み上げてから浴槽に届くまでの道中と露天の外気で、これくらいまでは自然に落ちる。逆に言えば、そこから先は何もしていない。うっかり足から入ると後悔する温度だ。かつて島根の温泉津温泉で凶暴な熱さの元湯に通っていた身としては、むしろ懐かしい部類だが、それでも朝イチの47℃は目が覚める。サウナ後の火照った体で沈むと、熱いのに整うという矛盾した感覚が味わえる。

湯口は黒く磨き上げられたように光っていた。なめらかに見えて、触ると硬い。分析書では鉄0.5mg/kg・マンガンは0.1mg/kg未満と微量だが、年単位で湯が流れ続ければ、こういう皮膜に育つ。鉄やマンガンの酸化物とみられる。写真が撮れない施設なので、あの黒光りは現地で確かめてほしい。雰囲気だけ、イラストで補っておく。

露天風呂のイメージイラスト(AI生成。実際の浴室・配置とは異なります)
露天風呂のイメージイラスト(AI生成。実際の浴室・配置とは異なります)

泉質データ(令和6年5月分析書より)

項目数値
泉質ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉
pH7.69(弱アルカリ性)
源泉温度53.0℃
湧出量572L/分(動力揚湯=ポンプ汲み上げ)
溶存物質2.54g/kg
主要成分Na⁺ 780.5/Cl⁻ 781.2/HCO₃⁻ 831.8(mg/kg)
メタけい酸44.6mg/kg

塩化物イオンと炭酸水素イオンが質量ではほぼ同量ずつ入っている、塩湯と重曹泉のハイブリッド。掲示には「重曹泉(ナトリウム炭酸水素塩泉)は美肌の湯とも呼ばれる」とある。実際に浸かると、肌にまとわりつくようなヌメヌメ感のある湯だった。効くかどうかは知らないが、重曹泉らしい肌ざわりではある。数字で見ても、溶存2.54g/kgは療養泉基準(溶存1.0g/kg)の2.5倍。薄い湯ではない。なお、同じ高崎の金古町には、同じナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉でありながら琥珀色で併用かけ流しの群馬温泉やすらぎの湯がある。無色透明・生源泉の天神とは好対照だ。

環境省基準の温泉分析書別表では、泉質別適応症としてきりきず・末梢循環障害・冷え性・うつ状態・皮膚乾燥症が挙げられている。一方で掲示の注意書きには、高血圧症・心臓病・高度の動脈硬化症の人は42℃以上の高温浴を原則禁忌とするとも書かれている。源泉浴槽は47℃。該当する人は源泉浴槽を眺めるだけにして、適温の大浴槽で楽しんでほしい。

サウナ→井戸水の水風呂→47℃の源泉。この三段ループが正解

露天の一角に高温サウナがある。公式いわく「一般よりちょっと広め」。温度計は80℃前後で、数字だけ見ると物足りなく感じるかもしれない。

ロウリュ(サウナストーンに水をかけて蒸気を出すこと)はない。それどころか公式サイトのお知らせで「サウナに水やタオル等をかけないでください」と明文で禁じている。サウナの熱そのもので選びたい人には、高崎なら薪ストーブ108℃の観音山サウナ蒸寺がある。

ただ、この施設のサウナは単体で評価するものではなかった。

水風呂は井戸水だ。温泉ではない。公式が「ミネラルが豊富で、お客様から”くせになる”と評判です」と自称する地下水で、体感は15℃前後(温度計は確認し忘れた)。よく冷えていて、肌当たりがやわらかい。

そしてサウナで汗をかき、井戸水で締めたあと、47℃の源泉浴槽に沈む。冷え切った皮膚に生源泉の熱が刺さって、また水風呂に戻りたくなる。サウナ→井戸水→生源泉。この三段ループを何周も繰り返した。普段は露天の外気でゆっくり冷ます派だが、ここでは湯と水で回すほうが性に合った。80℃のサウナは、生源泉とセットで完成する設計だと思う。

同じ高崎の朝風呂サウナなら湯都里が定番だが、あちらは内湯が循環で露天かけ流し(塩素併用)。湯づかいの純度で選ぶなら天神の湯に軍配が上がる。朝食付きで一日居座りたい日は、渋川のスカイテルメ(朝風呂・朝食バイキングコース)まで足を延ばす手もある。群馬のサウナ付き温泉は日帰りサウナ温泉まとめでも比較している。人目を避けて貸切でこもりたい日は、市内吉井の湯端温泉(50分完全貸切)という選択肢もある。

館内と、硬派な張り紙たち

館内は1階に食事処と囲炉裏風のテーブル、2階に無料休憩室と読書コーナー(2階は18歳以上限定)。昭和の健康ランドを丁寧に維持している空気で、居心地は悪くない。

そして、ここの張り紙は全部強い。

  • お支払いは現金のみです(英語併記の手書きPOP)
  • 両替はできません
  • 入館料支払い後10分を過ぎたらキャンセル・返金不可
  • 駐車場での車中泊は固くお断りします
  • 不審な行動をお見かけした場合、不審者として通報します

命令形の掲示がずらりと並ぶ館内で、自然と背筋が伸びる。ただ、裏を返せばルールが徹底された施設ということでもあり、実際、浴室のマナーは良かった。刺青・タトゥーは入館不可(発見次第退館・返金なし)なので該当する人は注意。持ち込み飲食も不可だ。

風呂上がりは近くの一蘭で朝ラーメン

天神の湯を出て、同じ中尾町のすぐ近くに「一蘭 前橋インター店」がある。24時間営業なので、朝7時の朝ラーが成立する。

一蘭の天然とんこつラーメン。サウナ後の塩分補給として完璧だった
一蘭の天然とんこつラーメン。サウナ後の塩分補給として完璧だった

サウナと生源泉で絞った体に、とんこつと秘伝のたれを流し込む。チェーンと侮っていたが、汗をかいた後の一杯としてはレベルが高い。味集中カウンター(仕切りで隣が見えない一人用カウンター)で黙々とすすっていると、朝からずいぶん贅沢なことをしている気になってくる。

外壁工事中でも「営業中」。2026年7月時点の一蘭 前橋インター店
外壁工事中でも「営業中」。2026年7月時点の一蘭 前橋インター店

なお2026年7月時点、店舗は外壁工事中で足場とシートに覆われているが、垂れ幕の通り普通に営業している。

朝ラーメンの気分でない日は、昼まで待って柴崎町の農家カフェnofu(ノーフ)の朝どり野菜ランチに切り替える手もある(予約優先)。

まとめ:昔の貴族より優雅な土曜の朝

朝6時に露天で生源泉とサウナ、7時に一蘭。使った金は入浴料1,000円とラーメン代で、締めて2,000円ちょっと。サウナで汗をかき、好きな時間にレベルの高いラーメンをすする。昔の貴族はどちらも知らずに死んだ。高崎近郊に生きているだけで、貴族より優雅な朝が手に入る。

天神の湯が向いているのは、こんな人だ。

  • 加水・消毒なしの生源泉に市街地で入りたい人(無調整の源泉浴槽は市街地ではかなり希少)
  • サウナは温度より「水風呂と湯のループ」で整えたい人
  • 朝6時から動ける早起きの人(朝風呂は受付9時まで・10時退館)

逆に、キャッシュレス派・タトゥーのある人・ロウリュ必須の人には向かない。

泉質の数値をほかの群馬の湯と見比べたい人は、群馬の源泉かけ流し 泉質比較データへどうぞ。pH・溶存物質・湯使いを一覧にしている。

※訪問は土曜の朝。料金・営業時間は2026年7月時点の現地掲示に基づく。

よくある質問

Q. 天神の湯の朝風呂は何時から? A. 朝6時〜10時(入館受付は9時まで)。10時〜11時はいったん閉館するため、朝風呂利用は10時退館になる。通常営業は11時〜翌1時。

Q. 支払いにPayPayやクレジットカードは使える? A. 使えない。現金のみ。館内での両替も不可(靴箱用の硬貨を除く)なので、小銭と千円札を用意していこう。

Q. サウナにロウリュはある? A. ない。公式がサウナへの水かけを明文で禁止している。サ室は実測80℃前後で、熱さより源泉湯とのループで整えるタイプのサウナだ。

Q. タトゥーがあっても入れる? A. 入れない。刺青・タトゥーは入館不可で、発見次第退館・返金なしと掲示されている。タトゥーOKで探すなら、公式に可を明示している前橋のナウサが近隣の選択肢になる。

Q. 天神の湯は源泉かけ流し? A. 全浴槽が循環・濾過なしのかけ流しで、湯は毎日全部入れ替え。露天の源泉浴槽は加水・加温・消毒もなし。適温の浴槽は井戸水で温度調整し、保健所の指導により適宜塩素消毒している(脱衣所の掲示より)。

Q. 天神の湯の入浴料金はいくら? A. 通常営業は平日950円・土日祝1,100円、朝風呂は平日850円・土日祝1,000円(いずれも入湯税込・2026年7月時点)。タオルセットのレンタルは500円で、支払いは現金のみだ。

Q. 「天然温泉 高崎天神の湯」と「高崎中尾温泉 天神の湯」は同じ施設? A. 同じ施設。地図アプリなどでは「天然温泉 高崎天神の湯」、公式サイトでは「天然温泉 天神の湯」と表記されるが、いずれもこの記事の施設を指す。「高崎中尾温泉」は源泉名で、「天神」は所在地の字名(あざ=住所の小区分)にちなむ。

コメント

タイトルとURLをコピーしました