花湯ユートピア赤城(渋川)の浴室で、不思議なことに気づいた。内湯も露天も塩素の匂いがするのに、水風呂だけは匂いがまったくしない。壁の張り紙には「100%地下水」で掛け流しとある。首まで浸かっても、プールの匂いが鼻に残らない。
気持ちがいいのは間違いない。では、地下水の水風呂は水道水の水風呂より体にいいのか。地下水と書いてあるだけで少し得をした気分になる自分を疑って、研究と公的な資料を当たってみた。
結論を先に書く。地下水と水道水の水風呂で健康効果を比べた研究は、調べた範囲では見つからなかった。 冷水浴の研究で条件として比べられているのは水温と浸かる時間で、水の出どころではない。地下水の水風呂に当てはまりそうな点は、①施設によってゆるめの水温になりやすい(水道水の水風呂の水温は調べていない)、②塩素が入っていないことがある、の2点で、ルールの裏付けまであるのは②の塩素だ。どちらも体にいいかは分からず、塩素と肌の関係も研究によって結論が割れている。
※本記事は公開された研究と公的資料の紹介で、効果を保証するものでも医学的な助言でもありません。心臓や血圧、皮膚に持病のある方は医師に相談してください。

結論の早見表|手がかりは水温と塩素、効果の差は確かめられていない
| 論点 | 研究や資料で分かっていること | 地下水の水風呂だと |
|---|---|---|
| 地下水と水道水の比較 | 健康効果を直接比べた研究は見つからなかった | 「地下水だから体にいい」とは言えない |
| 水温と時間 | 水温で体の反応の大きさが変わる。効果を調べた試験は15℃以下が対象で、ゆるめの水風呂はこのメタ分析に入っていない | 群馬で入った5軒は15〜23℃。研究の冷水よりゆるめが多い |
| 水温の安定 | 地下10mほどの地温は一年中ほぼ一定で、年平均気温に近い(環境省) | 理屈の上では安定しやすいが、実際は施設ごとに違う。冷却機なしで季節で変わる施設もある |
| 塩素 | アトピー肌の水分を保つ力が下がった小さな実験がある一方、塩素の影響ははっきりしないとする研究もある | 掛け流しなら群馬県では消毒義務がない。肌への得は確かめられていない |
| 硬度・ミネラル | 硬水とアトピーの関連は英国の硬水地域の話。軟水器の試験で上乗せ効果なし | 前橋市の水道水は軟水。5軒の井戸の硬度は未確認 |
| 衛生 | 井戸水にもレジオネラ属菌・大腸菌の基準がある | 塩素がないぶん、施設の換水と水質検査が頼り |
地下水と水道水を比べた研究は、見つからなかった
最初に探したのは、いちばん知りたかった比較だった。地下水(井戸水)の水風呂と水道水の水風呂で、体の変化を比べた研究。英語と日本語で検索したが、1本も見つからなかった。
冷水浴の研究で比べられているのは、水温と浸かる時間と、浴槽かシャワーかという入り方だ。2025年に冷水浴のランダム化比較試験(くじ引きでグループを分けて比べる、信頼度の高い試験)をまとめたメタ分析(同じテーマの研究をまとめて計算し直す方法)でも、水源は比べる条件に入っていない。
だから「地下水の水風呂は体にいい」も「水道水と変わらない」も、データでは決着していない。言えるのは、比べた研究が見当たらないところまでだ。そのうえで、地下水と水道水で何が違うのかを一つずつ見ていく。
研究の冷水浴は15℃以下|水温で体の反応は大きく変わる
冷水浴の研究で、条件として繰り返し出てくるのは水温と時間だ。
2025年のメタ分析|11件・3,177人、対象は15℃以下・30秒以上
2025年のメタ分析(Cain ほか、PLOS ONE 2025)は、健康な成人を対象にした冷水浴のランダム化比較試験11件・3,177人を集めた(浴槽の試験が10件、シャワーが1件)。対象にしたのは水温15℃以下・30秒以上の冷水浴で、実際の条件は7〜15℃、30秒から2時間だった。
分かったことは、思っていたより控えめだった。
- ストレスが有意に下がったのは、冷水浴の12時間後だけ
- 睡眠の質と生活の質(QOL)は良くなった。気分は変わらなかった
- 炎症の指標は、浸かった直後と1時間後にむしろ上がった(冷たさへの一時的な反応)
- 著者ら自身が、試験の数が少なく規模も小さいと書いている
つまり、研究で効果が見られた冷水浴は15℃以下の世界の話で、その効果も小さく短期のものだった。15℃は集める研究を選ぶときの条件で、それより温かい水風呂で効果を調べた研究は、この分析には入っていない。
20℃と14℃で、体の反応は大きく違う
水温による違いが分かりやすいのが、Šrámek らの実験(2000年)だ。若い男性が32℃・20℃・14℃の水に首まで1時間浸かった。代謝(体が熱をつくる量)は、20℃で93%、14℃で350%上がった。14℃ではノルアドレナリン(体を緊張させるホルモン)が530%上がっている。
1時間の実験なので、1〜2分の水風呂にそのまま当てはめることはできない。それでも、同じ「冷たい水」でも20℃と14℃では体の受け止め方が大きく違う、ということはよく分かる。ただし、冷たいほど何でも比例するわけではない。入った瞬間の息が詰まる反応(冷水ショック)を5℃・10℃・15℃で比べた8人の実験では、最初の20秒の反応の大きさは5℃と10℃で差がなく、10℃でも5℃と同じくらいの脅威になりうると報告されている(Tipton ほか、1991年)。
体の反応の大きさは、それが良い変化でも負担でも、まず水温で変わる。水温を変えると健康効果がどう変わるかまでは調べられていないが、少なくとも水の出どころより先に見るべき条件ではある。水風呂と心臓の関係は、別の記事「水風呂は心臓に悪い?サウナ温冷交代浴の最新論文レビュー」で論文を読んでいる。
水温|地下水は「その土地の年平均気温」に近い
では、地下水の水風呂は何℃になりやすいのか。
環境省の解説によると、深さ10mほどの地中の温度は一年を通じてほぼ一定で、その土地の年平均気温にほぼ等しくなる。地下水の温度は年平均気温より1〜2℃高い、という通説もある。前橋の年平均気温は15.0℃(気象庁の平年値)なので、理屈の上では、浅い井戸の水は16〜17℃前後に落ち着く計算になる。
あくまで文献の数字を当てはめただけの目安で、実測ではない。実際に入った地下水の水風呂は、次のとおりだった。水温はどれも、私が入った日の1回分の値だ。
| 施設 | 水源(確認元) | 水温 |
|---|---|---|
| 天神の湯(高崎) | 井戸水 | 体感15℃前後 |
| 森サウナVIHTA(桐生・黒保根) | 天然地下水(施設の説明) | 体感17〜19℃ |
| 源泉 湯乃庵(太田) | 地下200mの地下水(館内掲示) | 温度計で20℃ |
| 花湯ユートピア赤城(渋川) | 100%地下水(張り紙) | 温度計で20℃(秋) |
| スカイテルメ渋川(渋川) | 100%天然地下水(公式) | 体感23℃前後(夏) |
15℃から23℃まで、5軒で8℃の幅がある。目安の16〜17℃に近いのは天神の湯とVIHTAくらいで、湯乃庵と花湯ユートピアは20℃、スカイテルメは23℃と、3軒は3〜7℃高かった。湯乃庵は地下200mから汲む深い井戸なので、「深さ10mほどの地温」という理屈はそもそも当てはまらない。井戸の深さ、汲み上げる量、浴槽までの配管で変わるのだろうが、施設ごとの理由までは分からない。
季節で揺れにくいかどうかも、施設しだいだ。スカイテルメは冷却機を使わないので水温は季節で変わると施設の記事に書いた。「地下水だから一年中同じ温度」とまでは言えない。
それでも、5軒のうち研究の対象(15℃以下)に入りそうなのは天神の湯くらいで、残りはゆるめの側にいる。地下水の水風呂は、研究で効果が見られた冷水浴より温かいことが多い。これは長く入れる良さでもあり、研究の結果をそのまま当てはめられない限界でもある。

源泉の水風呂は別物|冷たくても「温泉」になる水
地下から湧く冷たい水には、地下水のほかに温泉の源泉もある。温泉法では、25℃に届かない冷たい水でも、決められた成分を一定量以上含んでいれば「温泉」になる。この記事でいう地下水は、施設の掲示や説明で温泉として扱われていない水のことで、源泉の水風呂とは分けて考えている。
群馬で私が浸かった源泉の水風呂は2軒ある。釈迦の霊泉(みなかみ)は、源泉22.2℃をそのまま張った水風呂が内湯にあった(夏の再訪で稼働を確認)。嬬恋高原温泉 つつじの湯(嬬恋)は、公式が「源泉100%かけ流しの冷泉」と説明する槽で、私の体感は20℃くらいだった。ただし施設全体の掲示には加温・入れ替え時の循環・塩素消毒の記載があり、この槽に及ぶかは読み取れない。つつじの湯の成分表の源泉温度は38.5℃で、20℃台にどう下げているのかは掲示から読み取れなかった。
源泉の水風呂は、成分を含む温泉に冷たい温度で浸かる体験で、地下水の水風呂とは話が別になる。成分の効き目、たとえばラドンの研究については「ラドン温泉は体にいい?論文を本文まで読んだら話が違った」で読んでいる。この記事では、水温の話にとどめる。
塩素|掛け流しの水風呂に塩素が入っていないことがある理由
花湯ユートピアで水風呂だけ匂わなかった理由は、ルールを読むと見えてくる。
浴場の塩素基準と、群馬県の「消毒義務なし」
厚生労働省の要領では、公衆浴場の浴槽の水は遊離残留塩素(消毒のために水に残している塩素の量)を「通常0.4mg/L程度」に保ち、「最大1mg/Lを超えないよう努める」ことになっている。水道水も、水道法の規則で蛇口の段階で0.1mg/L以上の塩素が残るよう決められている。水道水で張った水風呂には、最初から塩素が入っているわけだ。
一方、群馬県の条例の解説資料には、循環させない浴槽(汲み上げた水を流し続けて、あふれた分を捨てる浴槽)は「浴槽水の消毒義務はなし」と書かれている。地下水を掛け流している水風呂に塩素が入っていないことがあるのは、このためだ。
国の要領も、例外として認めている。循環配管を使わない浴槽で、流す水の量が多くて塩素の濃さを保てない場合は塩素系薬剤を使えない例として挙げ、そのかわり毎日の完全換水などを求めている。国の要領は技術的な助言で、守らせる力を持つのは各県の条例のほうだ。
ただし、私が確かめたのは匂いだけだ。花湯ユートピアの水風呂に塩素が入っていないと測ったわけではないし、ほかの4軒の塩素の有無も確認していない(湯乃庵は温泉の露天風呂の掲示に塩素系薬剤とあったが、地下水の水風呂については確かめていない)。井戸水でも塩素を入れる施設はある。天神の湯は、適温の浴槽を井戸水で温度調整し、保健所の指導により適宜塩素消毒していると脱衣所に掲示していた(水風呂ではなく適温の浴槽の話)。
塩素と肌|影響が出た小さな実験と、はっきりしないとする研究
塩素が肌にどう影響するかを、浴場と同じくらいの濃度で調べたヒトの実験がある(Seki ほか、2003年)。アトピー性皮膚炎の人20人と健康な人10人が、40℃の湯に前腕を10分浸けた。塩素の濃度は0〜2mg/Lの4段階。
アトピー性皮膚炎の人では、0.5mg/L以上で角層(肌のいちばん外側の層)の保水能(水分を抱えておく力)が下がった。健康な人で差が出たのは、浴場の基準を超える2mg/Lのときだけだった。
この実験は30人と小さく、測ったのは浸けた直後だけだ。湯の温度は40℃で、水風呂の温度でも調べていない。長い目で見て肌が乾燥するのか、湿疹が出やすくなるのかも分かっていない。次の節で引く2本の研究は、塩素についても調べている。英国の乳児の研究(Perkin ほか、2016年)では塩素の影響は「依然不確か」とされ、硬水と肌の実験(Danby ほか、2018年)でも塩素の明確な効果は見られなかった。塩素の入っていない水風呂が肌にやさしいかどうかは、研究の間でも結論が出ていない。健康な肌の人が得をする根拠は見当たらなかった。
硬度とミネラル|「硬水は肌に悪い」は英国の話
地下水というとミネラルを思い浮かべる人もいると思う。水の硬度(カルシウムとマグネシウムの多さ)と肌については、英国で研究が進んでいる。
- 生後3か月の乳児1,303人を調べた研究では、家の水が硬水の地域でアトピー性皮膚炎が多い関連が見られた(Perkin ほか、2016年)。ただし一度に調べただけの研究で、原因とまでは言えない
- 硬水地域のアトピー性湿疹の子ども336人で、軟水器を付けた家と付けない家を12週間比べた試験では、軟水器を付けても湿疹の改善に差がなかった(Thomas ほか、2011年)
- 硬水で肌が荒れる仕組みとして示されているのは、石けんや洗浄剤が肌に残りやすくなること(Danby ほか、2018年。資金提供に軟水器メーカーが含まれる)
これらの研究の舞台は英国の硬水地域で、軟水器の試験(Thomas ほか)は硬度200mg/L以上の地域の子どもが対象だった。前橋の水道水の硬度は51mg/L(市水道局の資料、2008年)で、100mg/L未満の軟水にあたる。しかも前橋市の資料によると、市の自前の水源はすべて地下水で、配水の約48%をまかなっている(2013年)。前橋では、水道水の半分近くがもともと地下水なのだ。
少なくとも前橋の例では、「地下水か水道水か」の違いは、水の中身より塩素が入っているかどうかのほうが大きい。石けんを使わない水風呂で、軟水どうしの硬度の差が健康を左右するという研究は見当たらなかった。
塩素がないことの裏側|衛生は施設の管理が頼り
塩素が入っていないことは、衛生の面ではマイナスにもなりうる。そこで厚労省の要領は、井戸水にも「大腸菌は検出されないこと」「レジオネラ属菌(肺炎の原因になる細菌)は検出されないこと」という基準を設けている。井戸水だからといって、この2つは外せない。群馬県でも、掛け流しの浴槽は年1回以上の水質検査と、決まった間隔での換水が求められている。
レジオネラ属菌がよく増えるのは20〜45℃で、最も増えやすいのは36℃前後とされる(国立感染症研究所の資料)。15〜19℃の水風呂なら、増えやすい温度より下にある。ただ、今回の5軒のうち3軒は20〜23℃で、増えやすい温度の下の端にかかっていた。「冷たいから大丈夫」とは言えないし、増えにくいことと菌がいないことも別の話だ。地下水の掛け流しの水風呂に絞った検出率の調査は、見つからなかった。
塩素の匂いがしない水風呂の気持ちよさは、換水と検査がきちんとされていることが前提になる。
私の入り方|地下水の水風呂が好きな理由は、ゆるさにある
私は地下水の水風呂が好きだ。調べ終わっても、その好みは変わらなかった。変わったのは、好きな理由の説明のほうだ。
地下水と書いてあるだけで体に良さそうに感じていたのは、水の中身のせいではなかった。好きだったのは、20℃前後のゆるさで10分近く浸かっていられることと、首まで浸かっても塩素の匂いがしないことだ。花湯ユートピアではサウナ15分ほど、水風呂10分ほどを5セット回せた。どちらも気持ちよさの話で、健康効果の話ではない。看板の「地下水」の三文字に勝手に健康効果を上乗せしていた私の脳は、なかなか安上がりにできている。
冷たさで締めたい日は15℃以下の水風呂へ行き、長く浸かって落ち着きたい日は地下水のゆるい水風呂へ行く。研究を読んだあとの私の使い分けは、水源より水温で決めている。
群馬で入った地下水の水風呂|5軒
地下水であることを公式の文言か館内の掲示で確かめられた水風呂を、短く並べておく。どれも「源泉かけ流し」ではなく、地下水の水風呂だ(温泉の源泉かけ流しの見分け方は「源泉かけ流しの見分け方」に書いた)。
- 花湯ユートピア赤城(渋川):張り紙に「100%地下水」の掛け流し。温度計で20℃、塩素の匂いがしなかった
- スカイテルメ渋川(渋川):公式に「100%天然地下水掛け流し」。夏は体感23℃前後で、何セットでも回せる
- 森サウナVIHTA(桐生・黒保根):天然地下水を汲み上げてかけ流す貸切の水風呂。体感17〜19℃
- 源泉 湯乃庵(太田):館内掲示によると地下200mの地下水。温度計で20℃
- 天神の湯(高崎):井戸水の水風呂で体感15℃前後。47℃の生源泉との往復が尖っている
源泉そのままの水風呂や、一桁℃のシングルまで含めて水源と温度で並べた一覧は「群馬の水風呂が尖った施設10軒|源泉・地下水・シングル」にまとめてある。
まとめ|地下水の水風呂は「体にいい」より「入りやすい」
地下水の水風呂が水道水の水風呂より体にいいという証拠は、いまのところない。冷水浴の研究で条件として出てくるのは水温と時間で、効果が見られたのは15℃以下の冷水浴だった。それよりゆるめの水風呂で調べた研究は見当たらず、地下水の水風呂はそのゆるめの側にいることが多い。
地下水の水風呂に当てはまりそうなのは、施設によってゆるめの水温になりやすいことと、塩素が入っていないことがある点。水道水の水風呂の水温は調べていないので、はっきり違いと言えるのは塩素のほうだ。塩素と肌の関係は、アトピー肌で影響が出た小さな実験がある一方、はっきりしないとする研究もあり、結論は出ていない。
向いている人:冷たさの壁が苦手で長く浸かりたい人、塩素の匂いが気になる人。アトピー肌の方は、水風呂の選び方より先に主治医に相談してほしい。
向かない人:冷たさで一気に締めたい人。地下水の水風呂はゆるめのことが多いので、冷たさが好みなら15℃以下をはっきり掲げる施設のほうが合う。
心臓や血圧に不安のある人は、水源にかかわらず高温のサウナと冷水の組み合わせに注意してほしい。夏場の注意は「夏のサウナと熱中症」にまとめてある。
よくある質問
Q. 地下水の水風呂は体にいい?
A. 地下水と水道水の水風呂で健康効果を直接比べた研究は、調べた範囲では見つかりませんでした。冷水浴の研究で比べられているのは水温や浸かる時間で、水の出どころによる差は確かめられていません。
Q. 地下水の水風呂は何℃くらい?
A. 地下10mほどの地中の温度はその土地の年平均気温に近いとされ、前橋の年平均気温は15.0℃です。私が群馬で入った地下水の水風呂5軒は、体感や温度計で15〜23℃でした。実際の水温は施設の掲示で確かめてください。
Q. 塩素の入っていない水風呂は肌にいい?
A. 浴場と同じくらいの濃度の塩素で、アトピー性皮膚炎の人の肌の水分を保つ力が入浴直後に下がったという小規模な実験があります。健康な人の肌で差が出たのは基準を超える2mg/Lのときだけでした。塩素の影響ははっきりしないとする研究もあり、長い目で見た影響は分かっていません。
Q. 地下水の水風呂に塩素が入っていないことがあるのはなぜ?
A. 群馬県の条例の解説資料では、循環させない掛け流しの浴槽には浴槽水の消毒義務がないとされています。そのかわり、井戸水にもレジオネラ属菌や大腸菌が検出されないことという基準があり、定期的な水質検査と換水が求められています。
参考にした資料
- Cain T, et al. Effects of cold-water immersion on health and wellbeing: A systematic review and meta-analysis. PLoS One. 2025;20(1):e0317615.
- Šrámek P, et al. Human physiological responses to immersion into water of different temperatures. Eur J Appl Physiol. 2000;81(5):436-42.
- Tipton MJ, et al. Human initial responses to immersion in cold water at three temperatures and after hyperventilation. J Appl Physiol. 1991;70(1):317-22.
- Seki T, et al. Free residual chlorine in bathing water reduces the water-holding capacity of the stratum corneum in atopic skin. J Dermatol. 2003;30(3):196-202.
- Perkin MR, et al. Association between domestic water hardness, chlorine, and atopic dermatitis risk in early life: A population-based cross-sectional study. J Allergy Clin Immunol. 2016;138(2):509-16.
- Thomas KS, et al. A randomised controlled trial of ion-exchange water softeners for the treatment of eczema in children. PLoS Med. 2011;8(2):e1000395.
- Danby SG, et al. The Effect of Water Hardness on Surfactant Deposition after Washing and Subsequent Skin Irritation in Atopic Dermatitis Patients and Healthy Control Subjects. J Invest Dermatol. 2018;138(1):68-77.
- 環境省「地中熱とは?」
- 気象庁「前橋 平年値(1991〜2020年)」
- 厚生労働省「公衆浴場における衛生等管理要領等について」
- 水道法施行規則 第17条
- 群馬県 食品・生活衛生課「レジオネラ症発生防止に係る群馬県条例の基準について」(2024年)
- 前橋市水道局「まえばし水道だより」第16号(2008年)・vol.38(2013年)
- 国立感染症研究所 有馬雄三「最近のレジオネラ症の発生動向」



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